強キャラのあれこれ+α

 この記事は定期ゲ・梅 Advent Calendar 2020の12日目の記事です。
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なんかカレンダー埋め込むやつができない

12日目のラインナップ
松・水城さん
竹・ヒサギさん
梅・ここ
樅・ルランさん
鶏・(まだ空いてるぞ! 書くなら今のうちだ!)

 どうも、はじめまして。ご存じの方はこんにちは。六連 昴(むつら すばる)と申すものです。書き始めたときは「大したこと書けないしライトな記事になるやろ!」と思ってたけど、なんか知りませんが20000字越えてしまいました。多分今年の定期アドカレ記事中最長。覚悟の準備をして読んでください。

 ※途中で毒を吐いたり自虐したりします。ダメならブラウザバックだ!


お前誰だよ?

 まずは自己紹介から。

PC一覧
・コトシタ一期 白黒笹乃と仲間たち
・ソレナリ ルカ・ワーハイト
・ソラニワ エルバ・ビッグディッパー&『地霊』の魔女
・グリマルシェ アッサム・オレンジペコ
・不奇跡世界 カルド・オーガニック
・クリトラ バニティ&エラー、その他いろいろ

 コトシタから定期界隈に参入した新参者、チキン&最近リアルが忙しいのでソロール中心に隅っこの方でわいわいしてます。PCの名前を並べるより

画像1

 こういうアイコンとか

画像2

 こういうアイコンとかを貼った方が見覚えある人が多いかもしれません。コトシタではいくつかやらかしをしたりもしたのでもしかしたら悪い印象がある人もいるかも。その節は本当にすみませんでした。
 定期以外でいくと普段は一次創作中心にTwitterに設定を垂れ流したり、ソシャゲやったり、絵を描いたりしてます。財団職員(SCP財団サイトメンバー)の末席にいますが、tale一本書いたところで活動が止まってます。Twitterは基本全ジャンルごちゃ混ぜの雑多垢一個(@subaru77mutsura)で回してますが、最近はリアルの影響で普段はTwitterログアウトしてるので、ソラニワあたりからの参戦の人はTwitter接触少なめですね。
 あとは、サンダーボルトスクリュー氏(竹11日目)主催のうちよそRPG企画でテストプレイ用ゲームの雛形を作ったりしたのでそっちで知ってる人もいるかも。その他いくつかのDiscordサーバーで賑やかしもやったりしていますね。こんなところでしょうか。ではそろそろ本題に入りましょう。

強キャラロールがしたい

 突然ですが、強キャラ、興味ありますか?
 え? ない? そうですか……。でも書いてるうちに強キャラ以外の話もし始めたから読んでくれると嬉しいな。「強キャラ」と言われてもピンと来ない人は、「世界を救った勇者」とか、逆に「魔族の頂点に君臨する魔王」とか、「世界を創造した神」とか、そういったキャラを思い浮かべてもらえるといいと思います(まあこういった設定を持つキャラが一概に強キャラかと言われるとそうでもなかったりしますが、そこはそれ。後でちゃんと定義します)。「持っていったよ」っていう人もいるでしょうし、「出してないけどうちのこにはいる」「出してみたいと思ってる」はもっと多いでしょう。さらに広げて「見たことがある」になると定期プレイヤーほぼ全員が該当するかもしれません。かくいう私も強キャラ使いの一人でして、なんならクリトラでは「これ自創作メンツ、時代設定的にほぼ神クラスしか出せないじゃん……」とかいう謎の縛りプレイをしたりしています。
 そんな強キャラですが、扱いはなかなか大変です。実際に何らかのトラブルを起こしてしまった、という人もいるかもしれません。というか起こしました。私も。なのでいきなり消えないで一緒に反省していきましょう。むしろそういった経験が多少はあった方が、身にしみてロールに気を付けるようになるかもしれないし(当然ですが怒られるようなことを一度はしてこいという話ではないです。今まで一度もトラブったことがないというのはそれはそれですごいことですからね)!
 というわけで、この記事ではそんな強キャラの扱いについて自戒を込めつつ書いていきたいと思います。

強キャラを作るとき気を付けること

 ここでは、「強キャラ」の定義を「そのキャラが所属する世界観において、歴史上有数の類いまれなる能力を持つキャラ(ただし実際に歴史に名を残すかどうかは考慮しない)であり、その能力をもって他人に何らかの大きな影響を与えることができるキャラ」とします。特にこの記事では戦闘において優れた能力を持つキャラを中心に扱っていきます。技術的強キャラもそれはそれで気を付けるべきことはたくさんあるんですけどね!
 また、この記事では主に「他のたくさんの世界から舞台となる世界に人が来る」という設定を前提としてお話します。が、「舞台となる世界だけで完結する」という設定の場合でも役に立つとは思いますので適宜読み替えたりなどしてください。
 ではまず、定期に出す前段階。キャラ作成の時の注意点を書いていきます。とはいえ、「強キャラを出したい」というよりは、「自創作の主人公/ボス/師匠キャラを出したい」みたいな感じで、既に設定がある、ということも多いかと思われます。が、ここに書くことはだいたい定期に限らず「親しまれる強キャラ」を演出する上で重要なことになります。もし自分の強キャラが以下の設定を守れていない場合、「メアリー・スー」とか「なろう系主人公」とか呼ばれるようなトンデモチートキャラに陥っている可能性がありますので、今一度設定を見直すといいと思います。

○万能キャラにしない
 強キャラの強キャラたる所以、それはもちろんそのスペックにあります。強キャラとスペック設定は切っても切れない関係ですから、当然「強キャラを作ろう」と考えた段階でスペックについては考えるはずです。なんならスペックが先行して決まることの方が多いでしょう。そこで交流に出す強キャラを作るにあたり大事になるのが、いわゆる「なんでもできる」キャラになっていないかです。
 例えば運動神経に優れ武器を見ただけで扱い方を悟り、格闘経験も豊富。頭脳も申し分なく数学の未解決問題を11才で解き史上最年少でなんたら賞を受賞、人柄も非常に良く誰にでも好かれる好青年……みたいな設定。これは分かりやすく盛りましたが、ここまで言葉を尽くさなくても「彼の保持するナントカという能力は非常に応用が効くもので、攻撃・防御・治療・支援・妨害・家事・育児を人並み以上にこなすことができる」とかでもう危険信号ですね。いや、家事育児はネタですけどネタじゃないですよ。これについては次の項で。
 なぜ器用万能キャラは嫌われるのか。それは他のキャラの役割を侵食するからです。もし戦闘において「攻撃は任せろ! 自前でバフも焚けるし耐久力も高いから心配しなくていいぞ!」とか言って、実際単騎で敵を殲滅したりしたら「もうあいつ一人で良くないか」って言われます。ここで忘れてはいけないのが、「たいていみんな自分のキャラを活躍させたがっている」という点です。負けロールを好み、他PCを無条件で持ち上げてくれるようなPLはそんなにいません。で、そうなると「役割を食われる」というのは「うちのこが活躍できなくなる」ことに等しいので、人が寄り付かなくなります。そういう点で行くと定期でよく見る介護必須紙耐久/自傷アタッカーはヒーラーに活躍機会を回すという点で優秀かもしれません。まあ、それはそれで「このタイプ多すぎだから差別化しないと」とか、「ヒーラー少ない!! 介護してもらえない!!」とか他の問題はありますが。
 ちなみに器用貧乏はアリですが、強キャラの器用貧乏はだいたい無自覚に器用万能になってたりするのでやっぱり避けた方がいいと思います。また、万能キャラを出したい(交流でない創作では特に禁止することでもないので、自創作のキャラを出すときに起こりがちですね)場合、強めにデメリットを載せたり、本来の力を封印したり、以下の2つの項をよりしっかりと守っていったりする必要があります(1敗)。

