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子供に自己肯定感を持たせるには

娘の小学校の校長が、よく「子供たちに自己肯定感を持ってほしい」と言う。息子も3年生のときから卒業まで同じ校長の元で過ごしてきた。
すごくエネルギッシュな女性の方で、リーダーシップもあるような感じがする。そしていわゆる体育会系らしい。
おそらく、ご本人が苦手なことを克服してきたりと、成功体験をお持ちなんだろうなと思う。だから、そういう気持ちを子供たちにも体験してほしいと思っているみたい。

そのことは、悪いことではないし、とてもいいと思う。
だけど、と、私は思ってしまう。

夫もよく子供たちに「できないと思ったらできない! できると思えばできる!」みたいなことを言うんだけど、そんなことないと思う。

校長の言う「自己肯定感」って、「できる自分は素晴らしい!」「こんなことができたから、自分を肯定できるようになる!」ということのようで、私はそれに違和感を覚える。

子供たちには、「校長先生の言ってる自己肯定感って、『できるようになったら自分を認めてあげられる』っていうことみたいだけど、お母さんはそれは本当の『自己肯定感』じゃないと思う」と話していた。
「だれでも、人よりも得意なこともあれば苦手なこともある。頑張ったらできることもあるけど、どんなに頑張ってもできないことはある。だけど、『〇〇が苦手』『練習しても〇〇ができるようにならない』、そういう自分も認められるのが、本当の『自己肯定感』だと、お母さんは思うよ」と。

息子は、ずっとずっと水泳が苦手で夏休みの水泳も1度も行かなかったこともあった。3年生くらいまでは、浮くことすらできない感じで、でも、イヤならそれでもしょうがないと思っていた。
学校で教えてもらえないから、短期の水泳教室にときどき通ってはいたけど、学校の検定ではずっと下から2番目止まりだった。
どんな泳ぎ方でもいいから25メートル泳ぐというのだけは、どうにかクリアしたいと思い始めたのが5年生くらい。
そして、6年生になって、なんとかして25メートル泳ぎたい! と本人が思うようになった。
体も学年でいちばん小さいし、体力も脚力もない、そんな息子が6年生の夏休みに水泳の補習に毎日出席して、そして、ついに25メートル泳げるようになった。

あんなにイヤで逃げて回っていた水泳で泳げるようになったことは、息子にとってとてもいい経験になったと思う。それこそ自己肯定感をはっきりと自覚したと思う。
苦手を努力して克服することは、とても素敵で素晴らしいと思う。だけど、じゃあ、水泳から逃げ回っていた息子はダメだったかっていったら、そんなことはないと思う。
「僕は水泳が苦手だ。嫌い。やりたくない」っていう、頑張れない自分も認めてあげていいんだと、私は思っている。そういう自分を認識することは、いつか「やっぱり克服しようかな」という気持ちにつながっていくんだと思う。
校長ももしかしたら私と同じ考えなのかもしれないけど、「頑張ろう!」「なんでもできるようになろう!!」のところだけが、強調されて聞こえてくるんだよねー。

でも、特に中学1年になった息子は、運動神経もないし、勉強もそんなに特別できるほうでもないのに、なんでも自信持っていろいろやりたがるの、自己肯定感させすぎたかなあって、ちょっと不安にもなってる今日この頃。
娘も「私って、すごいかわいいよねー!」って鏡見て言ってるのもちょっと不安。


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