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工場へ行こう🏭を話そう〜カレーのココイチSP〜〈後編〉

不定期でテレビ愛知「工場へ行こうpartⅡ」再現ドラマに出演しています。
これは、撮影の舞台裏やオンエアを見て気づいたことなどを、俳優目線で話していくページです。

前回、2020年2月1日(土)放送「カレーのココイチSP」を半分振り返りました。

ちなみに〈前編〉は過去最高のいいね♡を獲得。読んでくれた方、いいね♡をくれた方のおかげです。ありがとうございました!

今回は〈後編〉です。それでは、どうぞ。

1. 工場へ行こうとは?

「工場へ行こうpartⅡ」
 東海エリアの工場に潜入し、時に美しく、アイデアの詰まった製造現場の裏側を紹介する番組。毎月第1土曜午後2時50分からテレビ愛知で放送中!
ナレーション:平泉成さん、坂口陽香さん
※放送をご覧になった方がわかりやすいと思います。
※取り上げるのは「再現ドラマ」のみ。
※あくまでも個人の見解です。

2. 再現ドラマ〜あらすじ〜

テレビ愛知「工場へ行こうpartⅡ」
2020.2.1(土)15:10〜
ココイチ巨大工場で見た!売れるカレーの秘密SP
あらすじ
夫婦で喫茶店を経営していた創業者・宗次徳二。お店は繁盛し、順風満帆な日々を過ごしていた。ある日、妻・直美から突然提案が…。「お昼ご飯と食後のコーヒー、一緒に頼めたら便利でしょ?」出前でご飯ものを始めると、たちまち人気メニューに。ついに専門店を開くことを決意する。最初の計画ではカレーと一緒に牛丼も売り出す予定だったが、すぐに断念。名前は「CoCo壱番屋」。店長に抜擢されたのは、近所の家電ショップに務める常連客の青年。晴れて、1号店をオープンしたのだったが…。

3. キレイに!元気よく!

1978年、西枇杷島に「CoCo壱番屋1号店」がオープン!
店長を任されたのは、つい先日まで近所の家電ショップに務めていた青年。
僕は、この青年役を演じました。

繁盛していたのはオープンして数日間のみ。思うように客足は伸びませんでした。

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CoCo壱番屋1号店のファーストカットは、調理場で作業をする店長の後ろ姿。これにも理由がありました。

「菅沼、調理台を拭いてようか!大きくね。」

リハーサルで監督から演出が入りました。つづけて、

「お客さんがいなくても、暇さえあれば掃除してたんだって!」

なるほど!お客さんがいつ来ても良いように、お店を綺麗にしていたとは!素晴らしい心構え。関心しながら、乾いた付近でふきふき。ちなみに、ここでいう”大きく”とは、カメラに背を向け、手元も見えないため、調理台を拭いているのが伝わるよう動きを”大きく”、という意。ちょっと大きく動きすぎかな〜と思いましたが、オンエアを見る限り自然でホッとしました。

「カメラ位置」と「画角」から逆算し、どれだけ大きく動くべきかを瞬時に判断し、芝居をする!数年前の「工場へ行こう〜宇宙ロケットSP編〜」再現ドラマで共演した平泉成さんの背中をみて学んだことです。言われなくても、演れるようにならなくちゃ・・!

ちなみにこの青年、「店内をキレイにすること」と「気持ち良い接客をすること」二つを徹底していたそうです。お客さんが来たときは、ハキハキと大きな声で「いらっしゃいませー!」をいうのが決まり。セリフ中の「いらっしゃいませー!」も、撮影前に「声量」と「声色」をかえて、何パターンか監督に確認してもらったものが採用されています。

4. そこに立っていたのは・・・

しばらくすると、待望のお客さんが…。背中でその気配を感じた青年。いつものように「いらっしゃいませー!」と言って、振りかえると…。

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そこに立っていたのは、なんと!宗次さんご夫婦だったんです!

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この状況、かなりヤバいですよね。なぜなら、店内は空っぽですから。

相当気まずかったんじゃないか。いや、気まずいだけじゃない。期待に応えられなかった「申し訳なさ」や、結果を残せていない「不甲斐なさ」など、いろいろな思いが渦巻いていただろう…。

台本を読み、青年の気持ちをひと通り考えた後、すべてを忘れ、撮影に臨みました。

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おふたりの優しい顔を見たら「・・・宗次さん」は自然と出てきました。

5. やばい、叱られる・・・!

