スローライフ。フツーライフ。

日が高くなりはじめてから目を覚まし、布団に横たわりながらスコット・フィッツジェラルドの短編集『冬の夢』に収められた「罪の赦し」を読み進める。緊張感を含んだ物語が繊細な描写とともに進んでいく。

読書がひと段落すると、洗面所へ行って髭を剃る。奥さんが沸かしてくれたお風呂に入るためにドアをあけると、湯気がもわっと漏れ出てくる。浴室いっぱいに充満した湯気のおかげで湯船につかる前からあったかい。地味な幸せである。

体の水滴をバスタオルで拭き取り、お気に入りのセーターに袖を通し、デニムに足を通す。足元にはもふもふの分厚い靴下。つい最近使えることを知ったAmazon Music Unlimitedで『Doo-Wops & Hooligans』をかける。ブルーノ・マーズのポップな音楽と歌声が部屋中に広がる。そうしてぼくは、溜まっていた洗濯物を一つまたひとつとたたんでいく。

バタバタと出かける準備を整え、奥さんとふたりで渋谷へ移動。閉店ギリギリのケニックカレーのお店へと飛び込む。カレー屋さん感ゼロの店内は完璧にBarである。カウンターに座ると、目の前の壁には猫との初老の方々が一緒に眠っている姿がおさめられた写真が6枚。食だけではなくアートにも力を入れているようだが、とろ〜りチーズで全面がおおわれた個性派のキーマカレーはふつうに絶品。

そして、本日の目玉であります映画『バーフバリ 王の凱旋』の鑑賞。渋谷の小さな個性派映画館UPLINKで2、3席の空席を残してほぼ満席。観終わると、観客席の人たちがいっせいにしゃべりだす。笑い出す。こんな上映後の空気は、( 個人的 )映画史上はじめてだ。ぼくの隣の席で鑑賞していたカップルは、渋谷駅に向かって歩く10分以上はひたすらに笑い、熱っぽくしゃべり続けていた。( 何度だって )とにかく、おもしろかった!

散歩がてら最寄駅のひとつ前の駅で下車し、ピザを一枚だけ食べて帰ることに。先ほどのカップルよりも長いこと、『バーフバリ』についてしゃべりつづけていた。

ぼくにとってはスローライフと呼べる一日。うん? あれ? でもこれって、スローライフじゃなくて、フツーライフなのかな。一般的には。ま、どっちでもいっか。そんなこと。たのしければさ。

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もう中毒です、『バーフバリ 王の凱旋』。帰宅して、原稿に向かう前に、Amazonのサイトへ訪問して、DVDをポチりと購入。届いたらまた観ます。

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そうとうにおすすめですね。前作も観ておいたほうが、やっぱり楽しめると思います。

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