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8/4 ROCK IN JAPAN 2019 (2日目)を観た

10:30~11:10 アルカラ (LAKE STAGE)


朝イチのLAKE STAGEを盛り上げたメイントピックは、同じ時間にGRASS STAGEに出演していた欅坂46の「不協和音」を演奏したこと。

アルカラというバンドがアブノーマルでアンビバレントな存在であることを再実感させられるカバーだった。


その後、不協和音に因んで語られた大佑さんの音楽うんちくからは、バンドがまだまだ転がっていく気概が感じられた。


年末にリリースされるアルバムから披露された新曲では大佑さんがバイオリンを弾きこなしオーディエンスを湧かせていた。これからも奇術的な不協和音で既成概念を壊し続けて欲しい。



ちなみに欅坂46はこの日「不協和音」を歌わなかった。


11:10~11:45 マカロニえんぴつ (SOUND OF FOREST)


朝の青空も似合うし、その中でも少し閉鎖的なFORESTの空間がとてもマッチしていた。


それは、はっとりさんが話していた「いつまでも大好きなあなたの逃げ場所でありたい」というMCと、その言葉の下でマカロニえんぴつの音楽を鳴らすのに適していたロケーションだったということ。


もっと多くの人に届くべきだとバンドを続け、今になって当人が実感している以上に知名度が上昇している所だと思う。

それでも、今まで抱え込んできた人のことも確認しながら、少しずつ丁寧に範囲を広げていこうとしている様に感じた。

その結果として、この日も新たに多くの人とひたちなかで親しい仲を育むことが出来たのだろう。



11:45~12:35 NICO Touches the Walls (GRASS STAGE)


初めてROCK IN JAPANに参加した時に最初に観たアーティストが、GRASS STAGEに立つNICO Touches the Wallsだった。

そして実は6年間のロッキンでこのステージで1番観ているアーティスト。

このフェス・このステージ・このバンド・この曲じゃないと生み出せない空気、味わえない感覚というのがある。そのことを教えてくれたのはロッキンのNICOなのかもしれない。


2015年のロッキンでみっちゃんは確か「どのステージになってもこのフェスに立ち続ける」と話し、この日は「欅坂の時ぐらいガッと来て欲しい」と思いをこぼしていた。

自分たちの音楽がどのぐらい多くの人に届いているかという手応えをリアルに感じ続けて来た数年間だったと思う。



最後に演奏された「18?」で、バンドは現実混じりの夢を歌っていた。

6年間このフェスに足を運ぶ中で自分がロックバンドに求めるものはその時々で変わっていったけど、今の方がロックバンドに夢を観ている。


破れそうで破けない、ロッキンとNICOとGRASS STAGEのストーリーが来年も続いて欲しい。



13:00~13:50 04 Limited Sazabys (GRASS STAGE)


バンドを始めて10年で日本一大きいステージに辿り着いたのが昨年。

GRASS STAGE2年目の今回は、今のロックシーンがフォーリミに求められる役割を全うした50分だったように思う。


その役割とは、1日の1番アツい時間帯に大勢のオーディエンスを盛り上げ、心を焚きつけること。

昨年と圧倒的に違ったのは、上空からの日差し、正面から迫る爆音に加えて、周囲の人の熱気だった。


この日GENさんが話していたように、衣食住に音楽は必ずしも含まれていない。それでも音楽を求めてアツくなれる人が何万人もいるということは、アーティストにとって本当に誇らしいことなのだと思う。

そして、音楽がないと生きた心地がしない。そう思えるのはとても豊かなこと



他のライブでGENさんが「太陽みたいな存在になりたい」と言っていたように、フォーリミはもちろん雲ひとつない晴天にとても似合う。


ただ、陽が傾いてからのこのステージも自分は絶対に似合うと思っている。

そこで聴きたい曲もまだまだある。その夢に近づくための1年がまたスタートした。



14:00~14:45 9mm Parabellum Bullet (PARK STAGE)

卓郎さん本人も話していたように、夏らしい曲は全くと言っていいほど無い。

ステージ上の激しさに比べると、オーディエンスは静かに激しく盛り上がっている。アッパーチューンではあるけど所謂フェス向きの音楽とは異なる場所でずっと戦ってきた。


9mmは2007年に初出場して以降13年連続でROCK IN JAPANに出続けている。

今年で結成15年だからロッキンに出るまでに掛かったのもたった2~3年。このバンドがいかに勢いよくシーンに躍り出たかということを物語っている。



2015年のGRASS STAGEに出演していたのを少し観た記憶があるだけで、この世代のバンドがGRASS STAGEで躍動していた時代を知っているロックファンが羨ましくて仕方ない。


