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「試作」はチャレンジ、「試食」は仕上げ

宇宙一外食産業が好きな須田です。

飲食業において、商品は最も重要な要素です。
従って商品については語っても語りきれないほど、奥が深いと言いますか次々と新たな気付きが出てくると言いますか、本当につきないテーマです。

でも、そこが楽しくて。
そこを楽しいと感じる私は少しおかしいのかもしれませんが、答えを見つける作業が楽しいのかもしれません。

先だって、数か月ぶりに顔を出したクライアントのお店で、お好み焼きを食べてきました。
業態開発・商品開発、設計・施工まで一貫してお手伝いをさせて頂きましたが、唯一お手伝いできなかったことが、お好み焼きの焼き方指導でした。

その部分はが、有吉ゼミでご一緒させていいただき、テレビでの共演を縁に仲良くして頂いている若竹学園の佐竹会長がサポートをして頂き、東京ではおたふくソースさんのテストキッチンで焼きの練習と開発のサポートを頂きました。

店舗が完成してからも十分な時間をかけて、鉄板の仕込みから始まり、その鉄板になれる作業を繰り返しながら商品を仕上げていきました。

あれから1年チョット、パワーパートナーと共に数か月ぶりに訪れましたが、商品のクオリティが全く違っておりました。

前回お邪魔した時とは雲泥の差と、ハッキリとわかるほどクオリティが上がっておりました。

クライアントも「須田さん、焼きのクオリティ上がっているでしょ! 上手くなって美味しくなったでしょ!」と、仰っていましたが、素晴らしい成長と変化を遂げられていました。

開発段階では、試作と試食を何度も何度も繰り返し、当時は毎日お好み焼きを食べていましたが、あの時のことが嘘のように成長を遂げられておりました。

さて、今日は試作と試食、その後のテストマーケティングについて書いた記事を公開します。

このお好み焼き屋さんもそうでしたが、試作を何度も行い、商品に対する制約を設けずにどんどん焼いて焼いてあらゆる方向で商品化へのチャレンジを繰り返し、同様に複数回の試食を経て商品を完成させていきました。

その後、オープン後もお客様の反応を見ながらテストを繰り返し、完成度を上げていきました。

現在2号店目を計画しているとのこと、又お好み焼きを沢山食べる日がやってきそうです。

以下が、本文です。


「試作」はチャレンジ、「試食」は仕上げ

 序章で「繁盛店にしたければ、お店(の外観、内装など)を作り込みすぎてはいけない」とお話ししました。
 飲食店を始める際に、お金の面でも気持ちの面でも入れ込みすぎると、あとから軌道修正ができずに失敗に一直線……となってしまうおそれがあります。
 新商品(メニュー)の開発も同様です。
 最初から全力で作り込むのはやめましょう。多くのお店はテスト販売も行わずに、いきなり新商品をメニューに組み込んで、大々的に販促をかけますが、そのほとんどが大失敗しています。
 新商品を作るときは、本来であれば「試作→試食→テストマーケティング」といった手順を踏んで、「本当に売れるのか?」を検討するべきなのです。
 試作、試食、テストマーケティングについて簡単にご説明しましょう。
 試作は、それまでの制約を取り外し、とにかく可能性にチャレンジする段階です。
 盛りつけや売価を度外視して、素材や商品と実直に向き合う時間です。「なんでもやってみよう」ぐらいの軽い気持ちで取り組みましょう。

 たとえば、「トマトソースのパスタ」の新商品を作るとしたら、まずはいろいろな方向で調理してみるのです。
 仮に「トマトソースのコクを出そう」というのであれば「トマトピューレを3分の1まで煮詰めてみようそうしたらこんな味、こんな硬さになった」などと試してみます。試してみると、「ここまで煮詰めると時間も原価もかかるから、代わりにグルタミン酸ソーダをいれて味を安定させてみよう」などとなります。
 結果、A、B、C、Dの4種類のトマトソースができたとして、それを経営者と料理人が「これをこうしよう、こんな風にパスタと合わせてみよう」などとじっくりと検討するのです。
 このように商品のクオリティを上げるためには1品ずつきちんと試作し、しっかり吟味します。

