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8/3 ROCK IN JAPAN 2019 (1日目)を観た

10:30~11:20 ゆず (GRASS STAGE)


2001年のROCK IN JAPANに同じくトップバッターを務めたゆずは、前説で登場した渋谷陽一CEOに「ロッキン創業者の1人」と紹介されていた。


途中でPARK STAGEに移動してまた戻ってきたから「嗚呼、青春の日々」「夏色」「栄光の架橋」の3曲しか観れなかったけど、2人の弾き語りがカラッと突き抜けて、誰かが吹いたシャボン玉が後ろから飛んできたりする最高のロケーションだった。

あと、このフェスでは「ロッキン!ロッキン!」でコールアンドレスポンスする人は沢山いるけど「シブヤ!シブヤ!」でコールアンドレスポンスしてるのは初めての経験で面白かった。オープニングのラジオ体操はあっても無くてもどっちでも良かったな。笑



10:30~11:15 BiSH (PARK STAGE)


去年もPARK STAGEの1発目で観た気がする。そして今年もバンド演奏を従えてのアクト。


GRASS STAGEでゆずを観た後に移動したら、朝イチから「NON TiE-UP」「OTNK」を連発していて清々しい心が汚された気分になった(笑)(褒めてる)

その後の「DiSTANCE」「stereo future」のような広大スケールな楽曲も生演奏によってより一層パフォーマンスが引き立っていた。


それぞれのアーティストらしさ、唯一無二性があるか、という軸において、このフェスに出演するアイドルグループの多くは欠かせない存在になっている。その中でBiSHは意識的にロックバンドに接続しようという姿勢も感じられる。だからこそJAPANにはこれからも必要とされ続けるのだと思う。



11:20~11:50 ネクライトーキー (BUZZ STAGE)


ネクライトーキーのライブはキャッチーである以上に衝動的で、ロックという以上にパンキッシュ。演奏も詞もとてもエッジが効いている。

音源で耳が萌えていた人達はライブを観て更にギャップに燃えるに違いない。


そして、このバンドからはここからステージを駆け上がっていく主人公感をヒシヒシと感じる。来年以降もそのストーリーの目撃者になりたいと思う。


最後に演奏した「遠吠えのサンセット」は今までBUZZ STAGEで観た中でも会心の1曲だった。心に勢いと悔しさを吹き込んでくれるロックバンドだ。



12:35~13:05 秋山黄色 (BUZZ STAGE)


前半しか観れなかったが、ルーキー離れした重厚なバンドサウンドがただ衝撃的だった。


MCでは1つ前に出演したネクライトーキーの朝日さんの大ファンだと語っていた。憧れのアーティスト達を目の前で目撃するという意味では集まったオーディエンスと近い心境だったのだろう。


それでも「今観てる人の中から俺のステージを袖で観てくれる人が出てきて欲しい」という言葉からは、未来のバンドマンに夢を与える存在としての自覚も感じられた。


取ってつけた特設テントみたいBUZZ STAGEだけど、ここからGRASS STAGEが見えるのが良いんだ。



13:00~13:50 フレデリック (GRASS STAGE)


初めてのメインステージでこの時間帯ならこういうライブになるよなぁといった感じ。

今までこのフェスで勝ち上がってきたナンバー達をGRASS STAGEで鳴らすことが大きな目的だったのだろうか。それに即して言えばとても良いライブだったと思う。


個人的には年末のEARTH STAGEで観たフレデリックの方が何倍も引き込まれた。

昼間の晴天よりも夜のネオン、屋内の照明が似合うと思うし、そんなロケーションで演奏して欲しい楽曲が他にも沢山あるからだ。この日披露された新曲もこれからもっと良くなる。


例えば、今では夜のステージ以外に考えられないサカナクションだって最初のGRASS STAGEは昼間だった。フレデリックにとっても、今回の初GRASSはもっと輝ける場所と時間帯にステージに立つまでの序章に過ぎない。




13:45~14:15 佐藤千亜紀 (HILLSIDE STAGE)


昼間のステージらしい戦い方をしたフレデリックに対して、昼間からクールダウンな雰囲気全開で凄く良かった。


それ以上に驚いたのは、ソロの持ち曲も数持っているに関わらず、1曲目にきのこ帝国の「東京」を、3曲目に「クロノスタシス」を披露したこと。


今年に入ってバンドは時間が止まってしまったけど、あのギターの轟音はソロの楽曲においても効果的に用いられている。

何より彼女自身がライブのステージできのこ帝国を生かしてくれたことが、集まったファンにとっては嬉しかっただろう。



14:15~15:05 sumika (GRASS STAGE)


