商品の価格設定は、提供価値を基準に行ってください、間違っても原価率30%の逆算の値決めをしないでください。
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商品の価格設定は、提供価値を基準に行ってください、間違っても原価率30%の逆算の値決めをしないでください。

須田光彦@宇宙一外食産業が好きな男

宇宙一外食産業が好きな須田です。

少し前になりますが顧問先での出来事です。

現在そのお店は、来春の全面リニューアルに向けて、全商品を見直している最中で、レシピは勿論商品設計から見直しています。

味の方向性もバランスもポーションも、食器も全てリニューアルする予定です。

そして、最も大事な売価を一新します。

ほぼ新店で行うことを、現在行っています。

この作業中に出てきた質問が面白かったので、その質問の答えをご紹介いたします。

この質問をいただいた時に、「あっ これってもしかして全ての方が抱いている疑問なのかも」と、思ったのでいつかnoteで記事にしようと考えていました。


その質問とは、
「商品は新しくなって美味しくもなりましたが、この新商品の価格はどうやって決めればいいんですか?」
というものでした。


非常にシンプルな質問です。

この若い料理長は、それまで会社が一方的に値決めをしていたので、ご自身で値決めをしたことが無いそうで、それでこのシンプルな質問が出てきました。

この方は初めてのことだったので、質問をしてきましたが、多くの方も同様に値決めに関してはいつも悩んでいることと思います。


同様の質問は非常に多く受けるので、間違いなく値決めの考え方は浸透していないことと思われます。


言うまでもなく、値決めは非常に重要な決定事項です。
経営者の、最も重要な決定事項の一つと言えます。


ここを間違えると、繁盛する業態も繁盛しなくなってしまいます。
ここを間違えると、繁盛しても利益が残らないことになってしまいます。

高すぎると敬遠され、低すぎると儲からない。
それが、価格設定の怖いところです。

実は商品の値決めで一番のハードルは、この怖さを克服することです。

怖いから、安くしてしまう。
怖いから、高くしてしまう。

常に、この二つの恐怖があります。

安くしなければ買ってもらえないんじゃないかという恐怖と、安くすると儲からないんじゃないかという恐怖、この二つの恐怖の間でいつも行ったり来たりしているのが、値決めの段階での出来事です。

その為、一般的には合議制で決めるか、経営者の独断で価格設定はなされます。

自分では決めたくないのが本音です。
今後の業績に大きな影響を及ぼすとなると、なかなか怖くて出来ないのが現状です。

そのお気持ちは、深く理解が出来ます。


でも、当たり前のことですが、決めなければいけません。

さて、ここまで読まれて如何でしょうか。
先ほどお伝えした恐怖は、あなたもお持ちではないでしょうか?
実はその恐怖に影響されて、価格設定がおっくうになっている、設定後もつけた値段で良いのか悩んでいませんか?

さて、では本題に入っていきます。

値決めはシンプルに考えましょう。

どういったことかと言うますと、商品を見た時に、その商品に幾らなら払っての良いと思いますか?

この感覚で決めることとして下さい。

「えっ そんなことでいいの?」と、思われたと思いますが、これでいんです。

何故か。

それは、お客様は実際にメニューブックの写真を見て、商品解説を読んで、その商品の価格を見て、そして提示されている金額に納得できるか出来ないか、金額に見合った価値が提供されているのか、お得感があるのかを考えて感じて商品を決めています。

「感じて」、商品を決めています。


商品写真が無い場合は、解説文を読んで商品を想像して買うか買わないかを決めています。

美味しいというのは、実際に商品を食べてから気づくことです。
その前に食べてみたいと思うか、価値を感じられるかを重視してオーダーしています。
ですから、見た目が重要ということです。

価値の提供はまず見た目からです。
勿論、それに付随して商品名も解説文も大きな価値提供のサポートとして重要なことは言うまでもありませんが、食器とのバランスも大事な要素です。

食器が商品とマッチしていないお店は、本当に多いのが現状です。

さて、見た目と言っても一応の基準が有ります。

しかし、一般的に広く知られているこの基準が、飲食店の業績を厳しいことにしている元凶です。

それは、原価率30%という基準値


先だって、日本政策金融公庫に融資の相談として、手持ちの事業計画書を提出したことがありました。
その時に、原価率25%で提出したところ、
「こんなに低いことは在り得ない、一般的には30%から35%ぐらいまで行くはずだ、原価を上げた数字で書き直すように」と、指示されてしまいました。

