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「看板に偽りなし」はお客様との大切な契約の証です。


宇宙一外食産業が好きな須田です。

さて、ファサードの続きですが、前回は初頭効果のことをお伝えしました。
最初の第一印象がその後の判断に影響を与え、この初頭効果は常に作動していますと。

そこで、店舗ファサードでは、この初頭効果を上手に活用する必要が有ります。
以前お伝えした、消費者が消費行動を起こす瞬間に発生する3つの感情を覚えていますでしょうか。

損したくない
騙されたくない
後悔したくない


この感情を消す必要がファサードには有ります。
この感情を突破しなければお客様はあなたのお店に入店してくれません。

この感情を消す要素を如何に効果的にデザイン的に処理して表現するかで、店舗ファサードの効果が変わってきます。


特に、東京のような大都市で店舗が林立している地域では、ファサードとサイン計画は非常に重要になってきます。

では、ファサードで何を表現する必要が有るのかと言いますと、次の3つの要素を盛り込んでください。

1商品 
2価格 
3環境 


何を、幾らで、どのような環境で消費できるのかを明記してください。
これらは必須の条件で、これ以上の伝えたい情報を入れることはよろしいですが、先ずこの3つの情報が提示されていなければ、消費者は安心してお店に入ることはできません。

先だって、この情報が無いまま営業を続けている中華レストランを改装しました。

自社ビルの4階にお店は有り、エレベーターで入店するお店でした。
ファサードにはポスターが4種類常に提示されており、現物サンプルも置いていました。
店長に話しを聴くと、現物サンプルを置いてから客数が増えたと仰っていました。
具体的な商品と価格が提示され、安心感が増して来店客数が延びたようです。

客数を伸ばして売上の底上げをしたいという依頼をいただき、ファサードを全面的に改装する提案をさせていただきました。

提案内容は、店名看板の変更、入口部分をハッキリと目立たせること、サンプルケースを置くこと、タイムリーな情報を提供するポスターパネルを置くこと、現物サンプルを綺麗に目立たせることなどです。

この改装プランは、それぞれの意図が明確でした。


店名看板はお店そのものの存在を遠くから認識して頂くこと、サンプルケースは、どのような商品が幾らで消費出来るのかを理解いただくこと、ポスターパネルは2台設置しましたが、1枚目のポスターパネルはどのような環境で、何に拘りを持っているのか、お店からのメッセージを伝えることなどを常設提示して、2枚目のポスターパネルには、ランチ帯・ディナー帯の営業時間ごとに、今提供している商品のタイムリーな情報を提示しました。
しかもこれら全てを連動させて提示することで集客は30%伸びました。

今回は特にポスターパネルに重要な効果を発揮させました。


目線に一番近い位置に提示して、足を止めていただく効果を狙い、そこからエレベーターまで誘導するように色々と仕掛けを施し、安心感を提供することで結果的にエレベーターのボタンを押して頂けるようになりました。

意図的にお客様を誘導していく仕掛けをとりました。
ここが重要です。
一つのストーリーを感じてもらうようにしました。

消費者はこのストーリーを感じた時に行動を起こします。


ストーリーに関してはまたゆっくりとお話しします。


実はこのお店、その街で最も古い中華レストランで創業40年になるそうです。
しかし、夜間に看板工事をしているときに通行人の方から、


「へぇ~ ここに新しく中華レストランがオープンするんだ! 
ここって前は何のお店だったっけ?」と、


話しているのが聞こえて来ました。

想定はしていましたが、それだけ以前は目立っていなかったということです。

40年営業していても知られていない、この事実にオーナーは驚いていましたが、当然のことです。

人は入れ替わります、新しく沢山の人がやってきますし、多くの方が去っていきます。


地方でよく聞くお話しですが、

「ウチはもう何十年もここで商売しているから
地元の人はみんな知っているよ」と、
言われますが…

これは完全に妄想です。

今まで何度もお店の存在を知らない地元の消費者に会ってきました。
皆さんの認識以上にお店は認知されていません。


店舗の存在を知っていただき、正しく情報を提示すると集客は延びます。

では具体的に1つずつ解説をしていきます。

商品情報は、写真を提示することが大事です。
先ず、写真はプロのカメラマンに撮影を依頼してください。

よく、スマフォで撮った写真を提示しているお店もありますが、有吉ゼミでも同様の指摘をしましたが、素人の撮影した商品写真は全くダメです。
これは、プロのカメラマンは持っている撮影機材が全く違っており、アングルも、照明も違っており、プロのカメラマンはこちらの伝えたい意図も理解して撮影してくれるからです。
お店の人でも撮影出来る撮影キットのようなものもありますが、出来ればというよりも必ずプロのカメラマンに依頼して下さい。

写真のアングルは、真上から撮影する商品全体が理解できるアングルと、横から商品の高さを表現するアングルと、思いっきり商品に寄ったアングルを撮ってもらって下さい。
実際の媒体にする際には、商品そのままの写真を使用する場合がありますが、私はそれをカタログ写真と言っています。

