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フライの距離とHRの関係 @ Fenway Park

 前回はCoors Fieldでのフライの距離とHRの関係を集計しました。

 今回は、同様の集計をFenway Parkでやってみようと思います。Fenway Parkの特徴については、Baseball Savantの以下のリンクより見ることができます。

 Fenway Parkといえば、レフト側にグリーンモンスターと呼ばれる高いフェンスがあることで知られています。球場の形状としてレフト側が狭いことを補うためにせっちされているわけですが、これがどのように影響してくるかを確認していきます。

打球の方向とHR

  まずは前回同様、2021年のMLB全体の打球の距離とHRの関係を、3方向(Left・Center・Right)でそれぞれ集計したデータを以下の図1-1から図1-3に示します。

 

 棒グラフの部分が距離10ごとの各種結果で、折れ線はアウト率を表しています。打球の方向はフェアグラウンドを三等分したものです。集計したのはフライと判定された打球で、距離が長くなるほどHRになりやすくなります。
 
 図を比較すると、Centerは両サイドよりもHRになるための距離が長くなっています。

Fenway Park打球の距離とHR

 Fenway Parkのデータを集計した結果を以下の図2-1から図2-3に示します。


 

 これらのMLBとFenway ParkのデータからBarrelに分類されたフライを対象に、打球の距離とHRの割合を以下の図3に示します。 

 黄色の線がMLBで赤の線がFenway Parkのデータになります。

 左側のレフトのデータでは、距離が300代後半でMLBと比較してFenway ParkのHRになる確率が低い所があります。これがグリーンモンスターの効果といえるでしょうか。これが400近くになると、MLBよりもHRになる確率が高く、グリーンモンスターを超える距離といえそうです。
 
 一方、ライト側では同じ距離でもHRになる確率はFenway Parkのほうが低く、左打者から見てもHRを打つ難しさのある球場といえるかもしれません。
 
 

打球の距離の分布

  全フライを対象に、距離ごとの内訳の分布を作成してみました。以下の図4にデータを示します。


  実際の分布は破線で表しています。ギザギザで安定していないので、移動平均を実線で表しています。
 
 MLBとFenway Parkを比較すると、前回Coors Fieldの分布を見た際には違いがありましたが、Fenway Parkではそれほど違いはなさそうです。

まとめ

 以上、Fenway Parkの特徴を確認しました。グリーンモンスターの特徴がそこはかとなく見れたような気がするデータでした。グリーンモンスターを超える打球の角度と速度を他の球場と比べても面白いかもしれないですね。この辺は後々の分析で。

タイトル画像:いらすとや




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