見出し画像

本の紹介『右翼と左翼』

本書は政治的立ち位置、実現しようする社会の方向性である「右翼と左翼」について書かれた本です。決して黒塗の街宣車についての本ではありませんのでご注意を(笑)

右とか左、右寄りとか左寄りとかいうその「右」「左」とは何なのか主要な人物、国、出来事などに照らし合わせながら書かれています。一口に「右」「左」と言ってみても、それを判断する基準が異なったり、様々な要素が絡み合いわかりづらいものがあります。

そこで本書ではまず「右翼」「左翼」が生まれた歴史から見て行きます。その歴史は意外と浅く、18世紀に起こったフランス革命であることがわかります。

フランス革命にて、権力が国王から市民(議会)に明け渡され、議員たちの中でも、「王の力を残そうとする勢力」(保守派)と「王の力を残さないようにする勢力」(急進派)に分かれました。その時、議長から見て保守派が右側、急進派が左側に寄り、扇状の議会にてその光景が翼を広げたように見えたことが「右翼」「左翼」という言葉の由来となりました。

以来、時代や状況によって「右」「左」の対立軸の軸となる基準が異なったり増えたりしていきますが、基本となる考え方は「左翼=革新派」、「右翼=保守派」で良いそうです。

僕の認識で恐縮ですが、「左はより良い社会を目指そうとする立場」、「右は現状維持しようとする立場」ととらえたらわかりやすかったです。

また、今の日本はどうなのかというと著者は、左翼は悪い状況を革命などにより変えることに本領を発揮する性質があるため、今の日本のように平和である程度の自由も保障され、大きな目で見て豊かである以上存在感が薄くなると言います。

そうして必然的に右翼が目立ってくるということになります。これを現在に当てはめると、左寄りの政党(立憲民主党や共産党など)が政権を取れず、右寄りの自民党が政権を握り続けている現状とも合致します。

とはいえ、格差が広がり続ける中で、弱者の味方の印象が強い左派ポピュリズムと言われる「れいわ新選組」が現れました。たとえば、今後も格差が広がり続ければ当然それに苦しむ人々は「現状を変えてほしい」と思うはずです。

そうなれば、れいわのような政党が更に支持されるのか、新たな左派政党が現れるのか、既存の左寄りの政党が支持されるのかはわかりませんが、そのような時に「自分はどういう立場なのか?」を知るための一助となる本だと思います。

新書サイズで読めて、わかりづらい政治的立ち位置について全体像をつかむにはオススメの一冊です。


サポートいただいた費用はより良い記事、正確な情報取得のため書籍、新聞購入費用に当てさせていただきます。購入した情報源を記事に掲載する際はサポートいただいた旨をよろしければ記載致します。