見出し画像

未来をつくろう~DHBR論文より

富山から車で1時間、白川郷が有名ですが、世界遺産に同じく登録されている五箇村集落です。数年前に仕事仲間と訪れました。「いつでも来れるね。また一緒に週末旅をしよう」。そう話していたのに、「いつでも」はないのだ、ということをコロナ禍でつきつけられました。未来は激変しました。

最新号のハーバードビジネスレビュー、「戦略的に未来をマネジメントする方法」特集。白い表紙がイメージの同誌が今回は赤い冊子、書店でひときわ目立ちますね! 
特集のうちの論文の1つの、ローランド・ベルガーの長島聡の寄稿「未来を創造する経営の実践」。想像を超えるほどの不確実性が高い中、長期の未来を戦略的に考えるにはどうすればよいのか? ーを紐解いています。

欧州の大手自動車メーカーのVWを例にとらえ、未来を描く戦略を考察しています。
①先読み(多様なニーズを見極める)、②引き寄せ(トレンドを自社戦略に誘導する)、③構え(読み違いに柔軟に対応できるようにする) の3つのプロセスに沿って詳しく紹介。 それから、欧州のもう一つの巨大自動車メーカーであるダイムラーの例を取り上げています。ダイムラーについては、顧客起点で、モビリティーサービスを実現するためにつくった「SWARM」組織を紹介。筆者は、後者のダイムラーの取り組みを「構想」であるとし、この「構想」を行うには、企業の存在意義を示す「パーパス」が必要である、と強く説く。 

「パーパス」経営、最近よく聞く言葉です。有名なのは、ソニー、ユニリーバ、ハイアットなど。その「パーパス」=社会に届けたい価値をどう作っていくかをわかりやすく紹介しています。

日本を支える中小企業。
彼らが、大手メーカーの設計通りに技術を提供する役割から脱却して、自らが持つ価値を発信していくようになってほしい。これによって高い競争力をえていくことができるようになる。そのための人材も必要だ。今年4月に設立されたファクトリーサイエンティスト協会は、IoT技術を活用してものづくり産業をけん引する中小企業の人材育成に本格的に着手していく。

コロナ禍で不確実性は一層高まり、未だ視界不良であることに変わりはありません。この危機をチャンスととらえて、明日への一歩を踏み出す。そう思わせてくれる論文です。

#DIAMONDハーバードビジネスレビュー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?