15:10~15:55 King Gnu (PARK STAGE)


2019年のここまでを語るには欠かせないアーティスト。

春と比べてフェスでの戦い方はそこまで変わっていないように感じたが、大勢のオーディエンスを集めるその光景こそがKing Gnuの群れを広げていく。通りすがりの人達の目に最も触れやすいPARK STAGEは格好の舞台だったように思う。

そして、集まった大勢に対してはその1人ひとりを心地よく揺らしていくのだ。


新曲「飛行艇」は重たいビートとギターリフで押していく、今年リリースされた中では無かったタイプの楽曲だった。

ここからの1年間で引き連れた群れをGRASS STAGEまで導いて欲しい。



敢えて1つだけ言うとしたら、井口さんの「センキュー」の言い方にもう少しバリエーションがあっても良いと思う。笑


15:50~16:25 ハルカミライ (SOUND OF FOREST)


いつもの調子でフロアに突入しようとしてスタッフに確認を取るも「ダメだった」と笑顔で話した学さん。一方で、ステージ横のスピーカーに登ってギターを掻き鳴らす大地さん。

ギリギリの所でルールを守る、というよりルールが無い所ではみ出しまくっていたのがロッキンでのハルカミライだった。



楽器を置いて4人が中央に並んで肩を組んで足踏みしながら「世界を終わらせて」のサビを歌ったシーンでは「アイツらまたあんなことやってるよ」と指さすように笑いながらも、目の奥からは込み上げてくるものがあった。


「最後に1曲聴いてくれ!間違えた、歌ってくれ!」

という彼ららしい合図で「アストロビスタ」で響き渡った「眠れない夜に私 ブルーハーツを聴くのさ」の合唱。その光景はロッキン20年よりも長く続く日本のロック史を今に焚きつけ、未来へ継承していくように映った。


16:45~17:35 WANIMA (GRASS STAGE)


2年ぶりに観た。


どこまでが曲でどこまでがMCか分からない、見た目のキャッチーさとエンターテイナー性が増したライブ運びはこの2年間、つまりお茶の間やドームクラスの会場まで賑わせたバンドの躍進を象徴するものだった。


ウェーブをやったり、演奏する曲決まってるのにお客さんからリクエストを募ったり、50分の持ち時間にあらゆる要素を詰め込んだ結果、予定では残り3曲やる予定なのに5分しか残っていないという事態になってしまう。

だが、それだけ目の前の人達と今本気でコミュニケーションすることに重きを置いていた証拠だと思うし、本気で楽しませる裏側には思い通りにならない日々を思い出させてくれる楽曲がある。その根幹的な部分もより強くなっていた。


WANIMAの良さを再確認出来たし、GRASS STAGEにおいてもやっぱり距離が近く感じられた。個人的にはフォーリミと同じ日に同じステージで観れて良かった。


18:05~19:30 10-FEET (GRASS STAGE)


今まで色んなフェスで10-FEETのトリのステージを観てきたけど、陽が落ちた後のひたちなかで観たのは始めてだった。

そして、昨年から持ち時間が約90分に伸びたGRASS STAGEのヘッドライナーに2年連続で選ばれたのは10-FEETだけである。


ロッキンの10-FEETといえば「靴だけダイブ」とか「サークルの真ん中で組体操」とか知る人ぞ知る伝説が存在する。自分が前回観た時はタクマさんの格好がまんまりゅうちぇるだった。


ただ今回は長い持ち時間を使って普段フェスでやらないような楽曲などもガンガン演奏していた。このフェスに出たばっかりには演っていたであろう「ライオン」も今のバンドサウンドの上では新鮮に響いたし、タクマさんが「激しい曲やります」と話した直後の「シガードック」では優しい歌声が広大なGRASS STAGEを包み込んでいた。


完全に陽が落ちた後にはスマホライトを照らしてのウェーブ。後ろまで届いたら今度は後ろからステージに戻ってくる光の波はこの時間帯を任せられるアーティストにしか作り得ない絶景だった。


最後に演奏した「CHERRY BLOSSOM」の間奏の「隣の知らない人とハイタッチや〜!!」ってくだりが本当に無理なんだけど久しぶりに出来ました。笑



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