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マラソン/トライアスロン

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マラソン、トライアスロン、等の持久系スポーツに関する情報を提供しています!
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#トライアスロン

ロングディスタンストライアスロン出場を目的とするトレーニング計画に関するヒント

Ironman Universityが推奨しているアイアンマントライアスロン出場を目的とするトレーニング計画は、基本的に各種目毎に1週間あたり2つのキーセッション(距離とスピードにそれぞれフォーカス)と1つのサポートセッション(テクニック習得等にフォーカス)で構成されています(以下参照)。 Training session for Long distance Triathlon by Ironman University 11-12session per week Swi

トライアスリートにとってウエイトトレーニングは必要不可欠である-マーク・アレン氏の考えから学ぶ-

1980年代後半から90年代のトライアスロン界を席巻したといっても過言ではない往年のトップトライアスリートであるマーク・アレン氏。 彼はオフシーズンに積極的にウエイトトレーニングに取り組んでいたのですが・・・ ”トライアスロンのトレーニングは身体を削るトレーニングであるが、ウエイトトレーニングは身体を作るトレーニングである” “シーズン中にトライアスロンのトレーニングとレースによって消耗し削られた身体をオフシーズンにウエイトトレーニングによって取り戻す” といった趣旨

トライアスリートのラストスパート能力に関して・・・

以下の記事において「中長距離走競技は距離に関わらずラストスパート能力の高さが競技パフォーマンスを決定付ける要因になる」ということを述べましたが、ラストスパート能力の高さが競技パフォーマンスを決定付けるということはトライアスロン競技においても同様であるといっても過言ではありません。 トライアスロン競技オリンピックディスタンス種目におけるバイクパートのドラフティング解禁によってランニング能力の高さがより重要視されるようになり、レースの高速化・進化によって以下の動画にみられるよう

生涯に渡り持久系スポーツを健康的に行っていくために

2016年5月に放映されたNHKの番組「クローズアップ現代+」でトライアスロンに取り組む中高年者が増加していることが紹介されていました。 なんと、2016年5月に開催された某トライアスロン大会では、参加者の7割が40代以上であったとか。 トライアスロンに限らず持久系スポーツの魅力の一つは、練習(トレーニング)が競技結果に直結しやすい点であり、簡単にいえば練習した分だけ競技結果が良くなるということです。 球技や対人競技は、相手があってのスポーツですので練習が試合結果に直接

ウエイトトレーニングがトライアスロン競技におけるBike後のRunのランニングエコノミーの改善に及ぼす影響!?

下記の記事では、トライアスロン競技パフォーマンスを決定付ける種目(Swim or Bike or Run)は何であるかということについて、過去のレース結果から分析した研究によってオリンピックディスタンスでは最終種目であるRunパフォーマンスの良し悪しが競技結果を決定付ける可能性があり、アイアンマンディスタンスではBikeパフォーマンスとRunパフォーマンスの良し悪しが競技結果を決定付ける可能性があると示唆されていることを紹介した上で、トライアスロン競技パフォーマンスを向上させ

トライアスロン競技結果に影響を及ぼす種目は?

トライアスロン競技結果を決定付ける種目について、過去のレース結果から分析した研究(以下、参照)によれば、オリンピックディスタンスでは最終種目であるRunパフォーマンスの良し悪しが競技結果を決定付ける可能性があることが示唆され、また、アイアンマンディスタンスではBikeパフォーマンスとRunパフォーマンスの良し悪しが競技結果を決定付ける可能性があることが示唆されていますが、このことはトライアスロン競技における各種目の配分から考えれば、ごく当たり前の結果が示されたに過ぎないといっ

筋線維組成と持久系トレーニング方法について考える

先日のオンラインカウンセリングで持久系アスリートの(持久系)トレーニング方法に関する質問を受けましたので、それに関連した記事をシェアさせて頂きます。 いわゆる競技力、競技パフォーマンスは、トレーニングによって獲得される後天的な身体能力だけでなく、先天的な資質によって左右されるともいわれています。 特にトップアスリートは人間の身体能力の限界に近い状態で競技を行なうため、そのアスリートが有する先天的資質が競技パフォーマンスを左右する重要なポイントになることが多いと考えられてい