○弱点を作る
 先の「万能にしない」にもかかるところがありますが、明確な弱点を一つ用意しておくと活躍機会を譲ったり、キャラロールにも幅が出せたりします。例えば弓の名手で矢が届く距離ならどんな距離でも百発百中だが、近距離戦は構える時間が十分に取れないため苦手とか、パワーに秀でるが脳筋ゴリ押しのバトルスタイルなので頭を使われるとダメとかの当たり前なことでもいいです。このあたりは特にロール内で戦闘がしたい場合は意識するといいですね。でないとダイスで負けたとき演出に困ります(得意分野で競り負けた、とかもそれはそれで熱いですが……詳しくは後述)。
 また、それにも関わりますが、ちゃんと突ける弱点にした方がいいです。アキレウスのかかととか、あれ確かに弱点ですけどほぼ弱点として機能してないですからね。だって、高速で動き回るアキレウスのかかとを撃ち抜くなんて常人には無理だし、仮にかかとを撃てても弱体化するだけでその弱体化後も並みの英雄以上の実力、かつその後心臓を潰されたあとですら暴れまわってから死んでるので……(TYPE-MOON調べ)。ギリシアの大英雄ともなればこれぐらい盛っても許されますが、個人製作の一次創作で、しかも交流に出すキャラだとちょっと周りから微妙な目で見られるかもしれません。まあ、「こんな大英雄を仕留められるぐらいお前は強いんだ!」と相手を持ち上げる方向へ持っていくことも可能ですが、それこそ強キャラとの戦闘でしか使えない言い訳となり、そうでない場合「設定的にはそんなに強くないんだけどな……」と微妙な顔をされたりすると思います。キャラの強さをアピールしたい人ももちろんいますが、そうでない人も当然いますからね。
 また、急所や戦闘の短所だけが弱点ではありません。日常の他愛ないシーンで見えかくれするなんらかの「苦手」もいい弱点となります。
 例えば二千年に一人の逸材と謳われ、数多くの研究成果によって人類文明を次のステップへ押し上げたとされる魔術師が、実は料理がド下手でフライパンを持たせるといつも内容物が炭になる、とか、歴戦の戦士であり、先の魔族との戦争では四天王の一人を打ち倒し国王から特級の褒賞と称号を賜って、今は引退してギルドマスターをしている強面の親父さんが、実はよく子供に泣かれるのを気にしている、とか。ちょっとかわいいと思いませんか? 「かわいい」という感情は強力です。恋愛なんかでも「かっこいいは幻滅できるけどかわいいと思うともう沼」とか言いますね。しかもこのかわいいという感情、かっこいいや怖いなど他の感情とも同居します。これは抱かせ得。例からもわかるように、先の「家事育児」はこの弱点に当たります。能力からここを潰すのはわりともったいないと個人的には思う。「俺かわいい女の子の事しかかわいいと思ったことないし、自PCがかわいいと思われてもそんなに嬉しくないな」という人もいるかもしれませんが、変な方向にいじられるのでなければ悪いものではないので大丈夫です。
追記: 2020/12/12 18:10
 「戦闘や知識などそのキャラの強みに関わらない弱点は味付けでしかない」というご指摘をいただきました。私はそういうの大好きなのでもっと増えてほしいと思うんですが、それはそれとして戦闘系の弱点をつけるのは怠らず、それができないとしても後述の「行動において気を付けること」の欄はしっかり守ってください。でないとやっぱり嫌われるぞ!

○愛嬌を作る
 愛嬌、といっても、「クールなキャラはダメだ」というわけではありません。どちらかと言うと「ちゃんと会話ができる力」と言った方が正しいかもしれません。当たり前じゃん、と思うかもしれませんが、めちゃくちゃ大事です。
 例えば尊大で傲岸不遜、自分が認めた者以外の全員を見下しており、事ある毎に他人を馬鹿にするキャラ。例えば冷酷無比、依頼至上主義で金になる相手以外には口も聞かないキャラ。そういったキャラは交流に多大な支障がありますね。強キャラでなくとも避けた方がいい設定ですが、強キャラであれば尚更気をつけたほうがよい設定です。なぜなら、敵対する意思があっても弱いならほぼ無害、場合によってはかわいらしくすらありますが、強いと明確な驚異となるからです。驚異と見なされると先手ミュート・ブロックの危険性が上がります。気になっていたキャラのロールが突然見えなくなったり、レスを飛ばしたのに何日経っても返事が来なかったりするとめちゃくちゃ傷つきます(実感を伴って)。そういった悲しい状態を引き起こさないためにも、ちゃんと話ができるキャラにしましょう。目安は「他愛ない日常会話を大きなトラブルなしでこなせる」です。
 え? 強キャラとしての威厳がない? それはPCの思考じゃなくてPLの思考ですか? だとしたらそれは危険信号です。そのキャラを出す目的が「他人に自分のキャラの強さやかっこよさをアピールしたい」、もっと言えば「ちやほやされたい」「他人にマウントを取りたい」になってませんか? 交流の目的は自分と相手の双方が楽しむこと。威厳はないぐらいでちょうどいいです。大丈夫。シリアスするときにちゃんとシリアスできれば格好はつきますからね!
 また、知識人系のキャラの場合、特にこれは意識した方がいいと個人的に思います。なぜなら、性格が悪いと相手のミスを酷評するのに躊躇いがなくなるからです(たぶん2敗)。価値観や知識といったものにはPL自身の頭脳や知識が大きく反映されます。調べものをすることで外付けHDDのように容量の拡張を行うこともできますが、完璧な知識を持っている、ないし調べあげて使えるPLは存在しません。なので、相手の展開した論理に穴がある、ということはざらに起きます。そこで、あなたがたまたまその穴に気づき、PCにも気づける頭脳があるだろうと判断したとき、性格が悪いと「これ、指摘するだろうな……」としか思えない。という状況に陥ったりするんですね。ここで性格が良ければ「まあそういうミスをすることもあるよね、と考えて流せるな」という風に思考を切り替えられるのですが、悪いとなかなかそうもいきません(もちろん性格が悪いキャラが突然謎のお人好し力を発揮するのに耐えられるなら問題ないのですが!)。これ、何でだめなのかと言うと、先も言ったようにそういった場合、大抵PLが素でミスをしてるんですよね。相手も知識人系だったりするとなおさら。そこで間違いを取り上げて煽ったりすると、PCを貫通してPLにダメージが行きます。めっちゃ落ち込まれることもあれば、「知識マウントだ!」という反応をされることも。まあどう転んでも心証は悪いです。というわけで、相手のミスを自然に見逃してあげられる性格設定は重要。以上個人的な体験に基づく見解でした。

