夢と金 1

自分は週5日8時間も働いていない。
会社が「短時間正社員制度の試験運用」を行なっており、真っ先に名乗りを上げたのだ。
短時間正社員制度の試験運用は今年の1月から始まっており現在6ヶ月目。
先月までは週3日8時間。今月は週4日4時間と週1日8時間で働いている。

なぜ、短時間正社員制度を受けようと思ったか。これを振り返る機会があったのだが、突き詰めると
"自分の人生における行動原理は何か"
という問いに向き合うことになる。
あなたは何に従って人生の選択をしていますか?

自己紹介をします。
数学野郎と申します。今年27歳になります。エンジニアとして働き現在2年目です。それまでは数学の研究者になりたいと数学の研究をしていました。数学の研究者になりたいと思った理由は、小学生の頃から数学が好きで得意で、数学をするだけで生きていけたら楽しそうだと思ったからです。数学の研究者になるというのは、数学科の博士課程を卒業して大学や研究所に所属して数学の論文を書いて生計を立てることを今回は指します。
しかし、当時の自分の見通しは非常に甘かったです。
自分は整数を研究する分野である数論に興味があり、数論を図形として捉えて幾何学で問題を解決する数論幾何学を研究しようと思い修士課程では数論幾何の研究室にお世話になりました。大学院に入学する前に先生と毎週のセミナーでやることを決めるのですが、自分からこれをやりたいというものが出てこず、先生に勧められたLei FuのEtale Cohomology Theoryを読むことにしました。修士1年の10月頃までこれを読んでいましたが、難しく、7割くらい読んだところで断念し修士論文はもはや数論幾何とはあまり関係ないことで書くこととなりました。
敗因は

目的意識がなかった

これがほとんどだと思います。当時の自分は「モチベーションを上げる」という概念が嫌いでした。好きなら勝手にやるはずだからそんなものを考える必要はないと思っていたからです。そう思っていると、勉強しない自分を責めることになります。勝手にやらないということはそんなに好きじゃないのだと。対偶です。
しかし、現実は違います。モチベーションにはこだわるべきなのです。
そう思うようになった経緯は非常に浅いのですが、メンタリストDaiGoさんがケンブリッジ大の脳科学者の大黒達也さんとYouTubeで生放送をしているアーカイブを見ていたときのことです。確か集中力を上げるにはどうしたら良いかという話題になった時に大黒さんがポロッと

まあね… 色んな方法があるのかもしれないけど結局モチベーションが9割くらい決めるんですよね

という趣旨の発言をしていたのです(記憶は定かではないので、9割という割合は嘘かもしれないですし鵜呑みにはしないでください)。非常に権威主義的で短絡的な発想ですが、大黒さんが言うならそうなのだと思ったのです。それを抜きにしても、ちゃらんぽらんな人でもゲームにはめちゃくちゃのめり込んだりするのはまさにゲームのモチベーションが強烈だからであり、その通りだと思ったのです。

数論幾何を勉強する場合であれば、なぜ数論幾何を勉強するのかに正面から向き合う必要があります。そこへの解像度が悪く、なんとなくカッコ良さそうとしか思ってなかったのは自分の敗因なのかなと思います。これを抜きにしてもうまくいったかはわからないけど。

では自分はどうしてエンジニアになろうと思ったのか。どこにモチベーションがあるのか。これは次回話したいと思います。

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