 納得のいく試作品ができたら、次は試食を行います。「実際にお客さまに提供したときにどうか?」とイメージしながら食べます。皿のデザイン、盛りつけ、ほかの料理との組み合わせ、キッチンのオペレーションも含めて検討します。
 試食は、試作品を「商品」に仕上げるための最終段階です。

 多くのお店は試食は必ずするのですが、その前段階の試作をきちんとやっていません。あるいは、試作と試食の違いがわからず、混同しているお店もあります。
 完成度が低い段階で試食会に出すと、料理人のほうはまだ試作段階だと考えていたのに、経営陣は商品の一歩手前くらいに考えていて「こんなものを出せるか!」などと怒り出すといったことになります。これは、経営者と料理人の間で共通認識が持てていないことで起きます。
 無事、試食を終えて、「いける!」となったら、次はテストマーケティングをします。

テストマーケティングで商品力を磨く

 テストマーケティングは、すでにお店が開業している場合には「○○フェア」のような期間限定で行います。期間は、短くて1週間、長ければ3カ月です。商品の特性にもよりますが、季節商品ならば1週間でいいかと思います。
 グランドメニュー化を考えている商品であれば1~3カ月間展開して、お客さまの反応をじっくりと観察する必要があります。皿のデザイン、盛りつけ、ネーミングを変えるなど、いろいろなことを試してみます。そして、お客さまの反応がよくなってきたという裏づけがとれた段階で、グランドメニュー化するのです。

 具体的なテストマーケティングの進め方をご紹介しましょう。
 以前、コンサルティングをしていたお店で、夏の季節商品である冷麺のテストマーケティングをしたことがあります。
 このときは、ランチタイムに冷麺フェアを展開しました。そして、フェアメニューとして3種類の冷麺を用意しました。1つ目はモチモチの食感がある盛岡冷麺、2つ目は辛みが特徴的な韓国風冷麺、3つ目は和風冷麺と、味の方向性を変えました。
 フェアを開始する前に「冷麺フェアをやります」という予告ポスターを入口と店内に貼って告知をします。そして、フェアがはじまったら、「本日はフェアをしておりまして、冷麺がおすすめです」と言って、お客さまにおすすめします。
 テストマーケティングでは「売り方」もテストします。
「どのタイミングで売ったら売れるのか」「どういうトークですすめれば売れるのか」とか、「ターゲットを変えてみたらどうか」などということです。
 たとえば、「30代の女性2人組や中高年男性に好評」ということがわかったら、ターゲットをそこに絞ります。
 また、「盛岡冷麺のほうが和風冷麺よりもよく売れているが、あえて和風冷麺をメニューに残しておこう」などと戦略を練ったり、価格帯も少しずつ変えてみるなど、ブラッシュアップして商品力を磨いていきます。
 このときは、多くのお客さまから「冷麺だけだと物足りない」という声があがったので、最終的に冷麺、サラダ、ミニ丼のセットにしました。その結果、テストマーケティングの期間は単品で880~980円だった価格を、セットで1380円にしました。
 すでにお客さまの反応は確認済みなので、この値段でも自信を持っておすすめできますし、売り上げ、利益ともに確保しやすくなりました。また、「フェアが好評だったのでグランドメニューに入れました」というで、お客さまにも好意的に受け止められました。

 テストマーケティングがいかに大切かおわかりいただけたと思います。
 ところが、テストマーケティングをきちんとやっているお店はほとんどないというのが実情です。ほとんどのお店が、お客さまの反応などそっちのけで、いきなり全力で自分たちにとっての「おいしい料理」を作り込んでしまいます。そして、その結果、お客さまの支持を得られず、落ち込むという具合です。
 商品開発に“絶対”はありません。
 大手のチェーンほど、きちんと商品開発とテストマーケティングの手順を踏んでいます。
なぜなら、彼らだって、何が売れるかはお客さまに出してみないとわからないからです。

大手も常に取り組んでいるテーマです。

これから起業する方が商品で悩んでいることは当然のことです。

冒頭でご紹介した、お好み焼き屋さんもメニューでは本当に悩みました。
が、しかし、1年と少しで2店舗目を計画しております。
行動をとると必ず答えは見つかります。


悩んでトライして、改善し成長する、この行動をやり続けることでしか成功は引き寄せることが出来ません。

この流れが王道なんです。

心配しなくとも大丈夫です。


成功は行動の先に必ず待っています!

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