強キャラを動かすとき気を付けること

 強キャラができました! 早速動かしたい! でもちょっと待って。トラブルというものは動かしてから発生するものですから、動かす際の注意点も確認しておきましょう。ここからは強キャラ以外のキャラを動かす際にも参考になる点があるかと思われますので、強キャラ興味ないけどここまで読んでくださった方のお役にも立てるかもしれません。

○大前提
 後ろの方書いてから「これ、言っといた方がいいんじゃね?」と思って付け足しておりますが、ロールプレイ全般の大前提大原則と呼べるものがあります。それは、「PCの言動はそのPLが決めるものであり、そのPLに自由と責任がある」ということです。当たり前じゃん! と思った人も聞いてね。近代以降確立された人間の権利の中に、「所有権」という概念があります。詳しくないのでなんか間違ってるかもですが(気になったら自分で調べてね)、ざっくり言えば「人間はものを所有することができ、所有したものに対して独占的に権利を揮える」というものです。そして、PCはPLの所有物である、と言うことができます。つまり、PCの状態に対してもっとも強い権限を持つのはそのPCのPLなのです。であるので、なんらかの不都合が起こったとき、PL判断でそれをなかったことにしたりしても、法的には咎めるところは一切ありません。ですが、そうやってあれはやだこれもやだと相手の要求を突っぱね続けるのも交流に支障が出るのは事実。ですから、双方相手のことを考えたロールをしたり、裏相談で意見を交換したりして、「断らなくてもいい状況」を作ることが大事なのですね。この下の項目は、それの一助になるものがメインとなります。

○能動ロールに気を付ける
 会話中のキャラクターの行動描写には、大きく分けて二つの種類があります。ひとつは能動ロール相手に能動的に働きかけるロールです。例えば攻撃する、などは分かりやすい例ですし、単に話しかける、頭を撫でようとするなども能動ロールです。もうひとつは対義語となる受動ロール相手から行動を受けるロールです。先の例に受身の「れる・られる」をつければそのまま受動ロールとなりますし、「撫でようとした手をはねのけた」などの回避行動も受動ロールです。まあ厳密に境界は引けません(カウンター攻撃などは能動と受動を兼ねますね)が、ざっくり「自分から行動を起こす」のが能動ロール、「相手の行動を受けて動く」のが受動ロールと思ってください。
 相手がいる会話では必ず並立するこの二つのロール種別ですが、能動ロールと受動ロールだと能動ロールの方が扱いが難しいです。なぜなら、書き方によって相手の受動ロールを制限できるから。先の戦闘の例をまた使いましょう。バトル中、「攻撃をした」と書けば、相手はそれを受けたり避けたりできますね。しかし、「攻撃を当てた」と書くと、相手は回避ができない、ということになります。そしてこの「行動を制限できる」という特性が、能動ロールをするときに気を付けなければならない点なのです。ちなみに、「行動を制限しない能動ロール」は、極論、存在しません。アクションを相手に向けた時点でもう何らかのリアクションを強要することになりますから、これに従わないということはPL単位での無視という悲しい状態しかありえません。じゃあどうすればいいの?
 ここでもうひとつ重要な概念が登場します。確定ロールという概念です。これは有名なのでご存じの方も多いでしょう、起こった事象を確定させる文体のことです。さらに先の例を使えば、「攻撃をした」も確定ロールだし、「攻撃を当てた」も確定ロールです。攻撃したり当てたりといった事象を確定させてますからね。この確定ロール、「気を付けよう!」みたいな言説ばかり回っていて「だろうか構文」などと言われる極端に確定ロールを恐れた文体になってしまうPLさんなどがいらっしゃるようですが、確定ロール自体はそう悪いものではありません。適度な事象の確定は円滑なロールに絶対に必要です。
 ではなぜ「気を付けよう!」とばかり言われるのか。これが先の能動ロールに対する疑問と同じ答えを持っています。「能動確定ロールは相手の意思を無視し、相手の行動を制限することができるから、気を付けなければならない」。そう、「悪」と言われるのは主に能動確定ロールなんですね。これも例示しておきましょう。例えば防御はそんなに得意じゃないけど回避に自信があるキャラが、「攻撃を当てた」と書かれて回避を封じられたら? 設定的に受けたら死んじゃうよな、なんて考えて殺したらそれはそれでトラブルになったり、そもそも殺すことに乗り気でないなら楽しい思い出になるはずがありません。死ぬまでいかずとも同じです。このように、相手の都合を無視できてしまうのが能動確定ロールの怖いところなのです。「確定返し」と言って、都合の悪い能動確定ロールを受けてそれを上書きする受動確定ロールで返す、という技もありますが、確定に確定で返す流れはざっと読んだとき「ん?」となるのも事実。できれば能動確定ロールは避けた方がいいです。逆に、受動は確定ロールにしないと話がふわっとします。「結局どうなったの? ダメージ通ってるってことでいいの?」みたいな。「だろうか構文」がよくないのはそういうことです。
 ちなみに、「背景への能動ロール」という概念もあります。要するに周辺の描写ですね。これは基本確定していいです。ニュートンが「リンゴは木から落ちただろうか」って言い出したら「えらいふわっとした万有引力だな」ってなるでしょ? 確定するか悩むとしたら、相手の拠点などにお邪魔しているときですね。このあたりの「領地感」というか、どこまで自分の都合で確定していいかというのは一概には言えないところだと思うので、経験を積むしかないですね。 
 では、強キャラの話に戻りましょう。強キャラの能力によく見られるタイプとして、「強制能力」が挙げられます。フィールド効果のように場を支配することで相手の行動を制限するもの、相手の認識などに干渉して印象などを操作するもの、単純に相手に何らかの欲求を抱かせるものなど、相手に何かを強制する力ですかね。極端な例だと「魔法の神なので全ての魔法は彼の手中にあり、相手が発動させる魔法を任意で不発にしたりターゲットを変えたりといったことができる」みたいなのとか。言うまでもなくこういう能力は能動確定ロール、かつ影響がでかいものがほとんど。なので避けた方がいいです。でもこういう能力、持ってるんだよな……できちゃうんだよな……という場合もありますね。そういうときは作る編の万能キャラの時と同じように、適宜弱体化させましょう。上の方でも言いましたが、「本来できるけど今はできない」という設定はかなり便利です。つよアピールをしつつ実害を及ぼさない。「普段ならできるのにー!」とかって悔しがるかわいいロールまでできちゃう。これはおいしい。弱体化の理由がほしい? 「普段いる世界と違う世界だからいろいろ勝手が違う」とかでいいと思います。この場合大事なのは結果であって言い訳ではないので……(ブーメラン)。
 また、特に封印した方がいい部類の能力として、「相手の意思に干渉する能力」があります。「周りにいるとめっちゃポジティブハイテンションになります」とか、「戦意を無条件で喪失させられます」とか。内心の自由、なんていう言葉が存在するように、キャラクターの「気持ち」というのはもっとも不用意に立ち入ってはいけないところ。こういった設定があるだけで人が避けます。もうビックリするぐらい誰も近寄らないと思ってください。人混みの中に分け入ったら周りの人がうわーって退いて自分の周りだけめっちゃ空き空きになった状態。嫌ですね。家に帰って布団にくるまりたくなりますね。この辺から書いてる私もだんだん疲れてきてテンションがおかしくなってます。ここ書いてる段階で約13000字だぞ? おかしくない……? まだ半分越えたとこぐらいでは……??(※書いてる順番ぐちゃぐちゃなのでここまでの文字数とは合致しません)
 脱線しましたが、類例として「誰にでも好かれる/嫌われる」みたいな設定があります。これ、まず守られないと思った方がいいです。適当に生やしたモブぐらいなら遵守してくれるかもしれませんが、ネームドのキャラは無理です。諦めて。好かれたいなら頑張ってロールで魅せようね……ウッ。
 あと、さらに補足。治療ロールの話なんかはよく話題に上がりますが(2敗)、プラス効果の能動ロールもマイナス効果同様に気を付けた方がいいです。というのもその欠点がそのキャラの個性の場合がかなりあるんですね。例えば、不治の病を持ったキャラがそれを治すために定期のメインストーリーで手に入るなんとかを求めて来た、とかいうキャラは、病が治ったら滞在する意味をなくしてしまいますね。そう、PCは治したいけどPLは治したくない、という事例も存在するんです。これをわかってないと「都合が悪かったらロールで断ってくれるだろう!」と見切り発車をして爆発します(1敗)。むしろ能動ロールでのトラブルはマイナス効果よりプラス効果で起こるほうが多い、ぐらいに思っておいたほうがいいと思います。
追記: 2021/03/11 19:59
 受動ロールは問題ない、と言いましたが、一つだけ注意したほうがいいものがあります。それは確定被殺害ロール。キャラクターを「殺す」という行為はとても重いものです。下手をすれば一発で悪評が広まりかねません。確定被殺害ロールというのは、その後に起きる悪評も含めて相手に押し付けることになります。同意なしにやるべきではありません。殺害ロールをしたい/されたいときは、相手と十分に相談し、そして「相談済みです」というのを明示しましょう。

