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売れる本じゃなくて、 大切にしたい本をつくっていきたい。

時折り、こんな夜がある。

感謝の念に打たれ、愛おしさに包まれる夜が。

それがどこからなのかはわからないが、思い掛けず湧いてくる。きわめてナチュラルなものだ。

一昨日だったか、その前の日だったか。すっかり寝る準備をすませ、照明のスイッチをOFFにしたときのこと。目の前が暗くなり、自著『弱火でトロトロ書くように』が温かな光を放つ。むろん比喩的表現だ。

有り難いことに、いまも長く売れている。しかし、だから、ではない。大事なのは結果ではなく、その存在そのものなのだ。

こう書くと、ぬるいと思われる人もいるかもしれない。もしくは綺麗事に過ぎない、さらには売れたから言えることだ、と。

そう思われても、「まあ、仕方ないよな」と開き直ることができる。なぜなら僕にとってこの本が「大切にしたい本」であることに変わりはないのだから。

出して終わり、出したら次、みたいな人が少なからずいて、きっとスタンスの違いなだけなんだろうけど、ちょっとその感覚がわからない。

人のことはさて置き、「大切にしたい」と思える作品があることを、ささやかだけど確かに誇りに思う。そしてそれは幸せなことだ。

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『弱火トロトロ』を読んでくださったみなさん、ありがとうございます。どなたが読んでくださったかわかりませんが、みなさんの存在もまた、僕にとって大切なものです。

Amazonのレビューに書いてくださった感想は、何らかの理由でAmazonがなくならない限り、ともに残り続けます。この本の存在の一部のようなものです。レビューをいただいたとき、言いようのない感謝の念に打たれます。

今回は、こんなレビューをいただきました。

はじめは、末吉さんはどんな人なのか、なぜこの本が売れているのか知りたくて購入しました。

何度も読み進めていくうちに、優しい言葉の奥にある著者の葛藤、気づきに触れ、自分もそういうことあるなと共感するようになり、気がついたら、私も毎日エッセイを書くようになっていました。

自分の頭の中にある構想、心の中にある感情をエッセイとして、試しに書きだしていくうちに、だんだん自分が本当にやりたいことが見えてくる。

こんな優しい文章に人生を変えられるとは思いませんでした。

2冊目が楽しみです。

もし感想があれば、レビューで教えてください。大切さが増し、この本が育っていく感じがして、とても嬉しいのです。

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