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ユニバーサルな世の中に

今朝、こんな記事を見つけました。東京パラリンピックを迎えるにあたり、日本もこういう感覚がもっと当たり前になってくれればいいなと思い、今回はバリアフリー事情について触れてみます。もちろん車いすテニスも、宿泊施設なくしては成り立たないので読んでいただければ幸いです。

我が家も夫が脊髄損傷で下肢全廃。要するに、全く歩くことも立つこともできないので車いすを利用しています。宿泊施設を探すときは、もちろんバリアフリールームを探すのですが、これが本当に大変。なぜかというと、どのホテルも、バリアフリールームは1部屋くらいしかないからです。稀に複数用意してあるホテルもありますが、そういうところは本当に限られています。たまにあっても「部屋が広い」というだけで、金額がすごく高くなる場合もあります。ゴージャスじゃなくていい、ビジネスホテルのようなただ普通のバリアフリールームを提供してほしいだけなのに。

ホテルにバリアフリールームが1〜2部屋しか用意されないのは、車いす利用者は「そんなにたくさんいない」とう前提があるからでしょう。では、車いすの競技の大会がある場合、宿泊施設はどう対応するのか。

夫は車いすテニスの大会に出ていたこともあり、私も一緒に大会を見に行っていました。大会のオフィシャルホテルは、たくさんの車いすテニスの選手たちに宿泊場所を提供しなければならなくなります。そういう場合にどうするか。バリアフリーではない、一般の客室を少し工夫して車いすユーザーに提供します。トイレ、浴室への動線に段差がなければ、なんとか一般客室でも車いすで利用できる場合もあるのです。といっても、そうしたホテルも限りがあります。いちばんの理想は、最初に挙げたニュースにあるような、全室バリアフリー対応の部屋になってくれることです。

車いす利用者は、駐車場でも困ることが多いのです。車いす用の駐車場の幅が広いのには理由があります。車いす利用者が車の乗り降りをするとき、車の扉を全開にして、座席に車いすを横付けしなくては乗り降りできないからです。でも、車いす用の駐車場を「多目的」とか「ハートフル」というような名称で、歩けるけれども足の不自由な方、妊婦さんなどに広く解放していることも増えてきました。それももちろん必要でしょう。それなら、駐車できる車の台数が多少少なくなってでも、全ての駐車スペースを車いす利用者が使えるくらい広くしてもいいんじゃないかと思うのです。

全ての人が利用しやすいように世の中のものを変えていく。バリアフリーではなく「ユニバーサル」という考え方が、2020年の東京パラリンピックを機にますます浸透していくといいなと思っています。

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