スベテノソレゾレ

詩のようなものを書きたい。自分の心の解像度を保つために。

スベテノソレゾレ

詩のようなものを書きたい。自分の心の解像度を保つために。

最近の記事

愛された世界

誰かが何かを愛してるのは良いことだと 花屋のポップを見ながら思う

    (無題)

    冷たい雨 キミのぬくもりが 近くなる

    宝物

    朝の電車 まばらな人影 窓から差し込む 柔らかな光 隣には 君の声 駅から続く 静かな道のり 見渡す限り 青い空 隣には 君の足音 もう二度とやってこない風景を 僕はこの先何度も繰り返すだろう 一つだけ与えられた人生で 繰り返される記憶は やがて宝物になる

    夕食の後

    夕食の後 空気が乾燥してるねと言いながら 下げ膳の終わったちゃぶ台の前に腰を下ろす彼 点鼻薬を手に取り 両の鼻に一吹きづつ しばし鼻を揉みながら 目をつぶり... 肩もんでと言われ 今日は寒いと言いながら 青い半纏を羽織る

    (無題)

    駅前の往来 パラシュートで降りてきたのは 金色の口髭を生やした男性だった あっけにとられる人々 男性はパラシュートを脱ぎ捨てると 目の前のカフェに入りコーヒーをオーダー 吹き抜ける秋の風 風に靡くパラシュート 人々は コートの襟を合わせ 歩き始める やがて カフェから出できた男性は カップを手に持ち 眩しそうに太陽を見上げながら 雲のない秋の空に登って行く

    レストラン

    通路の広いレストラン テーブルにつく人はまばらで 静かな音楽 静かな話し声 静かな食器の音 僕らはまだ注文もせず 窓の外の雨上がりの空をながめたまま

    日常

    開けてくれと手渡されたジャムの瓶 力かけずに空いたけど それが二人の日常だから