【グッドプラン・フロム・イメージスペース】Episode.5 「今から数年後・・・」第10章 : 後編 Part.14 (No.0149)


後編 Part.13のつづき

やはり成長には真剣さと失敗が必要だったのです。


教師は翌日に休みを取り、先日の経験を考えながらまとめました。
彼はこの経験が、今後の教育方針の改善にきっと役に立つと感じました。それと同時にこれまでの教育がどれほど悪質であったかを痛感し、怒りに震えました。
学校に居たら成長が出来ないと言うことが解ったからでした。

そして明らかにその事実を学校や教育者側は知っていたのです。


後日、怒りの収まらないこの教師は、教育者と新しい政府のものが集まる寄り合いで、この経験のまとめを紹介しました。
その貴重な経験や意欲をみんなが高く評価しましたが、この教師は満足することなく話を続けました。


「ありがとうございます。しかし皆さん、私がこの経験から感じたことは感動から今や怒りに変化してしまっております。何故ならそれは勿論過去の教育機関や教育関係者たちに対する怒りからです。彼らは子供達を教育し、良き人間として成長させる事を目的に活動してきたはずでしたが、現実はまるで違いました。それは今ここで話す必要が無いほどに常識であります。学校に行くことで賢くなるはずなのに実際は逆に愚かになり、楽しいはずが苦しく、健やかなるはずが病んでいったのです。それは当然です。学校はわざとそうしてきたからです。彼らは普通の子供達をまともな大人へと育てることなんて全く考えていませんでした。


彼らの目的は、普通の子供達を苦しめ汚し愚かで無能にし、そして奴隷にすることでした。過去の支配者達が如何に愚かで無能であったかは、他の方の研究からも解ることで既に常識となりましたが、その無能な者たちは自分達とそれ以外の普通の人達を差別するため、そして自分達が常に社会のイニシアチブを取れるようにするためにあらゆる違反行為、反則行為、そして違法で悪逆な行いをしてきました。そしてそれでも無能で愚か故に普通の人達を差が付けられないために、彼らは学校教育を破壊し、幼い頃から人々の脳も心も家庭も全て気の狂ったカルト宗教を巧みに使い洗脳していったのです。過去の学校の運営などは全てカルト宗教が支配していたというのも、調べたらすぐに出てくるほど残念ながら常識であったのです。」


まだ若いこの教師の言葉に、皆が真剣になって耳を向けています。


「しかし、ここまでの事はもう既に解っていたことです。私は先日の経験で学校が如何にして子供達を妨害していたのかが解ったのです。

人はやはり失敗しないと成長できないのだと思います。それも条件があり、真剣になって正しく失敗しないといけないのです。しかし過去の学校や教育機関は失敗を許さなかったのです。たかがペーパーテストひとつとっても失敗を認めませんでした。絶対に失敗を認めず、許さないのです。それが子供の頃から全てのあらゆる学校で徹底的に行われました。これほど恐ろしいことがあるでしょうか?失敗を経験しないで成長なんて出来ないのです。つまりこうして育った人達は皆して成長ができなかった人達なのです。その失敗を経験していない人達が大人になることで何が起きますか?そうです、失敗を認めない社会の完成です。政治家も役所も企業も、あらゆる組織も人物も全てが失敗を絶対に認めない態度はこうして強力に社会の常識として蔓延していったのです。そもそも学校自体が社会へ出る前に練習として存在するような場所なのに、その練習すら失敗を認めないのだから、そんなところにいれば欠陥人間になるのは当然なのです。そして勿論失敗したり苦しんでいる人達に対する冷淡かつ非人間的で悪辣な考えや行動は加速するのです。失敗を認めない社会が失敗した人や弱者に寛大で理解があるはずがありません。当然失敗は普通の人達だけにあり、のちのポストが確約された支配者の血縁者たちは失敗なんてあり得ません。こうして失敗は無能者の烙印として扱われ、支配者と非支配者を区別するためのバッジとして扱われ、社会の格差が拡大していったのです。」


Part.15につづく

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