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1周年と、この1年の暮らしについて。個人事業主日記 2022年7月16日

周年というやつ。周年を機にというやつ。コピーライターとしてお手伝いすることも少なくない周年コミュニケーション。一般的にやることといえば、内外に感謝を伝え、これまでを振り返り、これからを展望し、いまの決意を発するといったところか。さらには周年を口実に普段と違う事業や取り組みを行ったり、アイデンティティを見直したり、などなど。今月の「ブレーン」がちょうど周年特集ですね。

とはいえ、こんなたいそうなことはおれという個人事業主のたかだか1周年において明らかに過剰。じゃあ何をやるかっていうと、この1年の暮らしを思い出しながら記すことをもってスコピーの1周年コミュニケーションとしたい所存です。需要あんのかよそんなのと自分でも思うけど需要とかじゃないんだよこういうのは。やるんだよ。


生活リズムについて

独立からさらに遡ること1年と少し。2020年春、つまり、世の中がリモートワークにシフトしていったときからおれの在宅仕事生活は始まった。

結果的にこの期間は独立後の生活の予行演習になっていた。もともと自宅で仕事をするスタイルには憧れていたけれど、自分に向いているかどうかはやってみなければわからなかったわけで。そして、向いていることがわかったわけで。おかげさまで独立後も、ほぼ同じようなリズムで生活できた1年だった。

平日は息子が登園してから帰宅するまでがコア業務時間。主に自宅でMacや紙と向き合う。テレカンがあって、外出打ち合わせや取材がある。郊外に住んでいるので外出時の移動時間はきちんと計算に入れなければならない。外出用事とくっつけてスタバなどで作業することもある。ずっと自宅にいても煮詰まっているような自覚はないのだが、たまに場所を変えると新鮮な気分で仕事が捗ったりもする。夜中は滅多に作業しないで寝る。土日祝日と盆正月は原則休みで家族と過ごす。

自宅で仕事をすることは、家族の時間を常に意識することでもある。独身の頃からこの生活を手に入れていたらまた違ったかもしれないけれど、おれの場合はそう。

放っておくと24時間が仕事と家庭と睡眠で終わる。細切れ時間での読書やPodcastで自分の時間を確保するよう努めている。マイペースとは、のんべんだらりと流されることではなく、死守していくものだ、という思いを最近深めている。

あと、「維持する」のはもちろん大事なんだけど「崩れたときにどう持ち直すか」っていう備えも、大事だよな〜。このへんは課題。


育児について

独立以前からずっと念頭にあったブログがある。札幌の先輩コピーライターでありアートディレクター、佐孝優さん(さこうでざいん)の独立時の投稿だ。

これを読んだときおれにはまだ子供はいなかったけれど、心にすごく響いたし、ずっと残っていて。まだ1年ではあるけれど、できてるなー、できてるわー、やったー! って思う。

4年前はこんなこと書いてたけど、もう黙ってないどころの騒ぎではない。ひらがなカタカナ数字は読むし漢字もたまに読んでびっくりする。嘘もつくし誤魔化しもする。気づけば一人称もすっかり「ぼく」である。ずっと自分の名前を一人称にしていたのに!

息子の成長を見守れること、息子といっしょに成長できることはとてもうれしい。そしてもちろん、家のオペレーション的にも合理的だ。

ついこのまえ息子のランドセルを購入してきた。来春、小学生になる。漫画「よつばと!」と重なる時期がまもなく始まり、そしておそらく、あっという間に追い抜くだろう。泣いてまうわ。


健康について

ベテランのスポーツ選手が体のケアに時間と金をかけるじゃないですか。そのベテランのスポーツ選手ってのが既におれと同年代か下手すりゃ年下だったりするわけで、当然おれはスポーツ選手ではないけれども、メンテナンスに対してコストをかけることの必要性には頷かざるを得ない。

この1年、以前に比べて頭痛と口内炎の回数が格段に減った。たぶん、しっかり眠っているからだと思う。日中に眠気を感じることもほとんどない。冴えた頭で、集中して、仕事にも仕事以外にも取り組むことができている。

と、おれが感じるのは、やむをえず深夜作業した翌日のパフォーマンスの落ち方に愕然とするからである。著しい能力低下。加齢の影響を差し引いたとしても、これが以前のベースだったのかと思うとがっかりする。今のほうがいい仕事できるに決まってんだろ。よく眠り、よく休んでいるから、よい仕事ができています。スコピーです。