○適度に競り合い、適度に負ける
 戦いが好きなキャラであれば避けて通るのは難しいロールに、戦闘ロールがありますね。これまでも何度も例示で出していますが、戦闘ロールの注意点に、ここまで出ていない、とても重要なものがあります。それは、適度に競り合い、適度に負けるということです。
 戦闘ロールというのは、少なくともPC視点では勝負です。ですから勝ち負けがつきます。勝った方は嬉しいし負けた方は悔しいし、負けないようにがんばります。が、PL視点では、戦闘ロールというのは実は勝負ではないのです。
 考えてみてください。あなたが戦闘に限らずロールをするのは、「楽しみたいから」ではありませんか?(そうでない場合ちょっと休んだり頭を冷やしたりした方がいいかもしれません) そしてそれは、相手も同じです。ですが戦闘ロールの勝者はどちらか一方のみ。そこで双方がどちらも勝利を目標に据えていたら、必ずどちらかにとって不満な結果になります。一方だけでも、もう一方は負け続けることになりますからそれはそれでなんだか嫌だ。いや「俺は負けロールが好きなんだ!」っていう人もいるかもしれませんが、まあ少数派です。どうですか? 「勝つこと」を目標に据える不毛さ、伝わりましたか? なので、勝負ではないのです。
 言うなれば、PL視点から見た戦闘ロールとは、相手と二人で創りあげるパフォーマンスなのです。ですから、「より面白くなるように立ち回る」のが基本となります。ではそれを具体化するため、あなたが見ていて楽しい、「対等な二陣営の勝負」を思い浮かべてみてください。……どうでしょう。「手に汗握る接戦」「土壇場大逆転」あたりではないでしょうか。つまり、「どちらが勝つかわからない」状態です。この状態を作るには、当たり前ですが競り合ったり負けそうになったり負けたりする必要があります。なので、「適度に競り合い、適度に負ける」というのが大事なのですね。
 え? 自キャラ、負けそうにないって? あるかもしれません。自分のなかでのそのキャラの強さイメージが強いほどこういった悩みは出やすくなります。そこは、定期世界が異世界であることを利用しましょう。例えあなたの世界観では一番強いキャラでも、他の世界に行けば似たような実力のキャラはごろごろいます。いることにした方がいいです。実際問題として、「俺は絶対に負けない!」なんて言って、負けたらPL単位で駄々をこねるような人間には誰も近寄りません。イキりたいなら脳内で「本気だしたら最強なんだぞ」と思う程度にしておきましょう。なんなら「俺より強いやつに会いに行く」ぐらいのノリの方がいいと思います。あ、イバラみたいな単一世界内で完結するキャラに最強設定をつけるのは論外なので出直してきてください。「最強だと思ってる(実際は違う)」「地元じゃ最強だった(この町では違う)」ならいいけどね。
 では、もうワンステップ進んで、「どのように負ければいいか」を考えてみましょう。こういうときに見るべきは、相手の攻撃の質です。相手の攻撃はどのような攻撃で、威力はどれぐらいで、どうかわせば、あるいは受ければいいか。相手のロールを熟読し、自分のキャラのスペックを考慮し、演出を考えましょう。得意分野で競り合って押し負けるか、弱点を突かれてなんとかカバーに回るか。いずれにしても、「ギリギリの戦い」の方が盛り上がります。戦闘ロールは双方主役のショーですからね。どの程度までギリギリにすればいいかは相手の強さ設定にもよるので、相手のプロフや普段の訓練の様子(あるなら)などを見ながら適宜考えてくださいね。
 また、「説得力のある戦闘描写ができない……」という人へ。動作描写の質は案外気にならなかったりします。というのも、格闘の心得がある人間なんて現代にはあんまりいませんし、剣術や弓術はさらに減りますし、魔法とかその他種々のロマン武器なんてみんな見たことすらないですからね。むしろ具体的に描写しようとすればするほど矛盾したりします。「上半身ねじれてない?」「足アホ長くない?」みたいな。なので、ざっくりどういう攻撃をしたのか分かればとりあえずなんとかなりますし、どの辺を狙ったとか、どうしたら隙ができそうとか、そういうのがあればもう花丸でいいと思います。というか、戦闘って相互の密接な関わりである以上、片方にどれだけ知識があって綿密に練られた攻撃ロールをしても、受ける側に知識がないと「うまく」受けられないですからね……。

