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自分には”個性”がないと思っている人へ

「冬の夜の雨を聞くのが好きですが、雨の音を聞いても、はじめはさほど感じない。それを何度もじっと聞いておりますと、雨を聞くことのよさがわかってくる。」  by良寛


個性”とはなんでしょう。自我が強いということでしょうか、奇抜なアイデアを出せることでしょうか。そうではありません。個性というものは、もっと深いところから来るものなのです。

個性は、本来その土地その土地で自然にできてくるものです。環境を生かし、物を生かす。そのことを忘れて、自分が考えたことや、自分が作り出そうという方だけを前面に出そうとすると、ものの本当のよさがわからなくなります。

だから、「自分は自我が強くないから個性がなく、芸術作品などを作ることはできない」などとは思わなくていいんです。自分を形成している、もっと大きな何かを感じ取ってください。

2018年公開、黒木華さん主演、樹木希林さん共演の「日日是好日」(にちにちこれこうじつ)という映画がありました。初めはあまり乗り気ではない主人公が、勧められて茶道のお稽古に通うようになり、ゆっくり長い時間をかけて自分と向き合う、というストーリーです。まさに良寛の言葉のように雨の音を聞いたり、掛け軸の文字をじっくり眺めたり、すぐにはわからないことに、繰り返すことで少しずつ気づいていきます。大好きな映画でおすすめです。

「毎日忙しくて、自分と向き合う時間なんてないよー」「お茶も習字も、自分の趣味じゃない」という方も、大丈夫です。特別なことでなくても、ほんの少しの時間でも、まずは深呼吸。一歩立ち止まって、””に集中するんです。そして、本当の自分に出会う。

以前、知人に「山のお寺に数週間か数ヶ月こもってみたい。」と言った人がいましたが、そういうことではありません。場所や雰囲気も良いに越したことはありませんが、自分の内側に目を向けるのには特には必要がないんです。山のお寺にこもるのも、それはそれで楽しそうですけどね笑

やっているうちに楽しくなっちゃう何かを見つけるのもいいかもしれませんね。今のライフスタイルに合ったもの、またはライフスタイルをそちらに寄せていくのもありです。現代社会の、”速い”と”遅い”を使い分けて、他人の評価だけではない、自分だけの個性をぜひ探究し、磨いてください。






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