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機転を利かせる条件

機転が利く人は、どんな時でも臨機応変に対応して、トラブルなどのピンチをチャンスに変えていくことができるとされています。少なくとも機転が利かない人と比べるとはるかにその可能性は高いのではないでしょうか。

実績としての信用はともかく、あいつは機転が利くヤツだと認識されるだけでまわりからの信頼は厚くなりますので、職場にいる機転が利く人を見て、

 「仕事ができていいな」
 「私もそうなりたいな」

と思う人もひょっとしたらいるのではないでしょうか。

しかし、実際には『機転が利く』と言うのは能力的なハードルがそれほど高いというものでもありません。機転が利くようになるためのトレーニングと言うモノはないのです。

『機転が利く』ようになるためには、日頃の何気ない時間にある考え方を変えるだけです。自分の考え方がどうしても変えられない人は、その時点で凝り固まってしまっていて冒頭に述べた"臨機応変さ"が無い状態となってしまっています。

だから、機転が利かないのです。
そんな自分のままでいたいのか、それとも変えたいのか。決めるのはあなた自身です。

  • プライド(驕り)の高い人

  • 常に過去の実績や経験を軸にして判断している人

  • 周囲の状況や事例に興味を持たない人

  • 視野を広げ、世間の情報に疎い人

  • 無趣味、または自分の好きなこと以外に興味を持とうとしない人

  • 興味が無いことや、経験のないことに対して非常に憶病な人

こう言った人は往々にして機転が利く人が少ないと言われています。
これらには共通しているものがあるからです。その共通しているものとは…そう

 『自分で決めた枠から外に出ようとしない、見ようとしない』

という点です。当然、自らの決めた型や枠以外を選択しませんし、選択しない理由を正当化するために周囲を否定する形になりますので、自ずと思考の柔軟性を欠いていきます。

「そんなバカな」は自分の殻に閉じこもった証拠

機転が利くとは、その

『状況に応じて素早く適切な対応ができる』

ことをいいます。
マニュアル人間のように言われたことだけをやるような人だったり、物事を深く考えていないような人だったりするとイレギュラーなことが起こったときに咄嗟の対応ができません。

たとえば、プロジェクトの進行状況を上司に報告したところ、

「じゃあ、メンバーの単価を100円上げたら採算はどうなる?」

と聞かれたとしましょう。

その上司は、条件を変えたいろんなパターンを質問してくる傾向がある人でした。
部下もそう言う上司だとあらかじめ知っていたとします。

もし、その部下が『機転が利く』人であったならば、そういったことをちゃんと把握していて、もしかしたら聞かれるかもしれないから自分だったらどうするだろうと考えていたからと、事前に用意していた資料を見せて質問に答えることができるかもしれません。

上司から見ても、この部下は「1聞いたら10用意してくる」と感じれば、その熱心な仕事ぶりに信頼を置いてくれるでしょう。機転が利く人は、普段から「もし、〇〇だったら?」に興味をもって色々なことを考えています。

決してその場その場を反射神経で答えるわけではありません。

事前に考えておくからこそ様々なシチュエーションに対して答えが用意できるのです。このように機転が利く人は、相手のことや周囲のことなどを考えたうえで行動することができる人です。社会で生き抜くための「頭のよさ」を持っているといえるので、職場では重宝される存在になります。

臨機応変な対応ができるようになると基本的にどの会社、どの部署でも頼りにされる人材になれます。機転が利くためには日ごろからどのような姿勢であるべきなのか、それは機転が利く人を観察していれば嫌でもわかります。

全体を見渡して観察できる

自分だけではなくまわりのことも観察しており、常に全体を見渡すことができる力を持っています。全体の中における自分の役割も理解しているため、どんな状況にも臨機応変に対応することができるのがポイントです。

観察力もあるので、ちょっとした表情や声色の変化などにもすぐに気づきます。目線や会話の内容などから、人と人との関係性も把握していけるので、人の気持ちにも敏感です。

分析や評価ができる人にも『機転が利く』人は多いと言われています。

ただし、分析や評価"だけ"しかできない人は機転が利きません。それはただの評論家でしかないからです。自分事として捉えることができなければ、機転を利かせる機会も生まれませんので、日ごろから機転を利かせる努力をする必要がなくなります。すると機転が利く能力は伸びなくなります。

