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おいでませ!  六合荘 過去未来報知社

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2015年1月の記事一覧

「過去未来報知社」第1話・第52回

「過去未来報知社」第1話・第52回

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>>第51回
(はじめから読む)<<第1回
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「へぇ、映画、ですか」
 若詐欺、飯島は煙管をポン、と叩いて微笑んだ。
「六合で撮影なんて、50年ぶりじゃないかな」
「え、そんなに」
 飯島の家は商店街がちょうどあけたところ、
 まるで商店街と住宅街の門番のような場所にあった。
 六合荘まではいかないがかなり大きな和風建築で、
 

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「過去未来報知社」第1話・第51回

「過去未来報知社」第1話・第51回

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>>第50回
(はじめから読む)<<第1回
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「は? 映画撮影?」
「言わなかったっけ?」
 書類の山から顔を上げた笑美に、狸の信楽焼きを磨きながら答える東谷。
「っていうより、その狸、どこにあったんですか……」
「アカシの撮影の時に、説明しなかったっけ?」
「聞いてません。アカシの撮影の時だって『街の案内してね』って言われてい

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「過去未来報知社」第1話・第50回

「過去未来報知社」第1話・第50回

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>>第49回
(はじめから読む)<<第1回
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「なんであたしがここにいるかって?
 んー、なんとなく、かな」
 三宅はカシカシと耳の後を掻きながら言った。
「大体、みんなそんなもんじゃないの?
 ふらふらしてて、どっかに落ち着く」
「まあ、そうですね」
 田中はえへへ、と笑いながらマイクを突きつける。
「でも、なんか、あるんじゃ

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「過去未来報知社」第1話・第49回

「過去未来報知社」第1話・第49回

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>>第48回
(はじめから読む)<<第1回
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「もう、信じませんからね」
 三隠居の顔を見るなり、笑美は書類の上から叫んだ。
「まだ、何も言ってないわいな」
「若いのに、すっかり疑い深くなって」
「嘆かわしいねぇ」
「誰のせいですか」
 三人は揃って茶を啜る。
「ただ、世間話しにきただけだって」
「役場はお達者クラブじゃありませ

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「過去未来報知社」第1話・第48回

「過去未来報知社」第1話・第48回

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>>第47回
(はじめから読む)<<第1回
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 ぶるっと寒気がして、アカシは身を震わせた。
「どうしたの、アカシ。風邪?」
 横で記事チェックをしていたマネージャーが顔を上げる。
「やめてよ~。大事な時期に。
 病気とかなったら、洒落すまないスケジュールだからね」
「そういうとこ、調整するのがマネージャーの仕事じゃないのかよ」

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「過去未来報知社」第1話・第47回

「過去未来報知社」第1話・第47回

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>>第46回
(はじめから読む)
<<第1回
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「おっかしいなぁ」
 男はモニターを見つめながら、被ったキャップをとって頭を撫でた。
 つるり、としたスキンヘッドが光る。
 帽子を被っていると少年のようだが、こうなるといきなり年齢があがる。
 笑美に強引に六合荘の撮影を迫った男性スタッフ。名前を「田中」という。
 ブラックアウトし

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「過去未来報知社」第1話・第46回

「過去未来報知社」第1話・第46回

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>>第45回
(はじめから読む)<<第1回
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 殆ど欠けた月が空の真ん中で輝いている。
 公園のブランコに座り、慶太はコートの襟を立てた。
 慶太の膝の上で、黒ゴマ灰猫がニャアと鳴く。
「この目で見るまでは信じられなかったが、
 本当に……なんだなぁ」
 呟いた口から、白い息が空に昇っていく。
 喉を撫でられた黒ゴマ灰猫が、ゴロ

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「過去未来報知社」第1話・第45回

「過去未来報知社」第1話・第45回

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>>第44回
(はじめから読む)<<第1回
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「残念だな~、私の美貌が全国に放たれると思ったのに~」
 夕飯の秋刀魚をつつきながら、三宅は口を尖らせた。
 ちなみに、本来のメニューは塩焼きなのだが
「魚本来の味を楽しみたい」
 と三宅は素焼きを食べている。
「えみみんんだって、出たかったでしょ?」
「TVになんか映りたくありませ

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「過去未来報知社」第1話・第44回

「過去未来報知社」第1話・第44回

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>>第43回
(はじめから読む)<<第1回
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 結局「ぶらり諸国漫遊・商店街の旅!」に六合荘は写っていなかった。
 あれだけ面倒かけておいてなんだ、と笑美は思ったが、
 東谷は「そんなもんだよ」と笑っていた。
 画面の中で明るく、爽やかにレポートをしているアカシは、
 実際に見たアカシよりもキラキラと輝き、非日

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「過去未来報知社」第1話・第42回

「過去未来報知社」第1話・第42回

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>>第41回
(はじめから読む)<<第1回
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 大家の騒動は、大体笑美の想像内だった。
「やだやだやだやだ!」
 鏡の間の奥。味わいのある風情で立っている天然木の柱にしがみつくと
 大家は外聞もなく叫び続けた。
「TVなんて、絶対にごめんだからな!
 大体、お前が勝手に連れてきたんだから、お前が相手をすればいいだろ」
「だって、

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「過去未来報知社」第1話・第43回

「過去未来報知社」第1話・第43回

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>>第42回
(はじめから読む)<<第1回
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 結局、スタッフとのやりとりは全て笑美が行った。 
 大家は顔は出したものの、例の真っ黒なサングラス越しにちらり、と
 彼らを見るだけで、決して目線をあわせようとしない。
 その様子に薄気味悪さを感じたのか、スタッフもあまり声をかけようとしない。
 唯一例外はあのお調子者の少年のよう

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「過去未来報知社」第1話・第41回

「過去未来報知社」第1話・第41回

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>>第40回
(はじめから読む)
<<第1回
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 わらわらとスタッフが集まっている商店街の隅に笑美は駆け寄った。
 画面上はアイドルが一人でふらついているように見えるが、
 その裏ではこれほど多くの人が動いているのか、と笑美は少し驚く。
「今日はご協力いただき、ありがとうございます!」
 キャップを逆に被った男性スタッフがぺこり

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「過去未来報知社」第1話・第40回

「過去未来報知社」第1話・第40回

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>>第39回
(はじめから読む)<<第1回
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「はい! 今日はここ、六合街からお送りしております。
 ぶらり諸国漫遊・商店街の旅!」
「……なんか色々混ざってる気がする」
 六合役場の腕章を腕につけ、笑美はぼそっと呟いた。
「いや~、よく呼んでくれたよ、お役所も!
 やる時はやってくれるね!」
 笑美の横で満面の笑みを浮かべてい

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「過去未来報知社」第1話・第39回

「過去未来報知社」第1話・第39回

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>>第38回
(はじめから読む)<<第1回
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 雀の鳴き声がする。
 むっくりと半身を上げ、笑美は辺りを見渡した。
 見覚えのある間取りだが、なんだか広々しているように感じる。
 それもそのはずで、四畳半の部屋には家具らしいものが何一つなかった。
 部屋の中央にぽつん、と置かれた布団に笑美は寝かされていた。
「ここって……」
 

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