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はじめての憲法改正議論③改憲の流れと決め方

前回は、憲法の大切さを僕たちの生活に照らし合わせながら考えていきました。決して他人事ではないことがおわかりいただけたことと思います。

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実は他人事じゃない理由がもう一つあります。それは前回の最後に「改憲の是非は僕たちの手にかかっている」とお話しをしました。そのことと大きく関係しています。どういうことか具体的に見ていきましょう。

◼️改憲までの流れ



憲法の第96条に憲法を変更するための手続きが表記されています。条文からわかりやすくしてみました。

①国会議員の3分の2以上の賛成により、発議して国民に改正案を提案

②国民投票を行い、過半数の賛成を得る

③天皇から公表され、のちに変更された憲法が実際に有効になる

憲法改正のためには、大まかに以上のような流れが必要となります。

◾️実際に改憲するかどうか決めるのは僕ら(国民)



その意味を詳しく見て行きましょう。


実際に、僕たち(国民)が憲法改正を決めるという理由が2つあります。【国民投票】と【国政選挙】です。


1.【国民投票】

上記流れの②にある国民投票ですが、これを具体的に見てみます。


国会から提案された案を僕たち(国民)は、投票で問われます。普段の選挙と同じ要領で、「憲法第〇〇条をA案に変更しても良いか?」と投票で問われ、「賛成」または「反対」のどちらかを投票において皆さんの意思表示をするのです。


この国民投票の結果、半分以上の人たちが賛成ならば「憲法改正」となり、賛成が半分に満たなければ「憲法改正ならず」となります。


これが「改憲の是非は僕たちの手にかかっている」ゆえんです。


2.【国政選挙】


国政選挙とは、国会議員を決める選挙のことです。詳細には、衆議院議員と参議院議員を決める選挙ということになります。憲法改正を決める直接的な手段は上記の国民投票なのですが、この国政選挙も隠れた決定打となりえます。


どういうことか。それは、皆さんが「どの政党を支持するか」ということに関係しています。


順に説明します。改憲案を国民に問うためには、国会議員の3分の2以上の賛成が必要でした。具体的に表すと、

〈衆議院〉
合計465人 改憲のためには310人以上の賛成
〈参議院〉
合計245人 改憲のためには164人以上の賛成

が必要となります。国会議員とひとくくりに言っても、実際には各議員ごとに改憲の是非について考えて答えを出すわけではありません。議員のほとんどは政党に所属しています。つまり、政党ごとに改憲すべきかどうかの答えが出るいうことです。


現在、改憲を訴えているのは安倍首相を筆頭とする自民党です。自民党の議席数だけでは衆参両院とも単独で3分の2以上占めることはできないので、他の党の力も必要となっています。


もしも、今後国政選挙が行われた場合、あなたが自民党を支持する、または改憲を望む政党を支持したとします。その結果、両院で3分の2以上の賛成があったら国民投票にかけられることになるのです。


隠れた決定打と言っているのは、支持する政党によって「国民投票への道のりが近くなるか、遠くなるか」ということを意味しています。


とは言ったものの、既存の政党を支持したくない方もいらっしゃることと思います。その場合、無所属の候補者を支持するのも選択肢ではありますが、その方の改憲への意向は気にされた方が良いと思います。


◾️まとめ


ここまで色々お話しをしてしまったのでわかりづらい部分もあったかもしれませんが、まとめるとこうです。

第1段階(国政選挙)
・「賛成」であれば自民党や改憲を望む政党を支持する
・「反対」であれば自民党以外の政党や、改憲に反対している政党を支持する
・あるいは政党を支持しない。

第2段階(国民投票)
・「賛成」であれば「賛成」の票を入れる
・「反対」であれば「反対」の票を入れる

※議員や政党の考えが変わった場合、いきなり国民投票になる可能性もあります。可能性は低いと思いますが…

※もちろん、「改憲を望む政党を支持するが、改憲には反対」とすることもできます。逆も然りです。


政治の大切なことは改憲議論だけではないので、政策方針なども検討事項に入れたら大変なことになるのは重々承知しています。ですが、憲法という国の根幹であるがゆえ、知らなかった…と嘆いても後悔先に立たずです。


以上、僕たちが憲法改正を決めるという2つの理由をお伝えしました。安倍首相は「必ず私の手で改憲を成し遂げる」と意気込んでいますが、本当の意味で改憲の是非を決めるのは私たち(国民)なのです。

〜 〜 〜

次回は「安倍首相は憲法のどこをどう変えようとしているのか」見ていきたいと思います。

続く

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