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個別株投資のすすめ

 私は,米国の個別株投資を薦めています。なぜなら,米国株投資を実践することにより,大きな利点が三つあるからです。

米国株投資の利点


メリット① 資産形成のため


 昔は,早死にするリスクがありました。今は,長生きするリスクがあります。つまり,仕事をリタイアした後,老後の生活を維持するための資金が必要になったのです。その上,経済的に低迷している昨今の日本社会において,収入を増加させることは容易ではありません。つまり,稼いだ資金を効率的に増やす必要があるのです。
 利率の低い銀行預金は,資金を塩漬けするのと同等です。むしろ,インフレによって価値が目減りする可能性があります。指数(S&P500など)やETF(VTIやVOOなど)に投資しても構いませんが,年率9%~10%成長してきた米国経済は今後低迷を余儀なくされ,せいぜい4%~5%でありましょう。新興国(インドやブラジルなど)やフロンティアマーケット(ベトナムやナイジェリアなど)に投資しても構いませんが,GDP成長と株価が連動しない可能性があります。また,イベントリスク(予想外の危機:政変や通貨危機など)もあることから,私は手を出さない方がいいと考えています。
 ならば,どうすれば効率的に資産形成できるのでしょうか?それは,成長産業のリーダー銘柄に投資することです。市場規模が確実に拡大する産業の中で最も優位性のある企業(ウォーレン・バフェットのいう「経済的な堀」をもつ組織)に投資し,その企業のオーナー(株主)になること。これが,最も効率的で確実な資産形成だと思われます。

メリット② 世界経済の理解


 個別株投資は,資産が増えるだけではありません。世界情勢を読む力を身につけることもできます。少なからぬ資金を投資した場合,当然の如く,その企業の動向が気になります。故に,企業業績を分析するため,決算書に興味を持つはずです。つまり,自然と会計知識が身につきます。また,株価は金利に左右されますので,10年債金利やFRBの金融政策にも関心が向きます。また,グローバル企業に投資した場合,為替の影響を受けますので,為替レートにも目を向けるようになるでしょう。
 さらに,様々な指標も気になるはずです。FRBの使命は「完全雇用」と「インフレ退治」にありますので,FRBの政策を知るためには雇用統計や物価水準(CPIやPCE)を知る必要があります。また,今や世界経済は一体となっておりますので,諸外国の動向チェックも必須となります。中東の原油生産量によって,エネルギー価格が変動します。中国経済の動向により,サプライチェーン(部品や商品の供給網)が左右されます。ロシア・ウクライナ情勢は,ヨーロッパ経済に影響を与え,ひいては世界経済の運命を左右します。半導体製造の要・台湾,資源大国であるインドネシア,中国に次ぐ製造拠点ベトナム,巨大な人口を有するインド,大きな経済力を持つ日本。単なる一労働者の視点から投資家の視点に立つ時,世界の様々な事件が興味の対象となるのです。

メリット③ 価値観の相対化


 このように,私たちの好奇心が刺激されることにより,常に新鮮な情報を得ようとアンテナを張り巡らすようになります。もはや新聞やテレビの情報は古く,YouTubeやブログを通して世界各国の最新情報を知る必要があります。そして,世界各国に散在するyoutuberやブロガーを通して,様々な価値観を学ぶことができます。私も多くのyoutuberやブロガーをフォローしていますが,彼らは欧米・中東やアジア・南米など,様々な文化圏に属しています。そして,彼らの発信する異文化の特徴を通して,日本文化に浸っている自分を相対化できるのです。日本の企業文化について,教育観について,礼儀作法について,宗教性について,国家の政策について,外国文化の視点から客観視できるのです。そして,必然の結果として,日本社会について多くの疑問を持つようになります。
なぜ,日本経済には成長力がないのか?(個の責任や挑戦する気質がないからです)
なぜ,日本人は議論を避けたがるのか?(ディベート教育を受けないことにより,正しい衝突conflictができないからです)
 それだけではありません。外国文化を学ぶことにより,かえって日本文化を理解する糸口となります。つまり,日本文化の欠点だけでなく,その長所も認識できるようになるのです。つまり,この国の類まれな独自性を理解できるようになるのです。わが国の誇るべき文化や価値観を知り,唯一無二の独自性を理解すること。こういった認識が,ひいては自分のアイデンティティの自覚に繋がり,正しい矜持(きょうじ)に繋がっていくのです。

具体的な投資先


成長産業


 社会生態学者のドラッカーは言いました,「現代は第二産業革命の時代である」と。つまり,多くの成長産業が誕生し,世界を変革しようとしているのです。クラウドにより,情報が迅速かつ効率的に入手できるようになりました。EV市場の拡大や自動運転により,私たちの生活は一変するはずです。地球環境の問題から,石炭・石油などの化石燃料の依存から脱却し,太陽光や風力などクリーンエネルギーが主流になります。ブロックチェーンの登場により,金融革命のみならず,組織革命も起こるはずです。バイオテクノロジーにより,難病(癌や認知症など)の根治が可能となるでしょう。AR(拡張現実)やVR(仮想現実)の発達により,私たちの世界観は広がり,より自由でエキサイティングな社会が成就するかもしれません。AIの活用により,教育の概念そのものが変わるはずです。いずれにせよ,多くの成長産業が勃興するのです。

個別銘柄


 どうせ投資するならば,成長産業のリーダー企業に長期投資し,大きなリターンを狙うのが賢明でしょう。お薦めの個別銘柄を紹介しますので,興味のある方はご自身で調べ,自己責任の下,投資を検討してみてください。EV市場のトップランナーであるテスラ(TSLA)。クリーンエネルギーのリーダー企業であるエンフェーズ・エナジー(ENPH)。ブロックチェーン産業の雄ブロック(SQ)。新型コロナワクチンによって実力を証明したmRNA企業のモデルナ(MRNA)。これら全ての産業に必要な半導体を製造するエヌヴィディア(NVDA)や半導体製造装置のASMLホールディングス(ASML)。Eコマースのみならず,クラウド事業・物流・EV・ヘルスケアなど,あらゆる産業に触手を伸ばしつつあるアマゾン(AMZN)。企業や国家の安全保障を担うサイバーセキュリティの代表格クラウドストライク(CRWD)。データの収集・分析が重要になる時代,データの統合及び管理プラットフォームを提供するスノーフレーク(SNOW)。
 老婆心ながら一言。もし確実な成長を求めるのならば,アマゾンがいいかもしれません。また,ある程度のボラティリティ(株価の変動)を許容できるのなら,高成長が予想されるテスラが最適解でしょう。
 

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