融資の相談の段階で、儲からないビジネスモデルを推奨されてしまって、憤慨してクライアントは帰ってきましたが、この一般論の30%~35%と言う数値が、飲食業を儲からない事業にしてしまっています。

以前の記事で商品原価には3種類あることをお伝えしました。

2021年7月14日のこちらの記事です。
https://note.com/sudamh/n/n2244bc3a545e


ここでもお伝えしていますが、売価と原価の関係をキャッシュフローと関連付けて解説していますが、レシピ上の想定原価率と実際の支払いには大きな隔たりがあることを解説しています。

レシピ上30%で商品設定をしてしまうと、実際の支払いの段階で35%になってしまうことは一般的です。

ですから、私が提唱しているのは、レシピ原価25%です。

25%を基準にして商品設計をして、一般的な25%以上の価値を提供することを推奨しています。

実際に、この値決めで最近開業したお店は、大きな成果を上げています。
また違うお店では、まだ認知されていないので客数は基準に到達していませんが、来店したお客様はその価値に驚いて帰って行き、リピートも徐々に増えてきています。

その主力商品も原価率25%ですが、まさか25%とは思えない価値を提供しています。

他店ではなかなか真似のできない商品設計となっています。

見た目のインパクトとボリューム感と、実際に食べた時の感動から、原価率25%などとは到底想像が出来ない商品になっています。


価格設定の順番はこうです。

先ずは、出来上がった商品を見て、幾らならこの商品に払ってもいいのか、幾らだったら買うのか、幾ら以下なら怪しいと感じるかを決めて行きます。

払ってもいい金額と、これなら買うなと感じる金額、いやいやその金額はおかしいでしょ、絶対何か怪しいことをしてるでしょ、でなければここ迄安くは出来ないよねと感じる金額を、商品を見ながら出して来ます。

この払っても良いという金額が、商品が持っている価値の上限です。
この買っても良いという金額が、商品が提供している適正価値です。
この怪しいと感じる金額が、商品価値の最低基準です。


この中で、最も適切な値決めは2番目の、買っても良いという金額です。
この中で、最も売れるのが3番目の金額の少し上の金額です。
この中で、最も利益を確保できるのが、1番目の払っても良いという金額です。

販売個数との関係が、実際には売上と利益確保を決定するので、この見た目の価値と金額を基準にして、その商品のポジションを加味して値決めは決めて行きます。

集客商品にするなら、思い切って怪しいと思えるほどの値決めとして集客を図ります。
他店の、追随を許さないほどの値決めにしてもいいと思います。

利益獲得商品ならば、思い切って払っても良いと思える限界まで上げた値決めをしてもいいと思います。

利益額を取りに行った金額でもいいと思います。


これまでのように、単純に原価率30%とやってしまい、一律の上代設定としてしまうと、魅力のないメニューの陳列になってしまい危険性があります。

ですから、先ずは頼んでみたいと思っていただける商品を作り上げ、その提供している価値を基準に値決めをすることをやってみてください。

最後に、値決めと表現していることにお気づきでしょうか?

値決めとは、価値に対する数値的な値を決めることで、販売数を上げるために行います。

値決めに関して調べていると、面白い記事を見つけました。

「値決めは、製品の価値を正確に判断した上で、製品一個当たりの利幅と、販売数量の積が極大値になる一点を求めることで行います。またその一点は、お客様が喜んで買ってくださる最高の値段にしなければなりません。
こうして熟慮を重ねて決めた価格の中で、最大の利益を生み出す経営努力が必要となります。」


これは、稲盛和夫氏の、「稲盛経営12ヵ条」なるものの「第6条 値決めは経営」に書かれていました。

―値決めはトップの仕事。お客様も喜び、自分も儲かるポイントは一点である―

と、書かれています。


私が推奨していることと同様のことが見つかって驚いていますが、この様に提供する価値を基準にして値決めをしてください。


間違っても、もう原価率30%の罠には、ハマらないでください。

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須田光彦@宇宙一外食産業が好きな男
年商2,000億円を超える大手外食チェーンから個人企業まで、約500件の繁盛店を作ってきた実績を持つ。 書籍「絶対にやってはいけない飲食店の法則25」(フォレスト出版)http://u0u1.net/cvlT