思えば昨年末のCDJもフレデリック→sumikaの順番で彼らの初メインステージのライブを見届けていた。


あの時圧倒的にEARTH STAGE映えしていたフレデリックとは対照的に、この日のsumikaは圧倒的にGRASS STAGE映えしていた。


この日も最後に演奏した「伝言歌」の直前のMCは年末のEARTH STAGEでも話していたことで、18歳の片岡少年が夢見ていた景色が現実になったことへの喜びに溢れていたし、ようやく夢を大勢の"あなた"と共有出来た瞬間だった。


まぁそんな物語を抜きにして、晴天の下に広がる大草原はsumikaが奏でる音楽に完全に味方していた。これからもこのステージに立ち続けて欲しい。



15:00~15:30 PEDRO (HILLSIDE STAGE)


朝イチのPARK STAGEに登場したBiSHのアユニちゃんがベースボーカルを務めるソロプロジェクト。BiSHの衣装とは違って半袖短パンにリストバンドを身につけた風貌からは、BiSHでも大事にしているパンクの匂いが漂っていた。


1曲を除いて全て今月末にリリースされるアルバムの新曲で固められたセットリスト。

昨年出たミニアルバムは彼女の内面がフォーカスされた楽曲だったように思えたが、今回演奏された新曲群はそれに比べると開けたイメージを感じた。


それでいてバンドサウンドはより強固に仕上がっていた。次は是非ともライブハウスで観たい。


初ライブで演奏していた「本当本気」とか「透明少女」には結構期待していたけど、それもまた別の機会に。



15:30~16:20 ヤバイTシャツ屋さん (GRASS STAGE)


ロックバンドが初めてGRASS STAGEに立ったら、そりゃあ泣けるMCがあったり、昔から演奏し続けてきた曲が数万人の前で報われたりしてとても感動的なライブになる。

だから、それを経た後の2回目ってなかなか難しい気がするのだ。


ヤバTは去年に続いて2度目のGRASS STAGEに立った。去年の初グラスのライブはMCもその後の曲もエモく響いていたけど、今年はいわゆるキラーチューンを惜しみなく連発してお客さんを楽しませることに徹していた。そういう意味では本来のヤバTらしいライブだったと思う。


それでも、この日終盤のMCでこやまさんが「楽しいだけで何のためにやってるのか分からなかった俺たちに音楽をやる意味を与えてくれてありがとう」と話していた。


もちろん、ステージ上から音楽をやる意味を伝えていくことも大事だろうけど、それ以上にリスナーから意味を与えてもらうこと、つまりこちら側からアーティストに向けて音楽をやる意味を与えてあげることの大切さを教えてもらった。大好きなアーティストがいるのならば、そのファンでいることにもっと誇りを持つべきなのだ。



まぁ結局何が言いたいかというと、次は真昼の炎天下のGRASS STAGEでもう一度目玉焼きにチャレンジして欲しい。



16:45~17:35 THE ORAL CIGARETTES (GRASS STAGE)


昨年の年末、いや今年の年明けにKEYTALKがEARTH STAGEの最後の時間帯に登場し、1年前の夏にはKANA-BOONがトリ前のGRASS STAGEに出演した。


この世代のバンドと共に20代の前半を生きてきた自分にとって、次にこの位置に名乗りをあげたのがオーラルだったのは、少なくとも数年前の自分からしたら意外や意外だった。

でも、今の自分からしたらこの日この大事な時間を担うべくはオーラルだと思った。


「懐かしい曲」という触れ込みで「起死回生STORY」を演奏し出した流れる時間の速さに驚いてしまった。

今のオーラルはあの時とは全く次元の違うライブをしている。でも、あの時から存在している「嫌い」が今のバンドを表現するのに重要な役割を担っているのを感じて、これまで5年間やって来たことは一貫していたのだと思った。


18:10~18:50 the HIATUS (SOUND OF FOREST)


今年で結成10周年、直近のJAPAN誌で表紙を飾ったアーティストがどうして小さいステージなのか。


それは、このステージでライブをしたいという本人たちの強い希望があってのこと、その意思を尊重したJAPANの誠意があったから。


木々の間から夕陽が差し込むロケーションで鳴らされる新曲たちは本当に素晴らしかったし、MCやマイクを通さずにメンバーから自然と溢れていた喜びの声と笑顔が本当に最高だった。


この日の夕暮れのSOUND OF FORESTは、まさに俺たちの秘密の場所。




18:05~19:30 SEKAI NO OWARI (GRASS STAGE)


the HIATUSのライブを観ていたので終盤の30分弱の間しか観れなかったが、着いた時にちょうど演奏されていた「スターゲイザー」が圧巻だった。


固唾を呑んで見つめるオーディエンスの前で静かな鼓動のように響く音、その静寂に秘められたエネルギーを表現した光の演出は、あの時間のあのステージにしか成し得なかったと思う。


アンコールで大合唱した「RPG」がもう5年以上も前の楽曲なのが驚きでしかないが、それだけの月日を経てバンドが大きく進化していることが短い時間でも伝わって来た。素晴らしい初日のヘッドライナーだった。



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