『サザエさん のバンガロー』のように激しく揺れて

こんにちは。
「究極の塾経営突破術」
「究塾」の石原です。

学校訪問を終え、私たちは暗澹たる気
持ちでした。

『まずいなぁ』と話し合いながら…

教室へのかえりみちを急ぎました。

途中、時間が気になったので教室に電

話を入れ、授業には間に合うことを伝

えようとしました…

受付の事務の方が電話に出て、その生

徒さんが今教室で私たちを待っている

と告げました。

『代わりますね！』とやや弾んだトー

ンでした。

携帯で車の後部座席から彼女と話すこ

とができました。

『三者面談がさっき終わってん。直接

塾に来た。先生、通知簿45やった！』

『オール5！？』

同乗していた講師３人が絶叫しました。

私は、涙が止まりませんでした。

力が抜けました。

そして、講師達と『スゴイ、スゴイ！』

と繰り返しました。

きっと、外から見ると車は『サザエさん

のバンガロー』のように激しく揺れて

いたと思います(笑)

10年近く塾の仕事をしてきましたが1

学期から通知簿が10上がったのは初

めての体験でした。

その後も決してなかったと思います。

1つ年上の姉と入れ替わりで中3の春

から教室に通うようになりました。

頑張り屋さんでしたが中2の学年末の

通知簿は35。

入塾時の第一志望は姉と同じ学校で、

その学校の推薦基準は36。

少し頑張れば志望校に合格できる位置

にいました。

ただ先に2年間塾に通っていた子供た

ちと比べると『勉強量』が不足していた

ようで、なかなか取りこぼしも多い様

子でした。

そんな入塾間もないころ、数学で少し

残してフォローしたことがありました。

帰りの駐輪場で彼女に聞かれました。

『先生。』

はい。

『立命館宇治って、通知簿どれぐらい

いるの？』

おっと。

そう来たか。

『まだ、発表になっていないけど40は

行かないかなと思うんやけどなぁ。』

彼女はこういいました。

『いけるんやったら…頑張ってみた

い。』

思わず、こう答えました。

『まずは…36を超えような！』

この年の入試の最大の話題は立命館宇

治高校の開校でした。

直後にも、札幌にも系列校をつくり、大

学への入り口戦略にいち早く着手して

いました。

以前も、私立女子高の系列化のうわさ

もあり、塾業界ではなかなか衝撃が走

りました。

系列大学への間口が広がり、子供たち

の選択肢が増えることはいいことでし

た。

2学期早々に正式な学校説明会が行わ

れ、推薦基準42と発表され驚嘆しまし

た。(数年後には40に変更されました)

『強気！』

いくら何でも、事情を知らなすぎる。

さすがに立命館といえども通知簿42の

中学生が400人以上志願するとは想像

できませんでした。

勝手に、直前に下方修正があると予測

していたぐらいでした。

1学期が終わった段階で彼女の通知簿

は38。

3アップ。

よく頑張ったとほめてやりました。

あと4つ。

どの教科を5にしていくのか…

担当と打ち合わせし、第2志望への変

更も視野に入れておく様共有しました。

2学期の中間テストの返却後にお母さ

まと面談しました。

『頑張りすぎるので、親から見ていて、

怖い』と心配されていました。

『少しセーブするよう説得してほし

い。』と…

その逆はよく聞きますけどね…

全くぶれない彼女の頑張り。

講師達も巻き込まれていくようでした。

本人からの熱心な質問に長時間付き合

ってあげていました。

そして、二学期の期末が終了。文句ない

点数でしたが果たして42まであと4上

がるのか安心はできませんでした。

それで、冒頭でした。

学校の入試担当に最後の話を聞きたい

のでアポイントを取ってほしいと主任

講師から申し出がありました。

志願状況の判明している頃ですので、

直前の状況を確認したかったようです。

正直、私は、悪い予感の方が強かったでた。

それを、現実が圧倒的に超えていきま

した。

今でも携帯で話した時の感情を忘れら

れません。

ほぼ一人でやっていた教室の『洛南二

番くん』の時とは充実感が違いました。

みんなで目標を追求する素晴らしさを

深く味合わせていただきました。

5年後にある病院の健診センターで看

護師をされているお母さまとばったり

再会しました。

寡黙なお母さんでしたが、

『皆さんのおかげで大学生として元気

に頑張っています』と照れなが下目使

いにおっしゃり、太い採血針を私の左

腕にさしました。

初めての説教①
https://note.com/studylabkyoto/n/n8c65e1391977

初めての説教②
https://note.com/studylabkyoto/n/n3e29c65ca710

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