2015年5月26日

【火曜日と女子大生】

実習棟、3階中央のC。WinPC20台がワークシートのように並ぶ。机に突っ伏して寝ている二人は、いないように見える。始業前、休憩後、その他、入室をくり返すたび、「やるよー」「がんばるよー」と言ってみると、「ふぁーい」という2つの声だけ、どこかから聞こえてくるのが面白い。S恵とY衣は今日、私に「開いている」ような気がした。

教卓の床は10センチ高い。Y衣は今日からこの段差を撮り始めた。三人で、台車にカメラを載せて、移動撮影をくり返した。プレビューして、足下のスカイラインをたどる。二人は怪訝そうに見える。「つまんないね?」と聞くと、数秒たってから、「何とも言えない」とS恵が言った。

三人で、段差にしゃがんで話をした。「何とかしようか」という呼びかけに、二人は及び腰ながら頷いたように見えた。午前中の教室は誰もいないように見えたはず。

午後。ホワイトボードにマーカーや磁石が並ぶ。吹き出しをつけて、モチーフを擬人化するS恵に、「それはナシ」ときっぱり。言う必要があったか、アリなんじゃないか、拒んだのではないか、と思えて何か悲しかった。S恵は傷ついたかもしれない。

次回は再来週。ちょっとずつのことの所為が、ちょっとずつ場所を違えて、ぽこぽこ湧いてから消える。またはどこかへ。「そのまま」がいいか、ぼやぼやと思いながら、駅行きのバスを待った。

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