見出し画像

8/11 ROCK IN JAPAN 2019 (4日目)を観た

11:45~12:35 KEYTALK (GRASS STAGE)


2年目のGRASS STAGE、真夏の真っ昼間。この巨大な空間もすっかり似合うお祭り番長としてKEYTALKは君臨していた。


それぞれのキャラクターの色をした衣装(赤・紫・黄・青緑)を纏ったメンバー、このステージのトップバッターを飾ったももクロにも負けず劣らずの華やかさと勢いでフロントの3人はステージを駆け回っていた。

そんな一面も今となってはすっかりバンドの武器だと思えるようになり、それ以上にどの曲も夏の祭りがスタートする号砲になっていたことが感動的だった。


そんな中、ライブの後半に義勝さんの「このステージで歌いたかった」という言葉から演奏されたのがインディーズ時代の「fiction escape」だった。

メジャーデビュー当初からJAPANに囲われて順風満帆にシーンを駆け上がってきたKEYTALKだが、メンバーが26~27歳だった2015年にLAKE STAGEでライブをしてから、去年初めてGRASS STAGEに立つまでには3年を要した。


フェスのKEYTALKらしいライブ運びの中で演奏された昔の楽曲には

「3年前に夢見た世界」

「割と簡単にこなしてきた26年間」

という歌詞がある。それがまるでこのフェスで戦ってきた彼ら自身のことを歌っているように聞こえた。


ここからはこの地位を守って、更に高めていく戦いに突入する。ここまで上り詰めた以上に大変で、だからこそ見届け甲斐がある。30代、そして2020年代のKEYTALKにこれからも目が離せないのだ。



13:00~13:50 Mrs. GREEN APPLE (GRASS STAGE)


1つ前のKEYTALKなど、自分がよくフェスやライブハウスで見続けてきたバンドがここ1~2年でGRASS STAGEでライブをするまでに成長した。


ミセスグリーンアップルも今年初めてGRASS STAGEに立ったバンドの1組だが、自分が観てきたバンド達とは少し離れた畑で、かつ少し下の世代の彼ら。ライブも数年前のCDJのGALAXY STAGEで1回観たきり。


そんな状態で事前の予習もほとんどせずに観たら衝撃だった。

ミセスに対する知識も経験の蓄積もないから上手く魅力を言語化出来ないのだけど、自分にとって馴染みのあるバンド達をごそっと抜き去るような圧倒的なライブをしていた。

グラスのトリ前に出るアーティストと同じぐらい沢山のオーディエンスを集めていたし、ジャンルレスに繰り広げられる曲の数々が波のようにオーディエンスを揺らしていた。


聴かず嫌いをしていたわけではないけど、あまりしっかり聴いて来なかったことを後悔させられた。本当に凄かった。甘い蜜たっぷりの毒リンゴじゃねえか。秋のアルバムが出る頃にはいっちょまえに語れるように勉強しよう。



15:30~16:20 [ALEXANDROS] (GRASS STAGE)


5年前の初めて参加したROCK IN JAPAN、昼前の灼熱のGRASS STAGEに立った[Alexandros]は激しいナンバーを連発してフロントエリアで倒れそうになった記憶がある。


バンドはその翌年にGRASS STAGEの最後を飾り、今年2年ぶりにこのひたちなかに舞い戻ってきた。

今の[ALEXANDROS]は攻撃的なナンバーでヘロヘロに暴れさせるだけではない。

5年前からキラーチューンとしてこのステージを揺らしていた「Starrrrrrr」や「Kick&Spin」も今のバンドのモードを示すかのように、当時よりも広く大きく、ダイナミックに響き渡っていた。


バンドにとってのこの1年を象徴する曲「Mosquito Bite」のアウトロでは、足を骨折しながら演奏を続けていたヒロさんが椅子から立ち上がり、ステージの中央で他のメンバーと近い距離で熱演を広げた。


新曲「月色ホライズン」の最中には、歌詞にも登場する飛行機が会場近辺を旋回しており、洋平さんが「飛行機だ!!」と上空を指差す。ミスチル桜井さんの「虹だ!!」のオマージュにしか見えなかったが。笑


何にせよ、亜麻色に染まる8月のひたちなかに愛されるロックスターだ。また1番遅い時間帯にも出演して欲しい。




16:45~17:35 マキシマム ザ ホルモン (GRASS STAGE)

