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勉強に必要な3つの根本的考え方とは【東大理三に独学合格】

この世には受験勉強に関する様々な情報が飛び交っています。そこでは、色々な受験テクニックが載っています。

しかし、その根本的な考え方についてはあまり触れられていません。というよりか、ほとんどの人がそれを意識すらしていないのだと思います。大学受験を指導している側の人間であってもです。

この考え方がなくてもほとんどの人が大学受験を通っています。ということは、絶対的に必要なものではないのかもしれません。

しかし、独学で難関大学を目指すという場合、この考え方があると大きく変わってきます。自分で計画を立て、自分でそれをこなし、さらに短い期間で大学合格をしたいというのであれば読むことを強くおすすめします

もちろん、そうでなくても自分の勉強の仕方や勉強に対する考え方に不安がある場合は読んでみると新しい発見があると思います。

受験勉強以外の勉強にもつながる考え方なので、大学生や社会人の方であっても読んでもらえたら嬉しいです。


*私がどういう人間かというのを自己紹介で書いています。そちらを読んでいただいてから、この記事を読むかどうかの判断をしていただけたらと思います。
東大医学部医学科の学生の自己紹介【田舎の公立高校から独学で現役合格した方法についても語っています


この記事では3つの考え方について語っています。そして、それぞれに対して例を複数挙げ、どのように行動として体現していくのかについて書いています。


それでは本題に入っていきます。

まず、端的に3つの考え方を表現すると以下のようになります。

1. 取捨選択を徹底的に【ほとんどは捨ててよい】
2. ひねくれた評価をする【精神面はすべてこれ】
3. 自分で見つけだす【試行錯誤の重要性】

これらが勉強のときに意識するべきことの根本となっていると私は考えます。

独学して大学受験に臨むためには非常に多くのことを考えていく必要があります。その際、この3つの考え方をもとにして物事を判断していくと、的確な道筋が見つかるようになっています。

もちろん、このテーマを見ただけでは何を言っているのか全く分からないと思うので、1つずつ丁寧に解説していきたいと思います。


取捨選択を徹底的に【ほとんどは捨ててよい】

取捨選択というのは、大学受験だけでなく、色々なところに必要な考えとなってきます。しかしながら、人は不安感からか多くのものを「取」する選択を取ってしまいます。

そのため、ここでは「捨」の部分を中心に話していきたいと思います。


必要最低限の問題集を使用する

この世には溢れんばかりの問題集が存在します。色々な塾や出版社から、様々な人たちが書いた問題集が売られています。

なぜ、そのような状況が起きているか。それは簡単です。「売れるから」の一言に尽きます。

これほど多くの問題集がすでに売られているにも関わらず、さらに新しいものを作っても売れてしまうのです。

しかし、これだけある問題集の中でも実際に使うべきものはほんのわずかです。そのわずかを見極め、それらを適切な使い方をすることで、ようやく成績というのは上がっていくものです。

それでは、どうやって実際に使う問題集を見極めていくべきなのでしょうか。

この答えも簡単です。自分の現在地と目標地点を考え、それらを最短距離で埋めていけるような問題集を選んでいけばよいのです。

「そんなこと言われても」となってしまうのは当たり前のことです。こんな抽象的なことを言われても困ってしまいます。

そこで、もう少し詳しい具体例について考えていきましょう。「高校数学に触れたことがない」という現在地から「東大入試の数学で半分の点数が欲しい」という目標地点を目指すことを考えます。

まず、どのようなステップを踏んでいけば良いのでしょうか。私は次のように考えます。

1. 高校数学の公式を覚える
2. 公式を使えるようにする
3. 問題を解く練習を積む
4. 本番でどのような問題が出るのかを確認する
5. 自分が目標に達するのに欠けている部分を補う

これを確実に行いつつ、最低限の労力で済むような問題集選びをする必要があるわけです。

そしてこれを達成するために必要な問題集は3冊でよいと考えます。

1. 公式が書いてあり、その使い方を問題を通して学べる問題集 (青チャートなど)
2. 本番に近いレベルの問題が多めに載っている問題集 (1対1対応の演習など)
3. 過去問題集 (赤本など)

これら3つの問題集を次のように使っていくと5つのステップをすべて踏むことができます。

1. 青チャートの公式を説明するページで公式を覚える
2. 青チャートの例題を通して公式を使えるようにする
3. 1対1対応の演習で問題を解く練習を積む
4. 赤本を使って本番でどのような問題が出るのかを確認する
5. 赤本で解けなかった問題について自分に欠けている部分を確認し、青チャートや1対1対応の演習に戻ってそこを補う

このように、必要最低限の問題集を使って、すべてのステップを確実に踏んでいくことで、目標を達成することができるようになるわけです。

これだけで本当に目標に達することができるのかと疑った人に向けて言います。すべてのステップを踏みしめていくことでこれは達成することができるのです。色々な問題集をホップステップの要領で移って行ってはこの目標を達成するのは難しいです。

これはあくまで、「高校数学に触れたことがない」という現在地から「東大入試の数学で半分の点数が欲しい」という目標地点を目指す、ことについて考えています。読んでいるみなさんはそれぞれ自分の現在地と目標地点に置き換えて考えてください。


