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人事のみなさん、HRBP(ビジネスパートナー)になりませんか?

わたしは外資系企業のファイナンス部門に長年つとめ、現在は、日本企業にFP&A(Financial Planning &Analysis)を紹介する活動をしています。FP&Aは、経理人材が管理会計とファイナンスのスキルを持ち、事業部門のビジネスパートナーとして、業績向上や意思決定の質を高めることに貢献する機能です。(参考記事はこちら→https://note.com/stratconsulting/n/n89af19aec34c)

外資系企業では、FP&Aと似た、人事の機能があります。HRBP(HRビジネスパートナー)といいます。HRBPは、HRのプロフェッショナルで、事業部門やほかの機能部門(ファイナンス、サプライチェーン、マーケティング、R&D)などに配属されて、部門の組織運営を支援します。

たとえば、私が外資系企業のファイナンス部門にいたころ、いつもファイナンス部門専属のHRBPに方がいました。このような仕事をしてくれます。

*ファイナンス部門の部門会議に出席して、相談にのってくれる

*ファイナンス部門の組織図を管理して、会社全体と整合する。ジョブレベル、給与、レポートライン、部下の数など)

*年度目標設定、中間評価、年末評価のプロセス、基準、会議、最終化、給与・賞与への反映など、会社全体の基準に合わせて実行

*部門のキャリアパス構築、研修プログラム、メンタープログラムの設計

*パフォーマンスの良い社員をもっと伸ばす相談、他部門・他部署への異動、パフォーマンスの低い社員の扱い、正社員・派遣の採用など、相談に載ってくれます。

*もちろんHRのプロとして、労務・給与などの相談にも載ってくれます。

本社人事責任者の部下が、世界中の子会社、事業部門、機能部門に配置されて、どこにどんな人が何人いるのか把握して、全社の組織活動の向上を進めることができる仕組みです。

わたしはHRの専門家ではないのですが、FP&Aと同様に日本企業にはHRBPが必要だと思っています。日本CFO協会の姉妹団体である日本CHRO協会ではHRBPの勉強会に参加しています。外資系企業では当たり前であるHRBPが、日本企業でも関心を持たれて始めたところです。

HRBPの普及は、企業の経営・業績目標達成にも役立ちますし、人事部門の方々のキャリア育成にも役立つと思います。管理部門も経営・業績向上に役に立つ仕事をしないと生き残れません。作業は自動化されて、人間がやらなくてもよい仕事になってきています。HRBPはローテーションの一環で、ファイナンス部門担当になったり、製造部門担当になったり、会社内の違う部門の担当として業務や組織を学び、CHROへの道を進みます。

日本企業にはHRBPがいないので、各部門で人事のような仕事をする人をたくさん作ってしまいます。たとえば、経理部門の中に「経理企画」という部署を作って、経理部門の予算管理や人事管理をします。その人のキャリアパスって、よくわからないものになってしまいます。経理でもない人事でもない。外資系企業では、そういうジョブを作りません。

関心のある方、日本CHRO協会をご紹介しますので、ご連絡ください。http://strat.jp/inquiry/


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