○時と場合を選ぶ
 わりとみんな強キャラ好きですから、所によってはエクストリーム超人がわんさか闊歩する人外魔境のような場所もあります。クリトラの某鍛練&模擬戦場とか。が、だからといってどこでも誰相手でもそのような振るまいが許されるわけではありません。戦闘ロール禁止と明示してあるところなどもありますし、時と場合は選びましょう。基本的に、ちょっとでも「これやめといた方がいいかな……」と思ったことはやらない方がいいです。俺が三回怒られたの全部これだから。マジで。せめて裏から「こういうことしていいですか?」と訊きに行くといいと思います。それでブロックされたら……まあ、今後もなんかあったらブロックされてたと思うのでそんなに気にしなくていいんじゃないかな……。理由つきで注意が飛んできたら聞いてあげてください。お気持ちが飛んで来たらこの記事に帰ってきたり、別の交流チャットマナーサイトをググって出して熟読してみたり、信頼できる人(えっいない? ……ごめんな……)に訊いてみたりして、それでも「これ自分悪くないよな……」と思ったら縁を切ればいいと思います。後々謝らなかったのを後悔する可能性はまああるけど。この辺りは後述。

○リスペクトを忘れない
 さて、今までの項目に通底しており、今一度強調したいことがあります。それは、相手を尊重すること。PL・PCの両方から両方にリスペクトするのが理想ではありますが、性格があまりよろしくないPCの場合はせめてPLは尊重してるよという姿勢を見せましょう。親しき仲にも礼儀あり、親しくないなら尚更に。間違っても相手を自分のロールの踏み台になんてしちゃいけません。もちろんリスペクトしようと心がけるだけでもかなりいい感じですが、せっかくならリスペクトしてるのがわかるようにしたほうがいいですね。PCの反応とは別にPLが楽しんでいることが地の文などでわかると相手を安心させられます。特にPC自体の反応は芳しくない場合。「楽しんでます!」とまで明言してはっきり書く必要はありません(書き忘れたとき勘ぐられちゃいそうだし)。うーん、例示がむずい。怒ったり焦ったりするPCの様子を冷静に、しかしコミカルに地の文で描写する……とか。「コミカルに」って言うのがミソで、これが「これで笑っていいよ。こっちも笑ってるよ」っていう記号になります。地の文の書き方講座まではさすがに手が回らんので自分で何とかして(他力本願(誤用))。
 また、ちょっと話は逸れますが、頭がおかしいキャラをやるときは、「こいつ頭のおかしいことしてますよ」をプロフや地の文で明示したほうがいいと思います。なぜかというと、それが読み取れる事項がないと「ワンチャン素か? これ……」となって人が遠ざかるからです。みんな危ない人には近寄りたくないですから、「PLがリア狂」と思われたら、避けられるのを想定しているやベーキャラ以外のまともなキャラも避けられます。案外PLの情報はみんな見てるもんだと思う。こういった事項も含め、「PCのアクション・リアクションに対してPLがどう思っているかわかるようにしておく」というのは自分のためにも相手のためにもなると思います。

追記: 2020/12/13 18:30
 これは本質情報なのですが、どんなにお行儀よくロールしていても「強いキャラ」というだけで関わりを避ける人は一定数います。が、そもそも万人と仲良くできるキャラを作るなんて無理な話なので、「そういうの自体嫌いなら仕方ないなあ」と諦めることも大事です。これ、避けるには強キャラじゃないキャラ持っていく他にないですし。「強キャラをやる」と決めた時点で、いやどんなキャラでも、ある程度嫌われる覚悟はしておきましょう。そして、わざわざそういう人に関わりにいかないようにしましょう(客観的に見て判断できる情報がなければ事故ですが……)。

実例

 さて、ここまでで一番大事なところは終了ですが、「偉そうに言っといてお前はちゃんと守れてんの?」って言われそうなのでうちのこで実例を挙げておきます。うちの看板娘(無性別)、幼女ことエラーことインジケーター・スプリットブレインシンドロームを例に見ていきましょう。……こいつ名前長いな。
 まずは基本スペック。クリトラの説明文をサモンしましょう。クリトラに登録している方は下のリンクを見ても結構です(同内容)。
http://ct.428.st/?mode=profile&eno=450&icno=1

出身: 『逢魔時の夢物語』
年齢: 世界が二度目に滅んだ時から
性別: 無性
身長: 125cm
体重: 30kg
好きなもの: 面白いこと、他人の感情の動き、甘いもの、『物語』
嫌いなもの: 永久不変のもの、苦いもの、『作者』
権能: 不具合を司る

名前補足: フルネームはインジケーター・スプリットブレインシンドローム。あだ名がエラー。長すぎて名前欄に入りきらなかった。

概要: いつもにこにこあなたのとなりに這い寄る不具合幼女。幼女と言っているが無性別である。不具合の化身であり、人間とか人間じゃないのとかが右往左往してるのを見るのが大好きなTHE・人外……であるのだが、今回は余所行きモードかつバニティの保護者として来ているので基本フレンドリーな幼女である。

外見: 赤と黒のまだらの髪をツインテールに結び、瞳は右は赤字に黒のバツマーク、左は黄色の三角にエクスクラメーションマーク。赤青黄の三色の派手な浴衣ドレスを着ており、コンピューターを彷彿とさせる意匠が随所にあしらわれている。頭には黄色地に赤いラインのミニ船乗り帽、足は赤のニーソに黒の長ブーツ、首には先が手のようになった黒いマフラー(動く)。マフラーを取ると南京錠モチーフの飾りがついたチョーカーが見える。見た目年齢は8歳程度。体の平均密度が高く、見た目より重い。

スペック: 「不具合を司る」というチート級の権能を持つが、異世界へ行くための取り決めによってその一部を封印している。現在のスペックはせいぜいがちょっと強い魔術師程度であり、行使が不発に終わったりもする。ただし仕様上不死性だけは健在。また、メタの知識があるためそれを意識した発言が飛び出すことも。ただあくまで知識があり、ENo.450のPLと直接話せるだけで、地の文や過去ログを身勝手に見るようなことは不可能。

性格: 人をからかって遊ぶのが好きな困った奴だが、今回は余所行きだと念押しされたため大人しめ。好感度が上がると若干辛辣になるかもしれない。

備考: 実は時間軸的には他の定期に出ていたときよりも相当後から来ている。バニティとは同じ時間軸。

 名前も長けりゃ説明も長い。ここに書いてない情報としては、自創作本編では第三部(最終章)のラスボスを担当、戦闘で倒されることはなく主人公に説き伏せられる形で降参。以降は人間をにやにや見守りつつちょっかいかけたりして暮らしている、程度かな。では挙げた項目について上からチェックしていきましょう。

