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6年ぶりに刷新、スタディプラスが新バリューでユニークさより普遍性のある言葉を追求した理由

スタディプラスは「学ぶ喜びをすべての人へ」をミッションに掲げ、学習管理アプリ「Studyplus」・若年層向けマーケティングソリューション「Studyplus Ads」・教育機関向けコミュニケーションプラットフォーム「Studyplus for School」の提供を通して、学習者やその環境が抱える本質的な課題解決に取り組んでいます。

昨今の教育業界の変化に対応し、学習者を中心としたより多くのステークホルダーに価値を届け続けるために、このたび新しいパーパスとバリューを策定したことを発表しました。
こちらの記事では、6年ぶりに刷新することとなったバリューについてお伝えします。


新しい5つのバリュー

バリューリニューアルの経緯や背景について、代表取締役廣瀬のインタビューを通じてご紹介いたします。

廣瀬 高志(ひろせ たかし)代表取締役
1987年生まれ。私立桐朋高校卒業。2010年、慶應義塾大学法学部在学中にスタディプラス株式会社を創業、代表取締役に就任。

バリュー刷新の理由となった社内の課題とは?

ー まずは、バリューを刷新することになった理由を教えてください。

廣瀬:旧バリューは2018年に作ったもので、「Dive to Learn(学習者のためにやろう)」「Fail Forward(どんどん失敗しよう)」「Far Together(違いに寛容であろう)」という三つを掲げていました。
刷新のきっかけは、社内で「“当事者意識”が大事だよね」という話をする機会が増えていたことでした。スタディプラスで働く以上、全ての社員には自ら能動的に考えて行動することを求めたいと思っているのですが、各事業部から「少し受け身の姿勢を感じることが多い」という話を聞くことが最近よくありました。
三つの旧バリューを改めて確認した時に、その “当事者意識”について表現できていないことに気付いたので、ぜひ要素として取り入れたいと思ったのが大きな理由の一つです。

ー 社員が“当事者意識” を持つことを重視したい理由を詳しく教えてください。

廣瀬:“当事者意識”の言葉を置き換えると、“リーダーシップ”や“主体性”とも言えます。
主体的に考えて率先して行動する仕事と、言われたことを受け身でやる仕事とでは、価値がかなり変わると思うんですよね。主体的に仕事をすることは良い仕事をするために必要なことだと思いますし、自分で考えながら動くことは多くの学びにも繋がります。結果として仕事が楽しくなるし、成長スピードも速くなると思います。
スタディプラスで働くみんなには、楽しく熱中して仕事をしてほしいと思っているので、必然的に“当事者意識”を持つことを大切にして欲しいと思いました。

ー 他にもバリューを作り変えることになった理由はありますか?

廣瀬:言葉がちょっと分かりにくいというのも大きな理由でした。一つのバリューに対して二つの意味が込められていたり、日常の仕事の中で意識しづらかったりといったことも課題に感じていたので、もっと使い勝手がいいものにしたいなと思っていました。

行動を促すために、ユニークさよりも普遍性のある言葉で新バリューを定義

ー 旧バリューを分かりやすさの観点で見直しつつ、“当事者意識”のエッセンスを取り込みながらワーディングを整理されたと思います。5つの新バリューに込めた想いや意図を教えてください。

廣瀬:まず旧バリューの「Dive to Learn(学習者のためにやろう)」には、二つの意味がありました。一つは、ユーザーである学習者のことを一番大事に考えて仕事をしようというスタンス。もう一つは、僕たち自身もユーザーであり学習者であるので、自らが学び、変化し、成長し続けることを大事にしようというスタンスです。
この二つの要素を、「学習者を第一に」「学び変化する」と二つに分解して新バリューにしました。

ー “当事者意識” の要素は主にどの部分に盛り組みましたか?

廣瀬:「理想を描く」というバリューに昇華しました。説明文にも “当事者意識” という言葉を入れたんですが、「理想を描く」ということは “当事者意識” を持つことであり、“リーダーシップ”を持つことであると言ってもいいと思っています。
説明文に「創造と変革は理想を描くことから始まる」と入れたんですが、僕たちのようなベンチャー・スタートアップ企業が社会にイノベーションを起こすためには、たくさんの挑戦が必要で、成功するまでの過程で失敗することもたくさんあると思うんですよね。旧バリューでも「Fail Forward(どんどん失敗しよう)」にそのメッセージは込められていました。
ただ、そもそもイノベーションを起こすことの原点は「理想を描く」ことであると思っていて、その重要性を表現できたバリューだと感じています。

また理想を描いた上で、どれだけのスピードで、どれだけの決定度合いで進んでいけるかというところも大事だと思っています。何をやるかよりも、どこまでやるのかというところに人間の個性や実力が現れると思っていて、高い強度で実行する重要性を「とことん実行する」と表現しました。

ー 「組織に良い影響を与える」については、どのような想いが込められていますか?

