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父親からの祝福を受けとる。ベストセラー作家本田健さんの作家向け合宿を終えて。

 この四日間、雨か霧に包まれる山梨県八ヶ岳で過ごしていました。初日は家族旅行で、残りの三日間はベストセラー作家であり、メンターとして公私ともにお世話になっている本田健さんの作家向けの合宿にお招きいただき、参加していました。

 もちろんいい本、売れる本を書くための具体的なテクニックも何十個も話してくださいました。が、個人的に、もっとも胸の奥深くに残ったのは、父親からの愛や応援を受け取るというワークでした。

 「えっ? 本を書くことといったい何の関係があるの?」と思われた方がいらっしゃるかもしれません。お気持ちよくわかります。むかしは僕もそう思っていました。強く、そして心から(笑)

 心理学などにおいて、父親というのは社会の象徴と言われています。父親といい関係を持てていると、人生に迷うことなく指針を明確に持てたり、社会は安心できる場所と感じられて果敢な挑戦がしやくすなったりするのです。

 これは逆も然りです。父親との関係が悪かったり、切れてしまっていたりすると、本当は何がしたいのか混乱してわからなくなったり、社会は危険な場所だと感じて動けなくなったりしてしまいます。

 これは作家だけに限らず、どんな仕事においても当てはまるのです。もちろん才能や能力だって大切なのですが、世界の見方や心の在り方によって、結果はまるで違うものになります。

 極端に考えてみるとわかりやすいので、例を挙げてみますね。人は自分の味方で応援してくれると思っている作家と、人はみんな敵で応援なんてしてくれるはずがないと思っている作家では、同じテーマで書いても売れ方が違うと思いませんか?

 じつはこれまでも、8年くらいかけて、健さんの合宿に通い詰めて、問題や葛藤のあった父親との関係性を癒すことに取り組みました。その結果、一年半前に父が亡くなる直前には二十年ぶりにディズニーランドに家族旅行に行ったりするほど、劇的に関係性が好転しました。僕にとっては、神さまっているんだな、と思えるほど奇跡のような変化だったのです。

 しかし、です。これからやっと、家族をやり直す、たのしい時間を取り戻すぞ、そんなタイミングで父はなくなりました。結婚式の一週間前、初孫の顔を見ることなく逝きました。こればかりは仕方ないことだとはいえ、やっぱり悲しいし悔しいし、なんでなんだよという憤りにも似た気持ちだってありました。なんだか見捨てられたような気分にだってなりました。

 僕だってそんなことは思いたくないけれど、やっぱり心のどこかにはある気持ちを父親に伝えて、、いや、ぶつけて、そのうえで父親から声をかけてもらう、愛や応援をもらうというワークに臨んだのです。

 どんなに頑張っても、そんなのないと否定しようとしても、どうしても心の真ん中にぽっかり空いて埋まらなかった穴に、父の愛情や応援が流れこんできました。安心感に満たされながらもパワーがみなぎっている、そんな感覚です。

 その前と後で、目に見えて変わったことはありません。しかし、何かが確実に変わったのがわかったのです。父親の応援を受けとり、パブリック(公)になっていく覚悟が決まりました。

 何をどうするなど具体的なことはわかりません。世界の見方や心の在り方が変わったいま、これから起こる現実の変化がたのしみです。

 「末吉さんの文章喫茶店のようなところ」のみなさん、これからの僕がどんな変化をしていくのかたのしみに見ていてください。へぇ、こんな変化が生まれるんだ、とおもしろがってもらえたらうれしいです。

 そして、さらに、ご自身の父親との関係を見直すきっかけになるとしたら、これ以上にうれしいことはありません。

 お時間のある方は、「母親から安心感をもらう」という記事も読んでみてください。簡単なワークのやり方も具体的に書いています。

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