○万能キャラにしない
 説明文にも「チート」とありますが、彼女の能力はかなり万能の類いです。一応「壊すのは得意だが直すのは苦手」といった傾向はありますが、やれないことはない。いきなりアウトじゃん、という声が聞こえてきそうですが、これに関してはコトシタ時代でも「さすがにそのまま出すのはまずい」という意識があり、ずっと「本来の力を封印した状態で滞在している」という設定がついています。具体的には(コトシタ内のことはちょっと覚えてないのでクリトラ内)身内(自PC)や背景以外への能動確定ロールの封印。これはやっとかんと洒落にならんね。それから、エネルギー保存則の厳守。つまり無から有を生み出したり無条件で物を削除したりすることの禁止。ただし反応過程で多少逸脱するのは可とする。これはチート用というか通常の魔法レベルから物理学のエネルギー保存が成り立ってるか怪しい、検証も無理、というあたりの兼ね合いです。金や銀を作るときに空気を核融合して作ってる描写をしたりしました。それからこれは話すと長いのでさらっと流しますが、使用できる思考リソースの制限。これをやると大技を出すときなどにそれに集中しないといけなくなるので隙ができます。あとはちょこちょこその場その場で都合が悪いこと。全部網羅は無理なので。総じて「うわー無双チートやん」って言われないように頑張ってます。

○弱点を作る
 弱点は……ない! すみません。これは申し訳ないことにないです。早口言葉苦手設定とかあったけど「煽るときめっちゃペラペラしゃべるやん……」となったのでボツになりました。代わりに、ロール内ではできるだけダイスでの行為判定をするように心がけています。「失敗する可能性を作る」というのを明確な弱点の代わりにしているわけですね。ファンブルしたら事故演出したりもして後述の愛嬌にも一役買ってくれるのでダイスはいいぞ。ダイスに関しても書いてるので間に合えば鶏19日目に載ります。

○愛嬌を作る
 自創作内では煽るの大好きうざ幼女ですが、コトシタを経てちょっとでも煽るとダメなことがわかったので(たぶん3敗ぐらい)、クリトラではかなり態度がマイルドです。この前のロールでモブ敵幽霊相手に煽ったのがクリトラ初煽りじゃないかな。なんならずっとバニティ(メインPC)のお姉ちゃんムーブ&マギクムさん(サブPC)の妹or娘ムーブしてますね。総じて分かりやすく喜び、分かりやすく拗ねる子供っぽい態度を心がけていますが、根っからの子供ではないのと相手への不快感も考えて我が儘などは最小限に。自分相手なら不快もクソもない(傍から見ててドン引きするようなロールはそもしないようにしてます。まあそれはそう)ので多分マギクムさんに駄々をこね続けると思います。

○能動ロールに気を付ける
 先にも挙げたように、権能による相手への能動確定ロールは封印済みです。その他の能動確定ロールも気をつけてる……はず……(これは最近ソロールしかしてないから能動確定しても問題ないんだよな、という顔)。まあ、一回模擬戦させてもらったときは心がけてた記憶があります。別の要素で注意が飛んできたけど。

○適度に競り合い、適度に負ける
 行動に関してって「気を付けてます以上」以外に書くことある……? ロールのみいくさはまだやってないですが、ダイス混みいくさでは結構頑張って競り合ったつもりです。ダイス的にも三本勝負で五回戦までいく接戦でした。こいつは負けても楽しいタイプ&元々ヴィラン気質なのでやられ役なことがわりとあるということもあり、負けロールはやりやすいですね。

○時と場合を選ぶ
 能動ロールの項の「別の要素で注意が飛んできた」がこれにかかってます。その時いくさしてた場所が「地形破壊技禁止(実際に地形を破壊しなかったとしてもダメ)」というレギュレーションだったのですが、私も相手PLさんも「バリア張れば大丈夫」という風に誤解して怒られました。当時の注意書きはカッコ内が明記されていなかった(今ははっきりわかるようになってます)のと、周りからもそれなりにフォローが飛んできた辺り「誤解しても仕方ないかなあれは」と思われていたのではと思ってこそおりますが、反省はちゃんとして(なんなら誤解した原因の考察までやりましたが書くとこないので自分の中であっためてます)、以降は地形破壊OK、ソロ鍛練なら補正ぶっちぎりのスーパープレイもOKの場所をメインに活動中です。いやまあこれは賑わってる場所がそっちに移動したという事情もあるんですが。というわけで時と場合は選びきれなかったこともあったけど反省はしてます。

○リスペクトを忘れない
 PLの方は「上を読んだらあとは俺のロールを見てくれ」としか言いようがないのでPCの方の話を。クリトラの幼女はかなりフランクに誉めます。「さっすがー」とか「いいじゃーん」とかは標準装備。あと、人外魔境が人外魔境してるときは「こっわ」とかよく言ってますね。これは「自分にできないことを軽々やってのける」ではなく「自分ちだと自分ぐらいのやベーのしかできないようなことをやるやつがわんさかいる」ということに対する「こっわ」です。なんの弁明だこれ。

 ………………総ざらいで見てきたけどダメじゃないですかこれ? あっ待って石投げないでやめて!

強キャラはいいぞ

 アホクソ長くなってしまったので、締めに入る前にまとめましょう。

強キャラで心がけてほしいこと
・万能キャラにしない
・弱点を作る
・愛嬌を作る
・能動ロールに気を付ける
・適度に競り合い、適度に負ける
・時と場合を選ぶ
・リスペクトを忘れない

