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編集者ワークショップのススメ

ストレートエッジ所属の編集者・三木です。
最近小説も書き始めました(「僕が小説を書いた理由」https://note.com/straightedge/n/n964aada4e09b)。

Twitterに書いた内容なのですが、noteの皆さまのほうが編集職や類する仕事の方も多いと思いますので、ここでもお知らせしたく記事にしました!

某有名映画プロデューサーが立ち上げた会社で定期的にワークショップがあってそこに参加させてもらっているのですが、あれはすごくいいものですね。

自分の会社でもそのフォーマットを参考にして編集者全員とワークショップを定期的に行っています。

弊社所属の編集者約15名が1-2ヵ月に一度、必ず自分で頭を捻って考え抜いたプロットを提出し、全編集者の場で討論すると言うものです。

もちろん編集者自身が最終的に書くわけではなく、「このテーマで作家さんに書いてもらいたい!」とか「●●が得意な作家さんに新境地として提案したい!」といったコンセプトでプロットを考えます。

しかしやはり編集者が書くプロットですから、「表面上は美しいけど、これ結局誰が書けるの?」とか「売れ線要素全部打ち込んでるけどかわりに個性がまったくない」とか「そもそもプロットのていを成していない」といったいろんな欠点があるわけなのですが、

『創作に向き合う』という行為、『物語を上っ面で評価するのではなく自分事として構造を理解する』などを習作中に得ることができます。

加えて、ワークショップという小規模ではあるもののの『大衆の目』効果はとてもあって、全編集者必ず締め切りを守ります。

そして、『フロムソフトウェア』の宮崎社長が仰る『締め切りは発明の母』はまさにその通りで、プロットとは時間をたっぷりかけると面白さが比例するというわけでわけではなく、

研ぎ澄まして集中する短い時間(長い時間集中できる人間はいません)がいくらあったかの勝負であったり、ふと閃く(いわゆる「神が降りてくる」)偶然のラッキーによって完成度が決まることを理解できるのです。

習作でいろんな体験をすることで、担当作家とまた違った打ち合わせのアプローチができるようになりますし、改めて、作家さんの生み出す創作物の唯物性へのリスペクトを認識することができます。
面白さへの真摯な取り組みとは何かも見つめ直すことができます。

実際に、習作の中には何回か修正を重ねれば、正式に作家に打診できる企画プロットも出来上がりました。作家の方は、それにインスピレーションを受けて個性を発揮して作家独自のオリジナル小説が産み出されるといいなと思います。

ちなみに弊社は版元ではないので、その『企画と作家さんと編集者のチーム』を様々な版元へ売り込みに行きます。提供サービスとしては、編集者と作家のチームが、チームで作ったプロットで、作家さんが執筆し、ストレートエッジの編集者が編集し、出版をします(版元社員さんは社内稟議上立ってもらう)。

その後もしヒットしたら、コミカライズやアニメ化、ゲーム化といったプロデュースも、作家とチームのストレートエッジの編集者が担う……そういう、作家と編集者が一気通貫なスキームでやっていくかたちが理想だと思っています。

細かく言うとメディアミックスの営業戦略は、ストレートエッジもかなりツテを持っているし決定力には自信があるのですが、版元の大手企業パワーを使った方が成就するルートも実際には存在するので、

メディアミックスについては『共同で、ひとつのIPを最大化するために協力する』というスタイルが、今のところ一番作品や作家にとってベストだと考えています。
※実際にいまそれで動いている企画もいくつかあるので、またお知らせしていきます!!

話が脱線しましたが……というわけで、編集者のみなさんワークショップおすすめです!!

【お知らせ】
ワークショップの成果……も少し入っているのですが、このたび一念発起して、編集者としてではなく一人のアマチュア小説家として小説を執筆しましたので、もしよければお読みください。ラノベです。
タイトルは『チートの王』です。
https://ncode.syosetu.com/n3229ga/

【もう一つお知らせ】
一つ前の記事でも担当編集作品の短編を(もちろん著者さんと版元の許可をもらって)執筆しましたのでご覧ください。
【今から本気出す】祝!! 川原礫10周年記念SAOコラボ小説(著/担当編集)
https://note.com/straightedge/n/nbf3234ffa7ad

このように(?)、成果もどんどん出るワークショップオススメです!

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