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前世は虫


私が苦手なもの、ゴキブリ…よりもそれを見かけた時。
どんな生き物でも命を奪うことはしたくない。
それは目の前にいる1匹の虫の命と自分の命を比較して
どちらが尊いか分からないから。
まして、目の前の虫に私の命は掛かっていない。


夕食に、と弁当を買った店で
足元に気配がすると思ったらゴキブリだ。私は迷った。家なら必死で捕まえて外に逃がす。
(家の中で一緒に暮らしたい、とは思っていない。家を清潔にし、“ブラックキャップ”を置いているので大人になって自宅で出会ったことは一度もない。)
しかしここは店、袋や紙が手元にない。
足元に寄ってくるので誘導してドアの外へと思ったが、外へ出たのも束の間

引き戸だったので、再びドアとともに中入ってしまった。これではまるで私が招き入れたみたいではないか!

すると、壁の隙間から外へ出て行った。出入り口発見。ほっとしたのもつかの間、再び店内へ出没

弁当が出来上がるのが先かゴキブリを出すのが先か
内心の葛藤悟られないよう何とか外へ出せないかと思案するもゴキブリをうまく誘導することができず

カウンターから足元は見えないだろう。
ただ店内をウロウロして、突然ドアを開ける挙動不審者

弁当が仕上がり外へ出る。
その後は分からないけれど、ゴキブリが大人しく外へ出ることを祈った。


やたらと蚊を敬遠し、虫除けスプレーは多量に身体に降りかけるが、いざ体のどこかに止まり血を吸われると
つぶし殺生してしまう事は、とてつもなくためらう。

感染症を媒介するなどと聞くので、周囲に小さな子がいると、心で謝りながら容赦なくつぶしてしまうが
そういった不要不急を避けて極力殺生はしたくない。

特に宗教的な理由は無い。無宗教なので。

必死でゴキブリやクモ、蚊を逃がそうとすると大体引かれる。今まで一緒にゴキブリを逃がそうとしてくれた友人は1人だ。
いや私だって崖で蚊を落とすか自分を自分が身を投げるかと言われれば、さすがに身は投げない。(そもそも蚊は飛べる)だけどそういう究極の選択でなければ、なるべくは殺生したくない。

そう言いながらベジタリアンではないので、肉や魚は日常的に頂くしそもそも野菜だって生き物だ。自分が生きていくためにありがたく命をもらっていて、そこには盛大に感謝をしつつ、容赦ない。
とんでもない矛盾だと思うがこれを説明できる理由があるとすれば、前世は虫だったのかもしれない。

知らんけど。

ま、つまりはただのエゴ。

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