猫と暮らす その48 ニューアクション

彼は彼なりに努力している。
不器用は不器用なりに表現しているのだ。

彼とは我が家の内弁慶ムッシュのことだ。

マダムは自身の要求を通すためにどうすれば効果的かよく把握している。それに引き換えムッシュはどうしていいかわからないといった感じなのだ。
唯一彼が講じ得る手段がとにかく「鳴く」だった。

餌がほしいときも、遊んで欲しいときも、撫でて欲しいときも
とにかく「ニャー」。大きい鳴き声から小さくささやく様な声、ねちっこいのから可愛らしいものまで色々なバリエーションの「ニャー」を駆使していた。(わたしは違いによる意図を汲み取れなかったけど)

しかし、なでられることを覚えてからというもの、「ニャー」以外にすり寄るというアクションをゲットしたようだ。

なでて欲しいときはニンゲンの手のそばを通り、軽くどこかが触れるように通過していく。あくまでさり気なく控え目に。
そして狙い通り触ってもらえるとなでてもらうために頭を差し出したり、複数回手のそばを通過してお尻を高く上げる様になった。

体の小さなマダムの擦り寄りはゴツゴツぶつかってくるのに対して、ガッチリしたムッシュは気づくか気づかないかくらいのサラッとしたソフトタッチ。

体格の割に繊細だな。

ニンゲンにビビっていたムッシュが、近づき・すり寄ってきてくれる状況まで来た。1年かけて彼は随分歩み寄る努力(なのかは定かではないけど)をしてくれているのだなぁと思うと可愛くて仕方がない。

不器用でさりげない彼のアピールを見逃さない様ちゃんと見守っていこう。

2018.5生まれの2匹の猫ズとの生活の出来事、おもひで。 ハチワレのオス ムッシュ キジ白のメス マダム はじめての猫、はじめての多頭飼い。手探りの共同生活で気づいたことや思い出のログとして、駄文を書き留めています。