運動は慢性的に不足しており、体重は微増したところで安定してしまった。ランニングを続けているし、食べ過ぎないように意識もしているし、飲酒は自宅で週に2、3回。これでようやくトントンといったところか。わがままボディの燃費の良さに笑うしかない。もう少し運動の頻度か強度を高めていかなければならない。

そして先月、頸椎椎間板ヘルニアの診断を受けてしまった。左腕が昼夜問わずしくしくと痛み、握力が半減。改善に向かってはいるものの、利き腕じゃなくてまじよかった案件。腰も大事だけど首も大事にしないと。

あとこれ健康に入れていいかどうかわかんないけど、流行りのスキンケアなるものを始めてみたら、長年悩まされてきたニキビが激減してスキンケアすげーってなってる。


お金について

お金はすごいな。生活と仕事を、現在と未来を見通すための道具が、お金あるいは数字というものなのだな。ということを、ひしひしと感じる1年間だった。仕事した感じが足りなくても数字を見れば正しく安心できるし、仕事しまくっている感じがしていても数字を見れば正しく危機感をおぼえることができる。数字に追われるのではなく、数字を追う日々を積み重ねていきたいものですね。これ、時間とかも同じだけど。

そしてまた、お金というものを介して人との縁が円滑になるのだということも、手触りとして少しずつわかってきた。そこまで複雑なやりとりは経験していないけれど、おれに仕事をくださる諸先輩方、特にインディペンデントな方々のお金の取り扱い方を拝見していると、たいへん勉強になる。見習っていきたい。

自分の仕事の値付けについては、毎度悩みながらもなんとなく基礎が固まってきたところはある。おれの仕事は原価に利益率をかけるみたいなクリアな話にはなりにくく、どこを起点に計算するかは考え方次第なのだけれど、自分の前例を足場にしながら、つどアップデートしていってる感じ。どの程度を求められているかと、どの程度ならやりたいのか、のにらめっこ。見積書を送る直前、どうしても弱気になりそうになったら息子の顔を思い浮かべて乗り切っている。

売上としては、波はあるが概ね想定の範囲内、トータルでいえば想定以上。本当にありがたいことです。各位ありがとうございます。

今のところおれから誰かに仕事を発注するという流れが基本的にないため、日々の必要経費と生活費が賄えれば回っていく。大きく変えるつもりは今のところないが、変えることになったらどうすればよいのか、については知っておく・考えておく必要があるだろう。加えて、お金の使い方、税金のことについては、もっと知っておかなければ・考えておかなければならない。

お金の機能といわれる、価値の貯蔵、交換、価値の尺度の3つを、日々ビンビンに感じている。生きている実感がある。


仕事について

https://sucopy.jp/

「言葉を使った整理・企画・表現各種」で1年間やれたことは、率直にとてもうれしい。自分ができることと、やりたいことと、必要とされていることが重なり合っているのは幸福である。コピーライターとして、その規定ができたことが、これまたうれしい。タグラインの成功事例として仕事集に載せたいぐらい。載せないけど。

フリーランスだからってことで嫌な思い、たとえば極端に軽んじられたり、お金のトラブルだったり、というのは今のところほとんどない。むしろ尊重されていることを実感するときがすごく多い。応えなくちゃ、応えたい、と思う。ありがたい。これはもしかすると39歳でコピーライター13年目という、ある程度の年齢と経験を積んだ上での独立だったからかもしれない。若くしてフリーランスになっていたらこうはいかなかったかもしれない。

繁忙の波についてはそれほど大きなものはなかったが、ある程度は自分で調整したところもあり、お断りした仕事もいくつかあった。ワーカホリックの気質があるのはもともと自覚しており、だからこそ、そうならないように一生懸命バランスを取りながら暮らしているところがある。個性とは優先順位の付け方のことなのかもしれない。

独立前から変わらない感じでやれているありがたさと、独立前にはなかった縁がつながってやれているありがたさ。それに加えて変わったことがあるとすれば、おれ自身の気の持ちよう、ハラの決まり方、みたいなもの。退路を断つというような切羽詰まり方ではないのだけれど、切実さはある。おれが今まで積み上げてきた評価や信頼なんていうものは、たった一度のミスで吹き飛んでしまうことも十分にあるということは、折に触れて思う。

今までやってきたことを磨き上げつつ、新しいこともほいほいやっていきたいものです。


周年について

なんとなく歳をひとつ取るのとは違う、やめようと思えばやめても構わないことを続けて経った1年。1年365日を生き抜いた感。はー、周年って、こういう感じだったんですね〜。こりゃ祝いたくもなるし、感謝したくもなりますわ。

スコピーをいつもありがとうございます。2年目もよろしくどうぞ。


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