廣瀬:当たり前のことですが、会社に所属して働くということは一人で働くということではなくて、一人ではできないことにチームで取り組むということだと思うんですよね。
特に意識せず働いてるだけでも、一人ひとりは直接的・間接的に組織やチームになんらかの影響を与えてると思います。だからこそ、チームのアウトプットを最大化するような、良い影響を与えられる人はすごく価値が高いと思うし、みんなそのように行動してほしいという想いを「組織に良い影響を与える」に込めました。

ー 廣瀬さんの中で一連のワードを言語化していく過程で、意識したポイントがあれば教えてください。

廣瀬:英語でバリューを作る会社が結構多いと思うんですが、今回は全部を日本語にしたんですよね。
言葉の意味の伝わりやすさを考えたときに日本語の方がより伝わると思いましたし、社員が行動に落とし込みやすいように説明文も合わせて用意しました。
当社の旧バリューもそうでしたが、バリューは組織のオリジナリティが現れるようにユニークなワードで作ろうとする会社が結構多いのかなと思います。
ただ、行動を促すという観点で考えていくうちに、ユニークな言葉にこだわるのではなく、平易な言葉・普遍性のある言葉を使うことが必要だという結論に至りました。

ー普遍性のある言葉を求めた一方で、スタディプラスのオリジナリティが出ている部分はありますか?

廣瀬:五つの組み合わせにオリジナリティが出たと感じていますね。
「学習者を第一に」はユニークだとは思いますが、基本的にどの会社で働くとしても持っていた方が良い価値観だと思います。
あえてこの五つを選んだことと、その組み合わせ方に、当社としてのユニークネスが宿ったと感じています。

スタディプラスの根幹にある教育観が現れた「学習者を第一に」

ー最終的に新バリューが決まるまでに、廣瀬さんの原案を元にした役員合宿(常勤役員会メンバーが集まって終日集中的に議論する合宿)・組織開発合宿(役員・マネジメント層が集まって終日集中的に議論する合宿)での議論を経たと思います。その過程を踏んで良かったことはありますか?

廣瀬:最初僕は8つのバリューを素案で作っていたんですが、それを元に「やっぱりこの要素は大事だよね」とか「この辺りをもっとこうしたほうがいいよね」と議論を重ねていき、最終的にはかなり変わったんですよね。一人で作ったというより、みんなでダイナミックなプロセスで作ることができたのがすごく良かったと思っています。

また、今回の新バリューは図のようにPDCAの考え方に近い形で相関関係の整理ができました。

はじめからこのアウトプットを目指した訳ではなくて、話し合いのプロセスの中での気付きからこの図が生まれたのも良かったことです。

ー 「学習者を第一に」が新バリューの中心に置かれています。

廣瀬:「学習者を第一に」はバリューであると共に、ミッション「学ぶ喜びをすべての人へ」にもかなり近い、会社の理念・目指す方向性でもあると思っています。
僕たちは「教育とはそもそも学習者のためにあるもので、学習者の課題を解決することである」という教育観に基づいて事業を展開していますし、この考え方の重要性も、議論の過程で改めて実感することができたポイントですね。

ーその後、周年イベント(毎年6月にオフィスで開催する全社会)で全社員に発表して、新バリューをテーマにしたグループワークを実施しました。そこでの感想はいかがですか?

廣瀬:リアルに集まったイベントで発表したことで全体的な理解を深めてもらえたと思いますし、総じてポジティブな反応だったと感じています。分かりやすさ、使いやすさもそうだし、納得感も持ってもらえたのかなと思いました。

当社はオフィス出社とリモートワークを組み合わせたハイブリッド型の働き方で、Slackを通じたオンラインコミュニケーションが多いんですが、社内発表と同時にSlackのスタンプも準備しました。

旧バリューより活用されている印象がありますし、同じタイミングで同僚に感謝の気持ちとともにピアボーナスを送ることができるUniposを導入したのですが、そこでもハッシュタグとして使われているのをよく目にします。今後も会社全体でどんどん活用できるようにしていきたいですね。

教育の変革にチャレンジするからこそ大事にしたい「理想を描く」

ー 今後、新バリューをきっかけに進めていきたいことがあれば教えてください。

廣瀬:直近では目標設定や評価に組み込んでいく予定なので、まずはそれが楽しみですね。
新バリューは社内のキャリアラダーにも落とし込んでおりまして、社員の等級ごとに求めるレベルも設定しています。全社員が新バリューを意識しながら取り組んでいけるようにしていきたいと思っています。

ー 最後に、新バリューに関してメッセージがあればお願いします。

廣瀬:新バリューに盛り込んだ「理想を描く」は、個人的には求めること自体がとても高度だと思っています。会社によっては、全社員ではなくて役員やマネジメント層に求めることかなと思うんですよね。ただ、僕としてはここを全社員に求めたい。

「自分はこうしたい」と考えて、考えるだけではなくて言語化したり絵にしたりして発信し、他者を巻き込みながら、リーダーシップを持って進んでいくことが「理想を描く」ことです。
スタディプラスはベンチャー・スタートアップ企業として、教育を変革していくことににチャレンジしていく立場にあるからこそ、このバリューが必要でした。

創造や変革を生み出すことにモチベーションを持った方に、新バリューに込めた想いがぜひ届いてほしいと思いますし、ピンとくる方にはぜひスタディプラスにジョインして欲しいですね。

終わりに

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今後も定期的に更新してまいりますので、ぜひご覧ください。

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