あゆ@院進準備中

大学4年生 / より深く人間社会を理解するため経済学を勉強しています。/ 関心分野は経…

あゆ@院進準備中

大学4年生 / より深く人間社会を理解するため経済学を勉強しています。/ 関心分野は経済学(財政社会学、計量経済学、制度派経済学、経済学史)、歴史、小説など / 猫、コーヒー、読書、ロック、村上春樹は人並みに好きです。

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最近の記事

自己の領分について

「領分(Territory, Preserve)」とは、①本人が繰り返し楽しむ活動(領域)であり、②それを周囲の人に認められつつ共に形成していくもの(教育学者の片岡基明氏による定義,2010)である。 著者の片岡氏はこの単語を発達障害者支援の「目標」として提起したことによって、「発達障害者本人が楽しめる活動」と「支援する人がその活動を承認すること」が、発達障害者の生活充実の源となりえるのではないかという指摘をした。 哲学者岩城見一氏の議論に従い「領分」概念の優れた点につい

    • 【書評5】 編著 是川夕 監修 駒井洋 『人口問題と移民-日本の人口・階層構造はどう変わるのか-』

       読書というより論文のリサーチをするために本書を手に取った。本書は「移民・ディアスポラ研究会」が刊行する論文誌ジャーナルである。  現代日本で移民の存在感が日に日に増していることは言うまでもないが、「移民」というワードは移民2世の自分にとって大変身近(というより自分事)であり、いつかしっかり時間をとってこの現象を研究したいという思いが常からあった。しかし移民研究を始めるに当たって、それぞれの学問分野から多種多様な視点と主張が提供されていることが分かり、それらの主張が対象とす

      • 【書評4】 トルストイ 『人はなんで生きるか』

        はじめに トルストイ『戦争と平和』を読みたいと思って本屋に寄った時に、隣に並んでいたのがこの短篇集『人はなんで生きるか』であった。これを先に読んでから『戦争と平和』を読むことにしようと考え、本書を手に取った。  トルストイの作品は前期及び後期に分かれており、後期の作品はより道徳的・宗教的な意味合いが濃いものとなっている。本書『人は何で生きるか』は後期トルストイの短篇民謡を5本収録したものである。本書末に収録された訳者解説を引用し、後期トルストイの作風を簡単に紹介する まず

        • 【書評3】 マックス・ウェーバー 『職業としての学問』

           大学を出ても研究を続けたいので、研究者になるのもいいなと考えている。学問の世界で生きていくのは厳しいという話も聞くが、バンドマンがメジャーデビューして生きていくのは厳しいと言われるのと同じだと思う。今私がいる大学はメジャーデビューして活躍しているスターがたくさんいて、この方のようになりたいという先生もいれば到底この方には追いつけないという先生もいる。だが、そんな先生方の近くで正しく進めばメジャーデビューもできるしスターにもなれるという気がする。  そんなことを考えていたと

        自己の領分について

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        • ブックレビュー
          5本

        記事

          【書評2】シュムペーター 『租税国家の危機』

           ドイツを除く多くの先進国で財政赤字が累積し、特に日本はその債務残高が空前の規模にまで膨張している。今後も長期間にわたり生産年齢人口が減少し、社会保障関係支出が増加することが予想される中でいかに財政健全化を達成するかが日本が直面する最大の課題の一つとなっていることは言うまでもない。  そのような中で、『租税国家の危機』というタイトルは魅力的である。経済制度論や財政学に多大な貢献をしたシュムペーターの著作であるというだけに、国家統合のための支出を租税徴収で賄う「租税国家」とい

          【書評2】シュムペーター 『租税国家の危機』

          【書評1】 宇沢弘文 『社会的共通資本』

          2020年度は学部生として過ごす最後の年で、これまでの学びを何らかの形でまとめつつ、卒業後も最速で進んでいくためにさらに広く深く学びを追究する年にしたいと思っている。 僕は昨年の晩夏に経済学で院進することを決め、それ以来研究と研究テーマ探しを繰り返してきた。しかし折角学んだことが笊のように流れていく感覚があり学んだことを書き留めるようにしたいと前々から思っていた。そこで昨年末から温めていたアイデアの一つがこの書評で、「書く」表現力の改善を兼ねて、定期的に簡単なレポート形式で

          【書評1】 宇沢弘文 『社会的共通資本』

          本を読むこと、先人の学びを辿ること、未来を作ること。

          久しぶりの投稿になりました。 夏休みは僕にとって大きな変化があって、とても有意義に過ごすことができたと思います。 僕が夏休みの間に得た大きな変化、 それは以下のような気づきです。すなわち、 大学で何を学ぶか、なんのために学ぶか どのように生きるか、何がより善い生き方か これらは日々アップデートされるもの かもしれませんが、これを常に念頭に置き、 日々問い直すことが、残りの大学生活を より良いものにするということだと思います。 今日はそんなことを考えるきっかけを 与えて

          本を読むこと、先人の学びを辿ること、未来を作ること。

          脇道に逸れた時、どう建て直すかということ。”前を向くこと、動きを止めないこと”

           高校時代の恩師であった担任の先生は、まさに「熱血」という方でした。僕たちが高校3年の夏休みを終えた時から、毎日ブログに僕たちへのメッセージを綴っていました。一つ一つのメッセージはもう覚えていませんが、とにかく毎日少しでも前に進むことを僕らに伝えようとしていたと思います。「単語1つでも覚えたら成長だ」とか、「目標は掲げたら掲げ続けろ」とか、「休んでもいい、でも諦めるな」だとか、そんな内容だったと思います。その方は英語教師でしたが、英語の授業中でも、授業を長時間中断して、大学受

          脇道に逸れた時、どう建て直すかということ。”前を向くこと、動きを止めないこと”

          目標を掲げ続けられない自分への怒り、無力感、自己嫌悪、そして今

           東大を目指してガムシャラに勉強した受験期、一度は夢を見失った浪人時代を経て、やっと大学に入学して、幸運にも素晴らしい先輩や同輩に出会い、刺激されて、普通の大学生活を送りたくない、せっかくならめちゃくちゃすごいことしてみたいと奮い立っていたのがもう1年と少し前。今思えば社会のことは何もわかっていなかったけれど、自分になら何かすごいことができるかもしれないと思ってワクワクしていました。  大学に入ってから今までの1年2ヵ月で様々な経験をしました。学生団体で世界平和のために

          目標を掲げ続けられない自分への怒り、無力感、自己嫌悪、そして今