生活保護受給者、旅行を楽しむ
一泊二日で旅をしてきた。海のきれいな場所だ。
生活保護受給者は旅行していいのか
日頃からちゃんと節約して、保護費の範囲内で行うなら、OKだ。
生活保護制度は、「生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的とし」た制度で、個人の活動を制限するものじゃない。
ただし、居住地を長く離れる場合は、担当ケースワーカーに知らせる必要があるのでご注意を。
かかる費用の面から見ても、海外旅行はさすがに厳しいかもしれない。
遊んで暮らせるわけじゃない
2023年の夏に保護受給を開始したので、受給歴は1年ちょっとだ。
フルタイムではないが、仕事もしている(※ 保護を受けていても仕事はできる)ので、保護費とは別に月15,000円ほどの収入がある。
最低限の生活には困らないが、余暇に使う費用はなかなか捻出できない。
実際、私はこの1年間
一度も髪を切っていない
服を一着も買っていない(ただし靴下6足を約2,000円で購入)
友人と会うときは某イタリアンなファミレスか自宅に来ていただく
という生活をして、ようやく旅費が貯められた。
保護費でウハウハ遊べるような余裕があるわけじゃない。当たり前だけれど。
旅行にかかった費用
今回の旅費は以下だ。
交通費 12,050円
宿泊代 5,000円
合計 17,050円
※ 普段と同程度の食費だったので、食費は含めていない。
うつで旅行?
私はうつという診断を受けた。
うつで旅行はしていいのか。というかできるのか。
個々人の病状にもよるし、医師ではないから、何とも言えない。
ただ、私の場合、家を出る数時間前から抑うつに襲われて、動けなくなった。
ギリギリの時間に、家を出られるくらいに回復したので出発したが、向かっている間中ずっと抑うつ状態だった。
旅行ができるコンディションかどうか、先に医師に確認すべきだったと後悔した。
精神疾患を抱えている人は、何か大きなアクションを取る前には医師に相談をしよう。私が言えた義理じゃないけれど、こういう失敗をすることになる。
幸い、旅行先に着いたころには抑うつはかなりおさまっていた。でも旅行先で動けなくなっていたら、自分にも人にも迷惑をかけてしまっただろう。
私はADHDの特性からか、後先考えずに衝動的な行動を取ってしまうことがある。衝動性があるという自覚を持って、ちょっと立ち止まるくせをつけた方がいいと痛感した。
今回はずっとあこがれていた旅ができて幸せだった。でも、同じことを同じ立場の人に勧められるかというと、うーんと頭を抱えてしまう。
「一度立ち止まって、相談を」と言いたい。(自分にも)
幸せに生きていい
生活保護を受けているということは、周りのみなさんのお世話になっているということだ。
そんな立場にいながら、遊ぶこと、楽しむことに、気が引けることがある。
もし、友達が同じ立場にあったなら
「保護を受けていても、そうでなくても、できる範囲内で自分の好きなことをやっていいんだよ」というだろう。
同じ目線を向けることが自分には難しい。
旅行をしたことを公開するのも、勇気が必要だった。
だけど、どんな立場でも幸せに生きていいと言いたくてこの記事を書いた。
幸せな人が多い社会がいい社会だと思うからだ。
家族、友人、福祉制度、制度に関わる方がいなかったら、今ごろ野垂れ死にしていた。数えきれないほどたくさんの方に、返しきれないほどの恩がある。
自分が社会に貢献できるくらい回復したら、今度は自分が誰かを支えられるように少しでも恩返しをしよう。今もできることを少しずつ。
そう考えている。