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プルーンジャムでjam(詰む)

日曜の遅い朝ごはん。
フランスパンに手作りのブルーベリージャムとクリームチーズをのせる。
ヨーグルトには冷やした桃と冷凍しておいたブルーベリー、プルーンのジャムものっけて。

娘は言う。「このヨーグルト、お店で食べたら1000円くらいするよ」
そうだね、お店で食べたら1000円くらいするね。でもお店じゃないからお代は結構です。

桃はいただき物だし、ブルーベリーもプルーンも畑から採ってきたからゼロ円、かかったのはヨーグルト代と、ジャムを煮た砂糖とガス代、畑までのガソリン代くらいかな、などと頭の中で原価計算する私。1000円で売れたとしたら粗利は、、。

つけっぱなしのTVには、お店の美味しそうなケーキが映る。
「ケーキ屋さんは、毎日ケーキ作って飽きないのかな。」

娘は時々、急に話が飛ぶ。おそらく彼女の頭の中ではいろいろグルグル思考した末の一言なんだろうけど、会話なんだからせめて「ところで」くらいの接続詞を添えてほしいものだ。こっちはまだ原価計算中なのだ。

*
答える前に、娘の思考回路を想像してみる。
『お店じゃないからタダって言っても毎日同じようなご飯だな。
しかしママは毎日ご飯を作って飽きないのかな?
私は毎日会社に行ってそろそろ飽きたな。仕事辞めたいな…』
まぁ、こんなところだろう。憶測でしかないが。

で、答える。「みんなそうだよ。毎日同じ事やってたら、いくら好きな事でも飽きるし嫌になることだってあるよ。」

娘は知っている。私があれほど好きで打ち込んでいた仕事を今、休んでいる理由を。

「おばあちゃんはもうプルーンを見るのも嫌だって言ってたよ」笑

叔母の畑のプルーンの木には今年ものすごい数の実がなった。採りに来い、そして好きなだけ持って行けとお誘いを受けて、車で1時間かかる畑に母と二人で行ってきたのだ。

ハハハ、そうだよねと娘が笑ったので、更にはぐらかしにかかる。

「ママは畑で毛虫にやられたから、プルーン見ると痒くなるよ。」

そうだった。皮膚科に行って薬もらってきたから、フルーツヨーグルトの原価(経費)にそれも含まなければいけないではないか。

*
飽きない工夫、それもこれもみんな。
手を変え品を変え、ごまかしはぐらかし、時に休んでさぼって、楽しさや幸せに変換しようと大人は毎日、何十年も同じカラダとココロと付き合いながら生きている。

食べてくれてよかった。作った甲斐があった。それでトントン。ドンブリ勘定。

(プルーンジャム入りのアイスもあるよ!)

続く日々の道の先を
塞ぐ影にアイデアを
雨の音で歌を歌おう
すべて超えて響け

つづく日々を奏でる人へ
すべて超えて届け

星野源『アイデア』



おやすみなさい。


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