問題を解くことに必要な知識だけを取り入れていく

参考書を開いてみましょう。そこには様々な情報が載っているはずです。さて、その中で実際に問題を解くために必要な内容はどれくらいあるのでしょうか。

おそらく、本当に重要な知識というのはその中でもかなり少ないです。というのも参考書には、重要な部分を補うための補足説明、興味を誘うためにコラム、などがたくさん載っているものだからです。

では、参考書はどのように使うのが良いのでしょうか。基本的には3ステップだと考えています。

まず、明らかに重要だと示されている部分だけを参考書の中からピックアップして覚えていきましょう。重要単語や重要公式は太字で書かれていると思うので、それらをきちんと押さえていきます。明らかに重要な部分だけだったらそれほど多くないので、確実に理解できるようにしましょう。

次に、基礎的な問題集を解いていきます。この段階では解けなくても悲観する必要は全くないです。というのも、重要な知識だと参考書で示されている部分しか覚えていないのだから当たり前です。

ここで必要なのは、どの知識が欠けているから問題が解けていないのかというのを見つけ出すという作業です。基礎的な問題集というのは、知識を覚えているかどうかで解けるかどうかがほとんど決まります。そのため、解けていない場合は知識不足と考え、それらに必要な知識をピックアップしていきましょう。

最後に、参考書を見直して、問題集からピックアップした知識がどのように説明されているのかを確認しましょう。そして、それらの説明をきちんと理解するように努めます。

ここまで行うと、参考書の出番はほとんど終わりです。問題集を使って問題演習に入っていきましょう。これ以降は、気になる部分について参考書を見直すという使い方をすることになります。

この使い方をすると、参考書から必要な知識だけを取り出すことができます。参考書に書いてあることをすべて吸収するのは不可能です。必要最低限を見つけ出して吸収しましょう。

問題集を解いてから解説を読むときも必要な知識だけを取り入れることが大切です。

解説には、実際に解答する際の思考過程には必要でない周辺知識も多く載っています。やはりそれらも全部吸収しようとするとキャパオーバーになってしまいます。どの過程があれば自分でも解答を作り出せるのか、というところだけを意識するようにしましょう。


必要な情報だけを調査する

受験は情報戦だとも言われます。そのため、ネット上には受験に関する様々な情報が飛び交っているわけです。しかし、それらは本当に必要な情報なのでしょうか。

必要な情報について簡単に説明します。それは自分がその情報によって何か動く必要が出てくるかもしれない情報です。

必要な情報の例としては、本番の合格最低点の情報です。合格最低点を知らないと、自分の目標地点が定まらなくなってしまいます。公表されていなくても、ネット上では大体の数値が調べればわかるはずなので、自分の目標点数をきちんと定めるためにも調べておく必要があります。

必要のない情報の例としては、他の受験生の情報です。例えば、他の人が何時間勉強している、という情報があるとします。「東大に受かるために8時間の勉強を毎日しています」のような感じですね。これを見たところで、だからどうすればよいのか、という話になってきます。

他にも、他人の模試の点数などを見ても仕方がないのはわかるでしょうか。もちろん、自分が受けた模試の点数分布や順位を見ることは自分の目標の目安にはなりますが、わざわざネットで他人が公開する点数を見ることはあまり意味がありません。数人の模試の詳しい結果を見たところで、それは参考にならないわけです。

情報は自分の行動の変化に必要なものだけを選ぶ、それ以外は見る必要もない、ということを覚えておいてください。


ひねくれた評価をする【精神面はすべてこれ】

「ひねくれた評価」という書き方が正しいものかという感じはありますが、私が伝えたいメッセージは「悪い状況のときほど楽観的に、良い状況のときほど悲観的に」ということです。どういうことかを例を挙げて説明していきます。


勉強の進み具合を評価する

「今日は勉強が進まなかったから頑張らなければならない」と考えることはよくあることかもしれません。それはもちろん、遊びに出かけてしまったという場合はその考えはあっているかもしれませんが、机に向かっているのに勉強が進まなかったという場合は違う考え方をしたほうが良いかもしれません。

本当に必要な知識を頭に入れているときというのは進みが驚くほど遅くなるものです。1日かけて必死に英単語帳を頑張ったけど100単語くらいしか進められなかった、1つの数学の問題の解答を理解するだけで1時間以上かかった、というようなことはよくあることです。これらは確実に自分のためになった作業だと考えるべきです。

それに対して「今日は勉強が進んだな」と感じるときは危ないかもしれません。

自分にとって簡単な問題を解いていると、問題数は進むので勉強している気分にはなります。勉強計画を立てたり、まとめノートを作ったり、というような作業もスムーズに進むので、今日は頑張ったという気持ちになりやすいです。

こういう日には「これは必要な行動じゃないかもしれない」と悲観的に考えることが大事になってきます。無駄な行動をしている可能性があります。
自分の身のためになっているかというのを、勉強の進み具合だけではなく、もう少し落ち着いて他の目線からも考える習慣をつけてみましょう。


