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「過去未来報知社」第1話・第7回

<<第6回
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「えーっと、この角を曲がってその次を……」
 地図片手に細い路地を右へ、左へ、と渡りながら笑美は周囲を見渡す。 駅前の商店街を抜けると、そこは閑静な住宅街だった。
 風情のわる和風建築の立ち並ぶ横の通りには、今時の新築住宅が軒を連ねている。新旧が道を挟んでうまく同居しているようだった。
 区画整理を繰り返したのか、まっすぐ行けると思った道も意外と回り道をさせられるようになっていたりと、ちょっとした迷路気分だ。
「今度の角を曲がれば……あれ?」
 目的地だ、と思ったその場所は行き止まりで、小さな公園が門を開いていた。
「おっかしいなぁ」
 笑美は公園を背に地図を開くと、後ろに数歩下がった。
「ぎゃん!」
「わっ!」
 急に足下からあがった声に、笑美は飛び上がった。
 黒い丸い固まりが、一目散に茂みに向かって走っていく。
「え? なに?」」
 そろそろと茂みに近づく笑美。すると……。
 ガサッ!
 茂みが割れ、丸い黒い固まりがひょこっと顔を覗かせた。
「わ!」
 驚いた拍子に尻餅をつく笑美。それは、黒い大きな猫だった。
「なんだ……猫か。驚かせないでよ」
 笑って立ち上がると、笑美は猫を抱え上げようとした。
「ん?」
 思いの外感じる抵抗感。ずるっ、と引っ張ると……猫の臀部をつかんだ手が伸びてきた。
「うわっ!」
 手を離して再び尻餅をつく笑美。腕の主はのそっ、と茂みから出てきた。
 大きい。
 かなり大きな猫だと思ったが、その猫を片手で抱え上げるほど背の高い男が、ぬぼっ、と笑美を見下ろしていた。

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涼廣

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本と音楽が好きです。