商品の魅力を表現することよりも、全体像を認識してもらう意図の写真で、カタログに多く使われているアングルです。


ファサードに使用するのは、思いっきり商品に寄ったシズル感のある写真を使用してください。

次に価格の表現方法ですが、いろいろな方法があります。
最もメインの商品を提示する場合、カルビ¥580という風に、もしくは、焼き鳥180~という風に提示する方法、または、幾つかのメイン商品の価格を提示する、ハンバーグ890円 チーズハンバーグ990円、リブロースステーキ1280円という風に。
またはメニューブックを抜粋して商品写真と価格を表現することもあります。 

この文章で価格の表現を2種類使っていたのをお気付きでしょうか?
¥マークと数字だけと円ですが、この表現の違いで売れ行きも変わってきます。

このお話しはまた何れかの機会にさせていただきます。

最後は、環境の表現方法です。
ここにはいかに素敵な環境でお店をご利用頂けるのかという情報は勿論、どのようなモチベーションを持ったお客様向けの環境があるかを提示して下さい。
綺麗なお店の写真プラス、利用者のモチベーションに引っかかる情報を提示してください。

4名様個室、大人数で利用できる小上がり、カップルシート、夜景が見える席、ファミリー向けのお席、など自分たちにピッタリな環境が整っていることをお伝えしてください。

これら3つの情報の出し方は必須ですが、損したくない、騙されたくない、後悔したくないと感じている消費者には更なる情報が必要です。


それは商品の解説、お店の拘り、何かに対しての理由などを盛り込む必要があります。
例えば生産者との関係性、○○漁港直送です + 漁港や漁船の写真・漁師さんの写真と紹介、
この店を始めたキッカケや、この商品へのこだわりなど、強めのメッセージなどを表現して、損させない、騙していない、後悔させない証拠を沢山表現しましょう。

その内容が濃ければ濃い程、信憑性が高いほど安心感につながり来店しやすくなります。

店舗ファサードは大きな広告です。
集客のための重要なツールです。


格好ばかり付けて、消費者が望んでいる情報を提供しないで、集客を期待することは論外なことと思います。

兎に角、ファサードを見るとワクワクするような情報と仕掛けを施してください。

入りやすさを意図的に演出して、格好いいけれども親しみやすくて入店のハードルを下げることを意識してみて下さい。

またお店にはその業態らしさというのが必要になってきます。
ラーメン屋さんらしさ、お寿司屋さんらしさ、焼く肉屋さんらしさなど、消費者がイメージしている業態の雰囲気を演出しましょう。
私は、焼鳥屋さんのファサードに備長炭を飾ったことも、焼肉屋さんで炎を演出したことも、中華屋さんでは、共有通路から厨房を見せて鍋を振っている臨場感を演出したこともあります。

業態らしい雰囲気の環境の中でお客様は、食事を楽しみたいと感じています。
緊張感をもって食事をすることを心地よくは想っていません。

時々、意図的にモダンにしているお店も拝見しますが、必要な情報が提示されていれば問題ありませんが、モダンデザインに気を取られて情報不足のお店はやはり集客に苦労すると思います。

以前、大繁盛したあっさり豚骨のラーメン店がありました。
居抜き物件を改装したラーメン屋さんでしたが、大繁盛して店舗を改装してモダンなデザインのファサードと内装に変更しました。
その後、3年も経たずに消えてしまいました。
改装せずに、もしくは改装してもモダンなデザインにしないで営業していたら結果は違っていたかもしれません。

ラーメン屋さんらしさを無くしてしまった結果、お店を無くしてしまいました。

飲食店は、好かれる必要はありません。
飲食店は、嫌われない努力が必要です。


お店が大繁盛して改装をしてその結果、客離れを起こすような尖がったデザインに変更してしまい、お客様に嫌われてしまいました。

そのお店を利用した時に、“なんでこんなデザインにしたのか”と話しているお客様を何度か見かけました、恐らくラーメンを食べるのにふさわしい環境とは感じなかったからだと思います。

私はかつて複数の上場企業の出店サポートを行ってきました。

テナントビルの情報が回ってきて、物件の下見に何度も行きました。

沢山確認する項目はありますが、
その中でも重要なことはサインをどこにどう出せるかです。


大きなサインを出せない物件は第1候補からは外れていきました。
立地と条件が良ければ、サインは抑え気味にしましたが、それ以外はとことんビルオーナーにお願いをしました。
非常識と思われる要求も提示して、何とかしてサインを出せるように勝ち取ってきました。

それ程、お客様に情報を提示することは重要です。

上場している大手でさえ今でも、貪欲に大きな看板を出しています。
市民権を獲得している上場企業は店名だけで集客効果はありますが、これから起業をする方々や、まだ数店舗しかお店を持っていない企業などは、もっと貪欲に情報を提示すべきです。

それが集客するため大切なツールであり、お客様との最初の関係を構築するための絶対条件です。

考えてみてください。

お客様を集めるお店が良いのか、
お客様が集まるお店がいいのか、

この違いを考えてみてください。


昔から言われています。


看板に偽り無し


これがお客様との大切な契約の証です。

次回は、席効率について解説します。


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