この日のホルモンのライブに関して、正直に言うと自分はめちゃくちゃ怒りを覚えている。今もなお。


なんで怒っているのか、理由は2つある。


1つ目は、中盤のMCでダイスケはんが出番を終えたばかりの[ALEXANDROS]の洋平さんのシャツを無理やり着用していたことだ。

クールなダークネイビーを基調としながら、大きめの星柄がプリントされた、まさにロックスターが纏うに相応しい衣装だった。あの衣装に白いジャズマスターを身につけて掻き鳴らした「Starrrrrrr」は最高だった。


そんな、スターにしか着用することは許されない衣装を冗談でもホルモンのメンバーが着用して良いものだろうか。


ダイスケはんに着られたのが余程嫌だったのか、数日後のサマーソニックでは洋平さんはロッキンで着ていたシャツにほとんど似ている別の柄のシャツを着用していた。

海外のロックスターが集うフェスでも、あの星柄の衣装で躍動して欲しかった。衣装が変わったせいか「Starrrrrrr」は演奏しなかった。


そしてその2日後、大阪で行われたサマソニのステージで、洋平さんはまた柄だけ違うダークネイビーのシャツを着ていた。どうやらいくつかのパターンがあってその日毎に違う種類のものを着用しているだけみたいだ。



・・・長くなったがホルモンに怒っている理由はもう1つある。こっちに関しては本当に怒り心頭だ。

それは最後に演奏した「恋のスペルマ」の前に行った「恋のおまじない」に原因がある。


あのおまじないをやる前、確かナヲ姉さんは「どんなチケットもご用意される」と話していた。

そんな効用でも無ければわざわざあんな無理して身体を後ろに反ることなんてしたくないものだ。



その数日後、アジアンカンフージェネレーション・エルレガーデン・ストレイテナーが十数年ぶり集う「NANA-IRO ELECTRIC TOUR」のチケット先行の当落発表があった。


おまじないをした自分は勿論当たるものだと思いながら、一応確認のためメールを開いた。なんとチケットはご用意されなていなかった。東名阪3ヶ所とも申し込んだのに全て外れた。


即刻ナヲ姉にクレームを言おうと思ったが、よくよく考えてみると、あの時一緒にチケットが当たるおまじないをした人の数は「NANA-IRO ELECTRIC TOUR」が行われる会場のキャパシティを大きく上回っていた。


そして、アジカンもエルレもテナーも、ホルモンと同じ時代を共に戦い、00年代からROCK IN JAPANを盛り上げてきた仲間である。つまり、あの時おまじないをした人の大半は同じチケットを申し込んだと思われる。それでは外れても仕方がない。


ただ、もしあの日GRASS STAGEで恋のおまじないをしてナナイロのチケットが当たった強運の持ち主がいたら、皆殺しのメロディに乗せて今後チケットが当たらなくなる呪いをかけたいものだ。



とてもカッコ良いライブでした。

18:35~19:20 Base Ball Bear (LAKE STAGE)


ROCK IN JAPANには今年で14年連続の出演。

今となっては地方の大型フェスなどでBase Ball Bearの名前が乗ることはあまり無いし、今のフェスシーンを賑わせているバンドと仲良くしている話もほとんど聞かないが、このJAPANには毎年大事にされ続けているからこそ、20周年の節目にLAKE STAGEのトリに選んだのだと思う。


前代未聞の浴衣ライブなど、所縁のあるLAKE STAGEだが、3人で演奏するのは今回が初めて。思えば自分がオリジナルの4人を観た最後のライブもロッキンのLAKE STAGEだ。


これまでバンドが止まりそうで途切れそうな瞬間もあったが、冒頭に書いた通りこのフェスには14年間出続けているし、この日1曲目に演奏した「17才」が象徴するようにバンドは今年で結成から17才。つまりBase Ball Bearとしての青春真っ只中だ。

メンバーは本当に楽しそうに演奏しているし、その一方で、17年のキャリアが描くギター・ドラム・ベースの三角形は盤石に仕上がっている。


それこそ「17才」の歌詞には救われもしたし傷つけられたりもした。ベボベの曲は青春を映し出すし、それは失恋だったりうだつの上がらない日々の側でも鳴っていた。

けど歳を重ねて、そんな過去を懐かしむことが出来るようになってきた。それはバンドもそうだと思う。


17年間のうちの様々な葛藤を乗り越えて今が1番楽しくバンドをやっているように見えるし、そんな中で披露された新曲がとても真っ直ぐでキラキラしていた。


この日、ミセスの大森元貴くんがグラスステージで「やっと夏が始まった」と言っていた。

自分はこの日、夜の野外のベボベのライブを観てそんな気分になった。レモンが弾けるような夏い季節はこれから何度だって始まる。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?