 最後に覚えておいてほしいことがあります。それは、誰かがあなたに都合が悪いロールをして、注意しようと思ったときのこと。「怒る」ではなく「叱る」をしてほしいんですね。この記事を読んで知らないことがあった人なら想像しやすいと思いますが、その都合が悪いロールをした人は悪意があった訳ではなく、単に交流のマナーを知らないだけかもしれません。交流のマナーなんてものは学校で教えてくれるようなものではないので、知らない人間も当然います。だから、「知らないやつが悪い」と言って怒りをぶつけるだけぶつけて放置してもなんの解決にもなりませんし、そういった人間が増えるほど一見さんが寄り付きにくくなり、界隈が衰退します。感情に任せたお気持ちメッセージではなく、どこがどういう理由で嫌だったのか、どうしてそれが「悪いこと」とされるのかをきちんと相手に提示するべきです。これが、「怒る」ではなく「叱る」ということです。できれば愛想をつかすのは何度か叱り飛ばしても全然改善されないとか、そういうときにしていただきたい。叱るのにもコストがいるので、それとなく避けてしまうようになる気持ちはわかりますが……。
 話は変わるようで変わらないのですが、私がこの記事を書いた理由は、「おっ今年もアドカレあるのかー。去年は見る専だったしせっかくだからなんか寄稿してえなー」と思ったのがまあ最初には来るんですけど、さあ何を書く、といったとき、「コトシタでトラブルを起こし、一年ほど経ってやっと何が悪かったのか理解してからずっと考えていたことを形にしたいな」となりまして。それは、トラブルを起こして怒られて、「なんだかよくわからないけど相手が怒ってる。こわいな……」となってしまうロール初心者を減らしたい、それで交流が怖くなったり、定期が嫌いになったりしてしまう人をなくしたい、という思いです。私はコトシタでトラブルを起こして怒られて以来、ずっと交流が怖いです。誰かと会話している最中、ずっと「怒らせてないかな……」とビクビクして、送ってから「あっこれまずったんじゃないか?」と思って死にたくなって、でもうちのこを動かすのは楽しいからソロールをして、「『創作でやれよ』とか思われてないかな……」なんてぼんやり危惧したりする、そんな交流ライフを送っています。でもDiscordの某鯖でそれを打ち明けたとき、「よくあるよくある」「自分も同じ」「そんなに怖がらなくていいんだよ」と言ってもらえて、この恐怖心がちょっと薄れたのを覚えています。あの時何が悪かったのか理解したのもその鯖でのやり取りの中でした。だから、自分もそんな励ましと啓発を誰かに送りたいと思ったんですね。ここまで厳しい口調で注意点を並べてきましたが、それは冒頭にも言ったように「お前は悪いやつだから死ね」と言いたいのではなく、「これで刺さって反省できたなら今後も気を付けられるね」という気持ちです。心当たりがあって辛くなった人、まだ怒られてないならよかったですね。今後はもっといいロールができますよ。もう怒られてしまったならこれで何が悪かったのかはきっとわかったことでしょう。今後は気を付ければいい。大丈夫、案外一回のトラブルぐらいで悪名が知れ渡ったりはしません。ソースは私。ここまで記事を真面目に読んでもまだ「こんなの当たり前じゃん」と言える人。すばらしい。でも世の中にはその「当たり前」も知らない人間がいます。なので、是非この記事をお友達にも薦めてあげてください。気軽に読んでとは言いにくい分量ですが……。
 最後に。校長先生の話の締めみたいな話をしますが、「無知の知」という言葉があります。ざっくり言うと「自分が無知であることを知っている、自覚している者は、そうでないものより賢い」という考え方です。私は人類は全知たりえないと思っていますし、それが偽でも少なくとも現代に生きる人間が全知であることはまずないでしょう。ですから、誰しも知らないことがあります。まずはそれを認めることが、誠実たるための第一歩だと私は考えています。同時に、「無知は罪」という言葉もありますね。これは私は偽だと思っていて、正しくは「無知は罪のもと」であると提唱します。知らなかったで許される罪はそんなに多くありません。ですが、すべてを知りうることは不可能です。特に相手の心に関しては。なので、日々の暮らしを通して無知という種を探しだし、芽を出す前に取り除く。これを心がけるようにするといいと思います。全ての種を取り除くのは不可能でしょうけれど、数を減らすことは可能です。知を得てこれを生かさんとする、これが人間の成長ですから。
 ここまで長々と、本当に長々といろいろ書いてきましたが、これを全部無視していい環境があります。それは自創作。他人と関わらずに自分だけで完結する作品であれば、どんなにチートでもどんなに無双でもどんな失礼をしても問題は起きません。しかし、交流は違います。交流には相手がいて、お互いのどちらもが楽しめるものでなくてはなりません。もちろんこれも合意の上であれば普通できないこともできますが、裏での話し合いありきのロールの表だけを見て「ああいうことやってもいいんだ!」となって同意をとらずに突撃するようなことがありませんようお気をつけください(1敗)。能ある鷹は爪を隠す、ということわざもありますゆえ、ぜひ用法用量を守って楽しい強キャラライフを!

 なお、筆者も人間なので記述が弱いところがあったり間違っている部分があったりするかもしれません。書いてたらアホ長くなったので多分推敲しきれてないしな……。

おまけ1・強キャラの類型 ~最弱キャラ・トンデモ時空キャラ・オンリーワン能力キャラ~

 ここからはおまけです。おまけの癖に大分長いです。バカなの? 「もうお腹いっぱいです……」という人はここらで帰っていただいても大丈夫。いや、もう本編の途中で飽きて帰ってる人が大半だと思うけど。
 ここでは本文中で定義した「強キャラ」から漏れるものの、同じようなカテゴリーに入るキャラ類型について説明します。
 まずは最弱キャラ。わざわざ「最」とつけているのは、普通に弱いキャラはわざと戦闘で足引っ張りにいったりしなければ普通に無害だからです。字面的には強キャラの対義語ですが、場合によっては類義語になりえます。それは「自分の強さ/弱さに相手を合わせようとする」という点です。「自分は強い/弱いから相手は絶対に負ける/勝つ」というものですね。強キャラの場合だと、ダイスなしロール戦闘でどちらも勝とうとムキになってえらいことになったりするやつ(1敗)。弱さを競う場合は単なるギャグになりがちなので強キャラよりはマシですが、それでも小手調べ程度の攻撃で吹っ飛んで死なれたりすると、大抵は「あれ?」ってなります。ついでにそこで「おいなんで殺したんだよ!!」とか突っかかってきたらもう当たり屋と変わりません。やめましょう。まあ、これに関しては「最弱だから戦闘するとすぐ死ぬぞ!」って事前に言っておいたり、条件付きで強くなったり、その他なんやかんやで「最弱である」という設定を生かそうとすると思うのでそこまで心配することではない気もしますが。当たり屋するために最弱キャラ持ってくるような人は各方面から先手ブロック貰っても文句言えないと思うよ。
 続いてはトンデモ時空キャラ。なんだこれ? と思った人、ご安心ください。私が適当に考えた呼び名なので。本文の方で「強キャラ」の定義を「そのキャラが所属する世界観において、歴史上有数の類いまれなる能力を持つキャラ」としましたが、これに当てはまらないのに端から見たら強キャラ、ということもあります。つまり、そのキャラの出身世界全体の強さがおかしいパターンです。「素手でヒグマを倒すぐらいならできて当たり前じゃない?」「飛行魔法? え、時空移動魔法じゃなくて?」「あ、ごめん今の切り札だったんだ、ジャブかと思って普通にいなしちゃった」などなど。率直に言うと、やめた方がいいです。なぜならそのキャラの常識で物を語るだけで相手を見下すことになるから。主人公が自らの強さに無自覚で「あれ? 俺またなんかやっちゃいました?」とかのたまうラノベは敬遠されますが、それと同じですね。
 また、強さ面ではなく技術面、文明が現代より発展している、という設定でも、似たようなことが起こります。これに関しては、強さ面ほど強く「やめた方がいい」と言えない理由があって、文明レベルが高い世界出身のキャラも文明レベルが低い世界出身のキャラもわりとざらに存在するんですね。一般的な人間の強さに関しての幅はそんなにないことが多い(なくはないけど、銃火器の発明など文明に依存している場合がほとんど)のですが、中世、現代、近未来あたりが定番の舞台設定として挙がるように、文明の発展度合いは幅が大きいんですね。なので文明が発展した世界、という設定それ自体は咎められるものではないです。なんなら私の自創作もそういう設定です。
 こういった「優れた世界」出身のキャラの場合、「自分の世界は他の世界より進んでいるから、自分の世界についてはひけらかさないようにしよう」なんていう信条、あるいは世界内での暗黙の了解などを設定しておくと無自覚マウントをかまさずに済みます(1敗)。
 最後にオンリーワン能力キャラ。これは強キャラとも被りがちですが、ここではより固有能力に重きがおかれているキャラ造形を扱いましょう。能力以外にも秀でているところがあるなら普通に強キャラ扱いですが、「能力以外は至って普通」みたいなキャラもいますね。その能力の汎用性が高かったり、尖りめ性能でも特定場面での活躍が確約されるようなタイプだとやはり強キャラ、ないし準強キャラぐらいの扱いですが、そうでもなくて、「ただ単にその世界で一人しかその能力を持っている人がいない」というだけの場合は、普通のキャラと同じ取り回しで大丈夫だと思われます。なぜなら、「世の中的に初出」の能力を作るのは不可能といっても過言ではないからです。世は正に大ネット時代、年齢性別出身問わず気軽に作品をネットにアップできるようになった以上、探せばどっかには同じ設定があるでしょう。定期内部のみに絞っても、要素を抽出すれば同じとかは結構ざらです。というか逆にオンリーワン性にしか価値がない能力の場合、ちょっと他の魅力についても考えておいた方がいいと思います。