ふたり、てくてくてく…。

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カウンター席まで歩いてくるんですが、この一連の流れ(動き)は現場合わせ。しかし、とくに事前に気持ちを作る必要もないほど、この間は気が重かったです。息の詰まる、数秒間でした。

そのままふたりが着席したところで、一旦CM。

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なんですが…、↑このCMへ繋がる最後のカットに、ちょっと裏話がありまして。

目をこらすと、窓のサッシが映ってるのわかりますか?そう、コレ実は、外から撮影してたんです。前のカットを撮り終えると、役者以外の撮影スタッフは全員外へ。画角が決まり、カメラがセットされるまで、待ち時間がありました。

その間、宗次さんを演じる棚橋さんと妻・直美さんを演じるしなこさんと談笑しながら、そのときを待っていました。しばらくすると、監督が中へ入ってきて、

「はい!オッケーです!」

「え!?」と驚く役者陣。

つづけて「もう撮ったんですか!?」と聞くと、監督から「よかったよ!」と一言。3人の心配はよそに、もう次のシーンの撮影準備へ。

驚きでした。だって、カメラが回っているとも知らず、時折言葉を交わしながら、いたってリラックスした状態で待っていただけなんですから(笑)

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(この棚橋さんもきっと「撮影はまだかな〜?」と外の様子を伺っていたのだと思われます。)

しかし、オンエアをみて驚愕しました!!
なぜなら、このあと明かされる”集客作戦”へ見事に繋がっていたからです。

CMあけ。作戦内容、つまり、"空っぽのお店にご夫婦で居座り、次のお客さんが入りやすい状況を作っていた"ことが明かされます。

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思うに、きっと宗次さんご本人も、ときおり席から外を眺めては「お客さんはこないかな〜?」と待つこともあったんじゃないかと。

”お客さんが来るのを待つ宗次さん”と”撮影が始まるのを待つ棚橋さん”。
ふたりの”待つ”が奇跡的にリンクし、のちに明かされる集客作戦の暗示となった・・・!というのは言いすぎでしょうか。

ひょっとして、”自然な待ち姿”を狙う意図もあったのかも…!
「よかったよ!」と言った監督は、撮っている段階でこの流れも見えていたんだと思うと、自分の視野の狭さを感じます。

6. サクラ効果てきめん!

ご夫婦の作戦は見事成功!お客さんが来店しました。
青色ネルシャツの似合う男性一人、カウンター席へ。

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店長(青年)はハキハキと元気よく接客。台本に書かれていたのは、お水をお出しするところまで。しかし、お客さんが来てくれたことの嬉しさからか「何にしますか?」と聞いてしまっていたんです。それも、聞こえるか聞こえないかわからないほどの声で。

そんなアドリブに対し「あ、じゃあ、、カツカレーで」とリアルな温度で応えてくれた榊原くん。実は、ライティングを担当する、若き照明スタッフ。

カット。すかさず「注文は(しなくて)いいんだよッ!」と監督から注意が…!これは僕のせいです、ごめんなさい。その後、テイク2。「ご注文きまりましたら教えてください」みたいなことを言ってるはずです。

次第にお客さんは増え、一躍人気店へ!!

7. おわり

工場ドラマは宗次さんご本人のインタビューで締められます。
言葉が響きました。

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気持ちよく従事するって、飲食店に限らず、どの世界でも大事なことだと思います。そこに人がいるならもちろん!たとえ、ひとりの作業であっても気持ちよく。空っぽの店内を綺麗に保ち、いつでも気持ちよく迎え入れられる準備をしていた店長から学ぶことはたくさんある気がします。

工場へ行こう🏭を話そう〜カレーのココイチSP編〜これにて終了。
最後までご覧いただき、ごちそうさまでした🍛!

次回放送は3月7日(土)14:50〜
お弁当を変えた!ウインナー業界の巨人 伊藤ハム
ぜひご覧ください!
テレビ愛知「工場へ行こうpartⅡ」
ナレーター:平泉成、坂口陽香
出演:棚橋真典、しなこ、菅沼翔也
構成:松永英隆、宮崎祐人
撮影:川瀬荘司
照明:榊原知昭
音声:宮本和也
編集:島崎道也
音効:久保田吉根
協力:株式会社壱番屋、喫茶フレンズ、PIXTA
編成:那須義元(テレビ愛知)
ディレクター(監督):仲尾義晴
プロデューサー:伊藤弘道(テレビ愛知)、仲尾義晴(ホーボーズ)
チーフプロデューサー:林雪彦(テレビ愛知)
制作協力:ホーボーズ
制作:テレビ愛知

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