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「書き写す」の効用。

二日酔いでフラフラする頭。フラフラする足取りでお風呂を沸かしに行く。浴槽をスポンジで掃除して、お湯を張る。ゆらゆらと立ち上る湯気を眺めていると、ちょっと気分がよくなってきた。湯船につかりながら小説でも読もうかなと考えながらお風呂を後にして、この原稿を書くことに。

昨日書いた「すぐやる。ちょっとでもやる。」が、いつもよりもたくさん読まれていた。嬉しいことに、数日前から実装されたnoteの機能ピックアップのルール1でトップになっていた。

この記事では、写経( 誰かの文章を書き写すこと )を例に「すぐやる」「ちょっとでもやる」ということに焦点を当てていた。そこで今日は、写経そのものに焦点を当てて書くことにしようと思った。

写経というと思い出す文章がある。池上彰さんと、池上彰さんが「読売新聞の一面を下から読ませる男」と呼ぶコラムニストである竹内政明さんの共著『書く力』の一説だ。

 ただ、とにかく文章を書き写しているうちに、「こういう場合はこう書けば、読者に伝わるんだな」といったコツがなんとなくつかめてくる。読んだ人が唸るようなカッコいい名文はもちろん、「人に伝わる文」というのも、いきなり書けるものではないんです。
 ただ面白いことに、こうした「人に伝わる文」の基本がつかめてくると、今度は自然と「自分の文章」も書けるようになってくるんですね。「自分の文章」「自分の文体」を作るために特別な練習をしたわけではないけれども、ある段階にくると、自分なりのリズムが出てくる。(『書く力』より引用)

この写経に関する文章だけでも、他にもご紹介したいお話がいっぱい。( 文章を書く人にはとにかくオススメしたい一冊です )

読むだけなら、すっ飛ばして読み進めることもできるかもしれない。けれども、書き写すとなると一字一句を丁寧に追いかけていく必要がある。これを続けていると、この作家さんがどんな工夫をして書いているのか、逆にじぶん自身がどれだけ手抜きをしていたかとか、変な癖みたいなものも自然と浮かび上がってくる。

じぶん一人で文章を書いているだけでは気がつかない発見やら文章の進化・深化・真化が「写経」の効用なのだと言えるだろう。ということで今日も・・・

すぐやる。ちょっとでもやる。

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さて今日は、電子書籍出版社DNAパブリッシングで半年にわたって主催してきたブックライター養成講座が最終回を迎える。すでにお仕事をお願いしている人も複数いらっしゃるのも嬉しいですし、ともによい本・売れる本をつくる仲間が増えたのがさらに嬉しいです。

ということで、きっと今日も深酒の予感でございます。

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