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日常の延長線上の非日常:ホテル aiaoi

通常だと仕事が始まるのだけれど、うちは今日までGW。
今日はプロジェクト先の会社の推奨休日となっているので、同じチームの人も休みとなっている。
ただね、明日金曜日なら、明日も休みでいんじゃねって思っているのは、わたしだけではないはず。

なんだかんだで出歩いていたGW。
足利行って、益子へ行って。
そしてその次の日は鎌倉へ一泊二日の小旅行。
不要不急の外出は控えろって言われているけれど、ごめんなさい。

鎌倉は観光ではなく、ただ単に、泊まりたいホテルがあったから。

SNSか何かで目にして、素敵だなと思い、気になっていたホテル。
長谷駅から歩いて5分弱の立地にあり、海へも長谷寺へもアクセスが良い。
ゆったりとした曲が流れるカフェラウンジからの眺めは、民家の合間から見える海がきらきらと輝き、とても綺麗だった。

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オレンジ色のファンシーな3階建のビルに入っているのにはなかなかに面食らった。
階段を登っていくと、途中から藍色に壁が染まっていく、錆が浮く緑の鉄扉を開くと、そこはカフェラウンジになっていた。

部屋は緑の鉄扉の右側から続いており、カフェと区切られるように、背の低い小さな扉で仕切られていた。
靴を脱いで客間というか宿泊スペースへ入るのだけれど、足の裏に触れる木の凹凸が心地よかった。

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廊下の突き当たりには男女兼用のトイレとシャワー室が各2室ずつ設置されている。
その手前の右側には小さな椅子と雑誌などが並べられている。
狭めの空間に小さな椅子。
これで落ち着くのは、ハムスターだからなのかと時折思う。

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部屋は"umi"という名前で、ダブルベッドにロフトもついていた。
西向きの窓からは、到着した直後には西日が煌々と差し込んでおり、窓からの景色では小山の緑が空を少し隠していた。

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食事は出ないし、トイレとシャワーは共同使用。
音が響くからひっそりと歩いたり話したりする。
必要最低限だけあるホテル。

それがよかったのだ。

日常の延長線上の、非日常。
観光がしたかったわけでも、海へ泳ぎに来たわけでもない。
ただ、いつもと違った場所で、いつもと同じ、何もない日常をゆっくり過ごしたかっただけ。

そういう人が多いそうで、お一人様の宿泊客も多いそうだ。

カフェから、民家の向こうに見える海を眺める。
晴れていたなら海まで軽く歩いてみる。
そうして戻ってきて、部屋のベッドでぼんやりと、窓から見える青空を仰いで見る。

そうやって、日常を少しだけ切り取って見た小旅行だった。

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おしまい

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