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マラソン/トライアスロン

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マラソン、トライアスロン、等の持久系スポーツに関する情報を提供しています!
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2018年4月の記事一覧

バイクの走行速度を高めるために。。。

自転車ロードレース競技は、ある一定の距離を速く走行することを競い合う競技ですので、自転車の走行速度を高めその速度を維持することが勝敗の鍵となります。 その勝敗の鍵となる自転車の走行速度は、簡単に考えればギア比(前のギアの歯の数と後ろのギアの歯の数の比率:簡単にいえばギア比が大きくなるほど、ペダルは重くなる。)とケイデンスによって決定されます。 従って、ギア比をより大きくして、より速く回転させれば走行速度は上がるということになる訳ですが、その走行速度を維持するということを考

Polarized Trainingモデルに関して

海外のTriathlete.comというサイトに、いわゆる「Polarized Trainingモデル」に関する記事(下記)が掲載されていました。 Polarized Trainingモデルとは、Stephen Seilerによって提唱されたモデルであり、トップレベルの持久系アスリートのトレーニング内容を分析した結果、トレーニング(ボリューム)全体の80%が低強度トレーニング、残り20%が閾値トレーニング(中強度トレーニング)及び高強度トレーニングによって構成されていたこと

持久系アスリートが取り組むべきウエイトトレーニング。。。

最近では、持久系アスリートにとってもウエイトトレーニングが重要であるという考え方が普及、浸透しつつありますが、まだまだ誤った情報が飛び交っているのも事実であり、危険とも思しきウエイトトレーニングを行っていたり、非効率極まりないウエイトトレーニングを行っているケースを多々見かけます。 折角、競技練習以外にウエイトトレーニングに取り組む訳ですから、ウエイトトレーニングに割く時間が無駄にならないように、そして、無駄な労力を費やさないように、更に無駄なケガをしないように、正しく安全

意味のあるトレーニングしてますか?

技術練習や(体力)トレーニングを実施する際に、「きつい(きつく感じる)練習・トレーニング=良いトレーニング(効果の高い練習・トレーニング)である。」という思考、論理が成り立ってしまうことも少なくありません。 また、「トップ選手が行っている練習・トレーニングだから良い練習・トレーニングである。」といったような思考に陥りトップ選手が行っている練習・トレーニングを真似して取り組んでいるケースも多いのではないでしょうか。 しかし、きついトレーニング(きつく感じる)練習・トレーニン

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ランニングエコノミーに関して・・・

最近、市民ランナーの間でもランニングフォームの分析・評価が注目されているようです。 こうした背景も手伝ってか「ランニングエコノミー」を効率的なランニングフォームと解釈しランニングフォームの分析によってランニングエコノミーを評価出来るというような誤った認識の記事を見かけました。 ランニングエコノミーは「最大下のある走速度における酸素摂取量(1)」と定義され、最大下の走速度(例えば、時速15km)で一定時間(例えば、5分間)のランニング(テスト)を実施し酸素摂取量を測定するこ

陸上長距離走競技における走速度に関して・・・

現在、持久系アスリートのトレーニングに関する情報提供に力を入れていることから、改めて陸上長距離走競技パフォーマンスに関して様々な視点から考察を重ねています。 当方は、そもそも1990年代後半に筑波大学大学院において持久的走運動時の疲労が運動後半の走速度の切り換えに及ぼす影響(持久的走運動時の疲労がいわゆる”ネガティブスプリット”に及ぼす影響)に関する実験を行い修士課程を修了したので、当時の世界陸上マラソン競技における5km毎のスプリットタイムのデータや当時の日本のエリートラ

最大酸素摂取量の向上という視点からウエイトトレーニングの必要性を考える!

長距離走競技パフォーマンスを決定する要因について、古くから最大酸素摂取量に代表される最大能力に着目したものや乳酸性作業閾値(LT)に代表される最大下能力に着目したものを中心に数多くの検討が行われていますが、長距離走競技においてはそのエネルギー供給が主に有気的に行なわれるために,最大酸素摂取量が競技成績を決定する重要な要因の一つであることが報告されています(SjodinとSvedenhag,1985)。 先行研究では、一流ランナーの最大酸素摂取量は70~85 ml/kg/mi

ケネニサ・ベケレ選手のラストスパートから中長距離走競技者にとってのウエイトトレーニングを考える!

2016年9月25日に開催されたBerlin marathon 2016でのエチオピアのケネニサ・ベケレ選手のラストスパートは圧巻でした。 このベケレ選手のラストスパートを観て改めて感じたことは、今後、中長距離走競技は距離に関わらずラストスパート能力の高さが競技パフォーマンスを決定付ける要因になるといっても過言ではないということです。 当方は筑波大学大学院にて、このラストスパート能力に関係する生理学的要因に関する研究を行って修士課程を修了したのですが、当時は運動生理・生化

「鉛直スティフネス」という視点から長距離走競技選手がウエイトトレーニングに取り組むべき理由を考える。

従来、長距離走競技は何より如何に多くのエネルギーを産み出せるか、が重要であると考えられていたことから最大酸素摂取量の高さが重視され、長距離走競技パフォーマンスを向上させるために最大酸素摂取量を高める(トレーニング)方法に関する研究が数多く行われてきました。 ところが、近年では長距離走競技パフォーマンスを向上させるために、如何に多くのエネルギーを産み出せるか、は勿論のこと、産み出したエネルギーを如何に走速度に換えられるか、その走速度を如何に維持するか、が重要であると考えられる

心拍数と運動強度について

よく「脂肪を燃焼させるためには最大心拍数の60%の心拍数で運動すれば良い」などと耳にするように、心拍数は運動強度を示す指標として用いられています。 そこで今回は心拍数と運動強度について解説致します。 ●酸素摂取量について 心拍数と運動強度の関係について理解するためには酸素摂取量について理解する必要があります。そこでまず、酸素摂取量とは何かについて説明していきましょう。 私たちが運動のみならず全ての生命活動を行なう上では骨格筋が収縮する(筋肉を動かす)必要があります。骨格