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検察官定年延長の件


昨日の毎日新聞デジタルに『「どこまで国民をばかにする」検察官定年延長法案に抗議ツイート250万超』と題した記事があり、気になったので読んでみました。

何やらただ事ではない様子。

こちらがその記事です。


何が起きているのかあまりよく知らなかったので、これを機に手元にある新聞や総合雑誌を漁ってみると関連の記事が少しあったので事の概要を簡単に書いてみました。

■問題の概要


黒川東京検事長は今年の2月8日に検察官の定年となる63才の誕生日を迎え、退官の予定でした。しかし、直前の1月31日に定年を8月7日まで延長する閣議決定がなされたのです。ちょうど武漢から帰国のチャーター機を政府が出していた頃ですね。

この定年延長が問題になっているのですが、何が問題かというと①「ある目的のため」と②「本来できないとされてきたものを解釈変更によりできるようにしたこと」主としてこの2点に絞られることと思います。

②については今に始まったことではないのでここでは触れずに、①の「ある目的」について注目してみました。推測ということになりますが、元最高検検事の清水勇男氏は産経新聞に寄稿した記事にて、次のように述べています。

黒川氏の定年延長は検事総長人事に絡むとする見方が強い。もし内閣が黒川氏を次期検事総長にしたいとの意向であれば、氏の定年を延長して2月8日以降も現職にとどまらせるしかない。現在の稲田伸夫検事総長は就任から2年となる今夏の勇退がささやかれていることから、黒川氏の定年を8月7日まで延長したという推測だ。

▶産経新聞2020年4月25日9面


そして、東京外国語大学名誉教授の西谷修氏は核心に迫った意見を述べています。

前法相夫妻の選挙違反の立件に関わり、またカジノ疑惑がどこまで追求されるか、そして何より「桜を見る会」はどうなるかの帰趨に関わる人事である。森友事件のぶり返しもある。究極的には、当面のことというより遠からず訪れる、安倍晋三が「私が総理大臣なのだから…」と言える立場を失ったときに備える意味もある。

▶『世界』2020年5月号P45


つまり、「安倍首相が総理大臣の役目を終えた時、追及されるであろう諸問題から逃れる(または有利に働くよう)ために、都合の良い人事を行おうとしている(かもしれない)」ということのようです。

■コメント


こんなことが起きていたんですね。僕はどちらかというと改憲の方が関心が高かったので、ほぼスルーしていましたがこれはこれで看過できなそうな事態であることがわかりました。

どこの記事だったかは忘れてしまいましたが「このような非常時に政権批判はおかしい」ような旨のことが書いてあり、「たしかになぁ。色々突かれているけど、政治家も大変だよな」なんて気の毒に思ったりもしました。

たしかに、このような非常時に…かもしれません。

でも、元はといえば、その非常時に野党をはじめ、世論をざわつかせたのは他でもない政権自身であるということに加え、枝野氏に「火事場泥棒だ」と言われてしまうのは仕方ないと思ってしまいました。

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