オリンピックディスタンストライアスロン競技のバイクトレーニング再考

2019年のトライアスロンシーズンも開幕し既にヒートアップしている状況ではありますが、今年は2020年東京オリンピックの前年ということもあり更なる熱戦が繰り広げられるのではないかと推測されます。 そこで、という訳ではありませんが、オリンピックディスタンストライアスロン競技のバイクトレーニングに関して様々な示唆を与えてくれている先行研究がありましたので、以下にご紹介したいと思います。 Med Sci Sports Exerc. 2009 Jun;41(6):1296-302

バイクの走行速度を高めるために。。。

自転車ロードレース競技は、ある一定の距離を速く走行することを競い合う競技ですので、自転車の走行速度を高めその速度を維持することが勝敗の鍵となります。 その勝敗の鍵となる自転車の走行速度は、簡単に考えればギア比(前のギアの歯の数と後ろのギアの歯の数の比率:簡単にいえばギア比が大きくなるほど、ペダルは重くなる。)とケイデンスによって決定されます。 従って、ギア比をより大きくして、より速く回転させれば走行速度は上がるということになる訳ですが、その走行速度を維持するということを考

Polarized Trainingモデルに関して

海外のTriathlete.comというサイトに、いわゆる「Polarized Trainingモデル」に関する記事(下記)が掲載されていました。 Polarized Trainingモデルとは、Stephen Seilerによって提唱されたモデルであり、トップレベルの持久系アスリートのトレーニング内容を分析した結果、トレーニング(ボリューム)全体の80%が低強度トレーニング、残り20%が閾値トレーニング(中強度トレーニング)及び高強度トレーニングによって構成されていたこと

持久系アスリートが取り組むべきウエイトトレーニング。。。

最近では、持久系アスリートにとってもウエイトトレーニングが重要であるという考え方が普及、浸透しつつありますが、まだまだ誤った情報が飛び交っているのも事実であり、危険とも思しきウエイトトレーニングを行っていたり、非効率極まりないウエイトトレーニングを行っているケースを多々見かけます。 折角、競技練習以外にウエイトトレーニングに取り組む訳ですから、ウエイトトレーニングに割く時間が無駄にならないように、そして、無駄な労力を費やさないように、更に無駄なケガをしないように、正しく安全

意味のあるトレーニングしてますか?

技術練習や(体力)トレーニングを実施する際に、「きつい(きつく感じる)練習・トレーニング=良いトレーニング(効果の高い練習・トレーニング)である。」という思考、論理が成り立ってしまうことも少なくありません。 また、「トップ選手が行っている練習・トレーニングだから良い練習・トレーニングである。」といったような思考に陥りトップ選手が行っている練習・トレーニングを真似して取り組んでいるケースも多いのではないでしょうか。 しかし、きついトレーニング(きつく感じる)練習・トレーニン

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最大酸素摂取量の向上という視点からウエイトトレーニングの必要性を考える!

長距離走競技パフォーマンスを決定する要因について、古くから最大酸素摂取量に代表される最大能力に着目したものや乳酸性作業閾値(LT)に代表される最大下能力に着目したものを中心に数多くの検討が行われていますが、長距離走競技においてはそのエネルギー供給が主に有気的に行なわれるために,最大酸素摂取量が競技成績を決定する重要な要因の一つであることが報告されています(SjodinとSvedenhag,1985)。 先行研究では、一流ランナーの最大酸素摂取量は70~85 ml/kg/mi

「鉛直スティフネス」という視点から長距離走競技選手がウエイトトレーニングに取り組むべき理由を考える。

従来、長距離走競技は何より如何に多くのエネルギーを産み出せるか、が重要であると考えられていたことから最大酸素摂取量の高さが重視され、長距離走競技パフォーマンスを向上させるために最大酸素摂取量を高める(トレーニング)方法に関する研究が数多く行われてきました。 ところが、近年では長距離走競技パフォーマンスを向上させるために、如何に多くのエネルギーを産み出せるか、は勿論のこと、産み出したエネルギーを如何に走速度に換えられるか、その走速度を如何に維持するか、が重要であると考えられる