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「苦手なことはやらない」はべつにかっこよくない

今日は以前から扱おうと思っていたテーマ、「苦手なことはやらない」という考え方について書いてみたいと思います。


最近よく、「得意を伸ばそう」「好きを仕事にしよう」みたいな言葉を聞く気がします。最近というか、結構前からかもしれないけど🤔

わたしはこれにはすごく賛成で、まんべんなく人並みにできるよりも、なにか突出して好きなものや得意なものがあるほうがいいと考えています。


ただ、得意を伸ばすということを正しく捉えている人はどれくらいいるのだろう、ということもときどき思います。

「苦手なことはやらない」

たまにこういうことを言う人がいます。苦手なことはやる必要がない、捨てていいのだと。わたしはこれにはあまり賛成ができません。


得意を伸ばすことと、苦手を捨てることは違います。


わたしの考え方は、「苦手を克服する努力はした上で、得意を伸ばすのが良い」です。最初から「苦手だから」という理由でやめてしまうのはただの逃げで、それをかっこよく言うために「苦手なことはやらないので」と言い放つのはあまりイケてないなぁ、と思うのです。

仕事においては、「自分は得意なことに注力して、苦手なことはそれを得意とする人にまかせる」というのはすごく大事なことです。ただ、それも最初から「あ、無理、苦手だからやらない」というのではなくて、はじめにひととおりはやってみてから人にまかせたほうがいいんじゃないかな…と思っています。

苦手だからといって食わず嫌いをしてしまうと、本当はおもしろいと思えたかもしれないものとすれ違ってしまったり、本来なら得ることができたかもしれない気づきや教訓を逃してしまったりします。

逆に、苦手でもある程度のところまでやってみると、「こんな感じなんだ」という土地勘のようなものをつけることができます。それをなにかに応用することもできるし、人にまかせるときの基準を作ることもできます。

たとえば確定申告をまったくやったことがない状態で税理士さんにお願いする場合、どんなに高い金額を提示されても「確定申告ってすごく大変らしいから、それくらいとられてもしかたないだろう」と思ってしまいますよね💭でも、一度でもかじったことがあれば、「かかる時間と手間はだいたいこんな感じだから、これくらいの報酬額が妥当だろう」という感覚をもつことができます。


「受験で使わない科目の授業を捨ててもいいですか?」というご質問を高校生のフォロワーさんからときどきいただくのですが、この質問に対するわたしの答えはNOです。

わたしは、高校は大学受験のために存在しているわけではないと思っています。学校で勉強することは基本的に、わたしたちの人生を豊かにするための内容です。高3の受験直前期ならともかく、早い段階で「受験に必要ないから」という理由である科目を捨てるというのは、わたしにはあまりにもったいなくて考えられない選択肢です

もちろん、科目をしぼって勉強して志望校に合格するというのは一つの立派な戦略だし、そのほうがもしかしたら合格の可能性は上がるかもしれません。だから完全に否定するつもりはまったくないのですが、でもわたしだったら受験に使わない科目を捨てるということは絶対にないな、と思っています。


社会人でも、「時間の無駄なので苦手なことはやりません」みたいな言い方をする人がいます。先ほどお話ししたように、「得意に注力して、苦手を人にまかせる」は大切だしかっこいいと思います。でもこれは「得意に注力すること」がかっこいいのであって、「苦手を捨てること」がかっこいいわけではありません。かっこよさだけで言ったら、苦手なものにも果敢に挑戦するほうが上だと思います🤔

東大入試というのは、苦手科目が一つでもあると圧倒的に不利になる仕組みになっています。文系でも二次試験まで数学があるし、理系でも二次試験まで国語があります。どれかの科目で突出して点数を稼ぐという方法はあまり有効ではなく、基本的にすべての科目でまんべんなく合格点をとれるように勉強するのがセオリーです。

東大の受験システムが素晴らしいんだ!とは思っていませんが(つらかった😥笑)、でも「苦手科目も足を引っ張らない程度まではがんばってみよう」と思える仕組みになっているのはいいことだったと思います。苦手なものをごりごりがんばることでしか得られない学びもあると思っているので。

実際、苦手だった数学を東大入試のために克服したことも、適性のない営業の仕事を修行としてがんばったことも、大嫌いなSNSを情報発信のためにやりつづけていることも、「苦手だけどがんばってよかった」と思えています。

ということで、「苦手なことはやらない」という考え方についてわたしが思っていることでした!

くり返しになりますが、得意をのばすことや、苦手を上手に人にまかせることは大切です。ただ、初見で「苦手!やりません!」と言うのではなく、ひととおり味見してから考えるようにしたほうが視野が広がるんじゃないかな、というのがわたしの伝えたかったことです◎

学校で勉強することや、仕事で「なんでこんなこと自分がやらなきゃいけないの!」と思うことも、回りまわってどこかでちゃんと役に立つので、ぜひ食わず嫌いをせず試しにチャレンジしてみてほしいなと思います。


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