機転とは、様々な状況を踏まえて解決するための行動に移せる必要があります。
行動が伴わない、成果に結びつかない分析や評価だけの人は機転が利きません。


人間関係を築くのが上手

機転が利く人はコミュニケーション上手です。

自分一人でできることなんてたかが知れてますから、いざとなって機転を利かせた際に周囲の協力を得なければならないようなシチュエーションを想定し、日ごろから良好な人間関係を構築しようとします。

そのため相手を思いやる心があり、普段から相手はどういうことをすると喜ぶのかを考えています。そうした日々のやり取りから相手の性格や特徴なども把握できるようになっていくため、イレギュラーなことが発生したときでも相手を思いやった行動や相手のフィードバックを予測した行動をすることができます。


物事を柔軟に考えられる

マニュアル通りではなく、物事を幅広く捉えて柔軟に考えることができます。『機転が利く』人は、自分の考え方以外にも、ほかの人の考え方などからもより良いモノがあればどんどん学ぼうとする姿勢を持っていることが特徴です。

逆に「俺は」「私は」という主観的な主語がつかないと話ができないような人は、視野が狭いかあるいは度量が狭いか、柔軟さが発揮できません。

プライドが『驕り』ではなく、『誇り』によって判断・行動できる人はそもそも自分自身の中にあるチンケな考え方に固執しません。常に客観視し、常により良いモノを貪欲に吸収します。そうすればいざという時の選択肢が広がり、機転の利く対応ができる可能性が広がるからです。

さらにイレギュラーなことが起きるとその都度どう対応したらいいかを考えて、仮説検証を繰り返し、自分の中で構築している対応マニュアルを更新していきます。そうすることでまた1つ、あらたな機転の利く『ネタ』を手に入れることができるからです。


さまざまなリスクを常に想定している

機転を利かせる人は、機転を利かせなければならないような状況になるまで何も考えていないわけではありません。不測の事態が起きる可能性があることを日ごろから常に心に留めており、考えられるさまざまなリスクを想定しながら行動しています。

機転が利くと言うことは、常日頃からリスクとなり得る状況(ハザード)を想定し、脳内でシミュレートしています。そうでなければ、咄嗟に柔軟な対応なんてできません。

 「こういうことが起きたらこうしよう」
 「それがダメならこうしよう」
 「それも無理そうなら…」

と、あらかじめいくつかの対応策を考えているので、咄嗟のときでも行動することができるのです。機転が利く人、臨機応変に立ち回れる人と言うのは、どれだけ情報を収集し、どれだけ思索を巡らせておくかで決まります。

リスクマネジメントが上手な人にも多いのではないでしょうか。


肝が据わっている

機転が利く人は、機転を利かせられるがゆえに普段から落ち着いています。
過度に感情に飲み込まれることがなく冷静です。

当然ですね。

予め様々なことを予測しているのですから、常に頭の中では

 「こうなることを想定して」
 「こういうこともあると思って」

と常に準備ができている状態になります。

予めそうなることを想定していて、しかも対策案まで複数考えていたなら、慌てる必要が無いと言うか、慌てたくても心が動揺しませんよね。冷静になる努力をしているのではなく、普段から頭の中がクリアな状態となるようにしているから、冷静にしかならないだけなのです。

イレギュラーなことや問題、トラブルがあってもパニックになることはありません。

ただ冷静に

 「さぁ、どのパターンで切り抜けようか?」
 「用意しておいた策のうち、どう対応したら一番よいか?」

を考えて事態を切り抜ける力があります。


想像力を働かせて先読みする

機転が利く人は、少し先のことまで考えています。

リスクも見越しているので継続していれば先読みの精度も上がりますし、仮に外れてもそれもリスクとして先に読んでいるので、すんなり解決します。

日頃から頭の中でシミュレーションを繰り返し、どんなことが起こる可能性があるかをイメージして対策をあらかじめ考えておきます。リスクマネジメントなんて大層なことを言っていますが、わかりやすく言えば要するに「妄想」です。

都合のいい妄想も、都合が悪くなる妄想も、できるだけ鮮明に細かいところまでイメージすると良いでしょう。「自分がこう言えば、相手はこう返してくるだろう」など、実際にあるかどうかわからなかったとしても、一可能性として様々なやり取りも想定しておきます。

そして先読みをするためには、今やるべきことをしっかりやれていることが前提になります。自分自身がイメージ通りになる条件を満たそうとしていないのに、イメージ通りになるわけがありません。まずは今の仕事をしっかり把握し、その上で少し先の予定についてもさまざまなパターンを想定しておきましょう。

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