模試の結果を見て

模試の結果を見たとき「一喜一憂せずに復習をするのだ」というようなことを高校時代に言われました。私はその教えが守れなかったので、私のアドバイスはこうなります。「とりあえず一喜一憂してから、分析や復習をしよう」

私は分析することが大事だと思います。そして、その分析のときにもきちんとひねくれた評価をするべきです。

点数の低い教科というのは、どこができなかったかが明らかに反映されているものです。できない部分を見つけられたという考え方をしましょう。もちろん、その部分を徹底的に鍛えなおすことは必要になってきます。

それよりも大事なのが、点数の高い教科への対応です。「どういう幸運が舞い降りて自分は点数をとれてしまったのだろうか」と考え、運によって左右されかねない部分を探し出しましょう。

得意教科だと高を括って本番では点数が良くなかったという話は合格者の中でも非常によく聞きます。不合格者ではもっと多いでしょう。苦手教科の克服と得意教科の維持というのはバランスよく行って、総合点数を最大化することが大事になってきます。


勉強中と本番での精神論

本番で入試会場に入ります。周りには何十人もの受験生がいるでしょう。その中で実際に合格するのは何割かしかいないはずです。しかし「周りの人はみんな頭が良さそうで問題もスラスラ解ける気がする」というのが結構あるものなのです。

これは私も感じましたし、いまだに資格試験の会場に行くと「みんなちゃんと勉強してきてるんだろうなぁ」と感じます。

冷静に考えればそんなことないのにそう感じてしまうことについては、精神論で跳ねのけるしかありません。

「自分は有能な人間だから、周りのやつらよりも問題解けるぜ」「自分が解けない問題はみんな解けないに決まってるわ」くらいの気持ちで本番には臨みましょう。そういう気持ちを作れるように事前から心がけておきましょう。

自分に自信を持つと焦ることなく、最大限の力を出せます。リラックスすることは本当に大事なのです。

しかし、この精神論を勉強中も使ってしまうと、おそらく勉強しなくなってしまいますよね。勉強中は「私は努力で合格する人間だ」という気持ちで努力を重ねましょう。

そのため、本番では楽観的に、勉強中では悲観的に、という気持ちを作るのが大事です。


自分で見つけ出す【試行錯誤の重要性】

高校や塾でよく聞くのが「こういう生活習慣で、このくらいの勉強時間で、こうやって勉強すると良いです」みたいな文言です。しかし、これが自分に合っているかどうかはわからないのです。ある程度の試行錯誤というものが大事になってきます。

特に体調管理の面で言えることが多く、人によって体に合っている行動というのは大きく変わってきます。


リフレッシュの仕方

「勉強に疲れたら少し運動してリフレッシュしよう」みたいな話を聞いたことはありませんか。「勉強の合間にゲームをしてしまうのは良くない」とかもですね。

これは多くの人が実感していることかもしれませんが、それが本当に自分に当てはまるかどうかは全くの別問題なのです。

そういう情報の大半は、多くの人に当てはまる事柄を述べているにすぎません。8割の人に当てはまっている内容であれば、多数決で確実に勝つことができ、一般論として広まります。

これは科学的な根拠という話についても同じです。「統計を取った結果として多くの人にこういう方法が適していることがわかりました」というのが科学的な根拠というものです。これらを鵜呑みにしても自分にはダメな場合はダメなのです。

「運動が良いと聞いてやってみたが自分は体が疲れて勉強に集中できなかった」という場合は、自分でリフレッシュ方法を試行錯誤して生み出すべきです。その中でゲームをするのがリフレッシュになると自分で感じたのならば、一般論に反していようがそれを実行していくのが自分のためになるはずです。


睡眠時間と勉強時間

私が1番自分に合わないなと思った一般論が「睡眠時間は7時間がベスト」という話です。また、高校では「受験生は平日でも1日5時間は勉強しないとダメだ」という話もされました。

それを言われた私は結局、9時間睡眠、平日3時間勉強、に落ち着きました。これはどうにもこうにも従うことができなかったのです。

この睡眠時間と勉強時間も少し特殊な配分ではありました。学校から帰ってきた時点で疲れているので2時間睡眠をとり、夜ご飯を食べてお風呂に入って少しゆっくりして、3時間勉強してから7時間睡眠をとる、という感じです。休日も、学校の時間の部分を勉強に大体充てることで同じような生活をしていました。


すべては試行錯誤した結果です。最初は色々試してみました。7時間睡眠という教えをきちんと守ってみたり、5時間睡眠で1日の勉強時間を多く確保しようとしてみたり、夏休みには1時間半の睡眠を4回に分けて合計6時間にしてみたり、という感じです。

自分でやるからこそ自分に合ったものが見つかる。そんな実体験でした。


まとめ

色々と例を挙げてみましたが、これら以外の事例であってもこの3つの考えを基本として考えると良いと思います。結構汎用性の高い考え方だと思っています。

そして、この考え方をもとにすれば、大学に入ってから自分で勉強をしなければならない状況になっても通用していけるでしょう。私は今でもこの考え方をもとにして勉強に励んでいます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


最後にちょっとした宣伝をさせてください

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