ア゛ア゛ア゛ア゛ーーーーー!!!(❀ӧ◡ӧ)ケェエエエエエエエ!!!!(❀ӧ◡ӧ)ケェエエエエエエエ!!!!

定期的に観てしまう映画があります。

高校の頃、家にあったVHSに録画されていて、たまたま観たけれど訳が分からなかった。

学生の頃、何かの拍子に再び観る機会があって、訳が分からなかったけれど
すごく面白かった。
その後、ノベライズをどこかで発掘してきて読んでみると
いろいろと腑に落ちて、ますますその映画が好きになりました。

サラリーマンになってからは、Netflixで定期的に観るようになりました。
ノベライズはどこかへ行ってしまって、プロットも忘れてしまったのですが
今なら映像だけで訳が分かるし、相変わらず面白い。
何度観ても飽きません。癒やされます。


映画の冒頭で出てくる、ラブホテルの一室。
陽気なBGMと、血まみれの身体を洗う人間の描写。
女性(売春婦)が、首を正面から×の形に切り裂かれ、殺害されています。
現場を検証している刑事たち。
これだけならば、よくあるサスペンスのワンシーンでしょう。

ただ、犯人は早々に発見されます。
それは、彼女の客。
全裸でおびえながら、廊下で発見される。
自分がなぜ凶行に及んだのか、わかっていない。
犯行当時の記憶もないのです。

このようなお話ですから、主人公は警察官です。
社会正義の実現にいそしむわけですね。

そして物語の中では、同様の殺人事件が繰り返し発生してゆきます。
妻を手にかける夫。
後輩を手にかける老いた巡査。
見ず知らずの男性を手にかける女医。


実は、全員がとある伝道師と偶然出会い
彼と接しているうちに暗示にかけられていたんですね。
その人の持つ社会規範や道徳観念を忘却させ
そして内なる欲望を増幅させてしまう、強烈な暗示。
その欲望は、対象となる相手の首元を×印に切り裂くことで表現されます。


私は、これらの描写を観るたびに安心します。
なんだ、円満な夫婦も、暗示にかかってしまうと
夫の妻に対するコンプレックスが噴出するじゃないか。
のんきな老巡査も、昇進試験の勉強に励む若者を妬んでいるじゃないか。
女性差別を跳ね返して医者になった彼女は、
男への憎しみに満ちているじゃないか。

主人公の警察官も、精神を病んでいる妻を疎ましく思っているじゃないか。
正義の警察官/理解ある夫は、規範を身にまとい、道徳の仮面をつけているだけじゃないか。
事実、伝道師に"解放”された主人公は、それまで細っていた食欲も戻り
表情も明るくなっています。


これは映画で、当たり前ながらフィクションです。
けれど、私が普段接している人々も
きっと心の奥底に折りたたまれた欲望があって
それは陰惨なものなのでしょう。そう思うと、すごく楽な気持になります。
別に映画のような凶行に走るはずもないし、ただ普通に生活しているだけ。
なのに、心には暗くむごたらしいものをしまい込んでいる。
そんな"日常”を過ごしていてもいいんだ、そう思うと癒やされるんですね。

映画のタイトルは明かしません。
すぐに見つかりますよ。
興味を持たれた方は、どうぞ。


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