おまけ2・強キャラっぽい設定なのに強キャラじゃないキャラ

 冒頭で出した「まあこういった設定を持つキャラが一概に強キャラかと言われるとそうでもなかったりします」の実例、と題したうちのクリトラメインPCのダイマです。ここまで読んでる猛者、いる? という気持ちを持ちつつスペック紹介から。幼女の時と同様、クリトラに登録している人は下記のリンクを見てもOKです(同内容)。そして右上の星マークなんかもクリックしてくれると嬉しいですね()。え? 見に行くメリット? ……立ち絵があること?
http://ct.428.st/?mode=profile&eno=450

出身: 『逢魔時の夢物語』
年齢: 世界創世から
性別: 無性
身長: 124cm
体重: 19kg
好きなもの: さくらんぼの飴、ピンク色
嫌いなもの: 今のところ特になし
権能: 世界を運営する

名前補足: 個体名は存在しないが、便宜上「バニティ」と名乗る。

概要: 『逢魔時の夢物語』と呼ばれる世界群を運営する八番目の創世神、維持神……の端末。本体は現在も、世界を定義し運営するために「はじまりのソラ」と呼ばれる場所にいる。間違いなく神の一柱ではあるのだが、特に強いわけではないただの童女であり、下界のことを学びに来ている。

外見:少し桃色がかった、足首ぐらいまである長い切り揃えられた白髪に同じ色の瞳、褐色の肌。紫がかった黒を基調とするセーラー服を着ており、このスカートもやはり足首ぐらいまである。靴はなぜか下駄。右目の下にひび割れ模様、左目の下にもなにがしか書かれており、文字が読める者ならどんな言語の使い手でも「8」と読める。格好だけ見れば少女のようだが無性別。見た目年齢は8歳程度。体の平均密度が低く、見た目より軽い。

スペック: 創世神の端末ではあるが、本体の権能が特定の世界群の管理に特化したものであるためにスペックは普通の子供とほぼ変わらない……が、異世界の術が効かない体質であり、彼女に術をかけたいのであれば『逢魔時』仕様に「翻訳」する必要がある。また、傷の治りが早く、血は動脈血が桃色、静脈血が桃色がかった白。死なないわけではないが死んでも新たな体を作成することができる(ただし外注なので時間はかかる)。たどたどしい喋り方で、知っている語彙が偏っている。

性格: 身体的にも子供だが精神的にも子供であり、加えて常識に疎く世間知らず。好奇心旺盛、少し意地っ張りで、物事に対しなんだかずれた反応を返しがちな不思議ちゃん。理解力も説明力も子供並み。

 長い! 各キャラのプロフはとりあえず概要、もうちょっと情報が欲しければ外見・性格あたりさえ読めばわかるかなぐらいの気持ちで書いてるんですが、今回読んでほしいのスペック欄なんですよね。まあ、長々と「神だから死なないけど強くはないよ」って書いてるだけですけどね、要するに。
 彼女のスペックとしての肝は「異世界の術が効かない」ことにあるんですが、これは完全に受動ロールで、能動的になんか(ex. 味方に同様の効果を付与したり掛けてきた術をカウンターしたり)するのは不可能です。というのも、自創作世界内での彼女の役割はざっくり言うと「当たり前を作る」、定められた法則に従って世界を演算し、管理することなので、「当たり前」以外のことはできない。ついでにクリトラはうちの拠点クリップ以外外部世界なので彼女の管理下ですらなく、故に「管理をやめる」ことによる広域破壊もできない。そもそも端末である童女バニティにそんな権限ははなからない。という状態なんですね。しかし、童女バニティの体それそのものは一切ファジーなところなく完全に本体バニティの管理下にあるので、外部から侵入してきた不明な要素は正しく演算できず、バグとして取り除くしかない。これが「異世界の術が効かない」のからくりです。が、問答無用で一切効かないのもそれはそれで困るので、幼女が近くにいてその術を正しく認識できる限り、幼女が異世界の術を逢魔時仕様に「翻訳」することで術が効くようにできる、という手法を採っています。PC視点からの能動的なオンオフは一件無双の元になりそうですが、幼女はメタ認識があるので実質的にPL裁量となり、あとは私の良心次第となります。めんどくさい設定積みやがって。こんなんでダイマになるわけないだろ!! いやいや、この大盛設定を見てキャッキャしてくれる人はいいおともだちになれると思います。そういうことで。
 なに話してたんだっけ。そう、「強キャラっぽい設定なのに強キャラじゃないキャラ」ですね。「強キャラ」の定義を見返してみると、「そのキャラが所属する世界観において、歴史上有数の類いまれなる能力を持つキャラ(ただし実際に歴史に名を残すかどうかは考慮しない)であり、その能力をもって他人に何らかの大きな影響を与えることができるキャラ」とあります。バニティの場合、前半はOKでしょうが後半がダメです。無慈悲なことに「当たり前なことを当たり前にできるようにしてるんだよ」は「そうなんだー」で終了ですし、外部PLからすればその当たり前を当たり前にするという恩恵すら受けてないので、本当にただの子供でしかないですね。
 というわけでちょっと不思議ちゃんなうちのクリトラメインPC、バニティの紹介でした。良ければいっしょに遊んでね。

おまけ3・関連記事リンク

 アドカレの他の記事にも色々ロールプレイに関する記事があるのでこちらに貼らせていただきます。……無断なので不都合あったらご一報ください。
※貼る記事の選考は独断と偏見です。主に注意系の記事をメインに選んでいます。あと後付けなので最初の方の日付で入ってないのとかあると思います。

・梅3日目 ルルクスさん
 人の心の無くし方 ~人外入門編~

・梅7日目 わざきさん
 反社会的PCを作ろう!

・梅15日目 若干さん
 【衝撃】初対面のプレイヤーからあんな事や×××された結果wwwww(画像あり)

・鶏20日目 BOHさん
 推しとお話したいし、        あわよくば特別な関係になりたい記事

・鶏21日目 Ironymouthさん
 されたら嫌な事を何故するのかを麻雀で理解する話

・松22日目 まれみ。さん
 オラ!魚のカマを食いな!!

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12日目のラインナップ
松・水城さん
竹・ヒサギさん
梅・ここ
樅・ルランさん
鶏・(まだ空いてるぞ! 書くなら今のうちだ!)

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