「好きを仕事にしよう」はなぜ受けがいいのか?

昔から、なんでこの説が自己啓発やスピリチュアルの本でこんなに人気があるのかが個人的に小さな謎なのです。

確かに義務感で仕事してる人より、その仕事が純粋に好きな人のほうが、
スキルが高くなることが多いのは確かでしょう。そういう人ばっかりの世の中のほうが素晴らしい世界になりそうなのもその通りだと思います。


ただ、だからといって自分の好きなことを仕事にしたらうまくいくのかというと、そこはかなり社会環境に左右されます。

お金に換えやすい「好き」と換えにくい「好き」は厳然として存在するからです。

例えば、絵が好きな人が絵をすごく頑張ったとしても、生きてる間にほとんど絵が売れなかったゴッホみたいな例もあります。宮沢賢治も生前はほとんど作品が売れなかった人です。

(作品が素晴らしいかと商売として成立するかどうかの間に、あまり関連性がない好例)

スポーツやダンスや音楽なども、お金になりやすいものとなりにくいものがあります。(みんながプロ野球選手みたいにそのもので稼げるわけではない)

好きを仕事にするかどうかと、幸せに生きられるかどうか、って単純には関連しないことも多いと思います。


ただ、仕事が楽しいにこしたことがないのは事実だと思います。

・楽しいことを仕事にしてしまおう
・ワクワクする事をしよう
・仕事をおもしろくしよう
・つまらないことも楽しんでしまおう

的な表現は嫌いではありません。

仕事したくない時や、そもそも働くなんて嫌だ、という時の元気づけとして「好きを仕事に」って説が主張される面もあるのでしょうが、元気づけなら、「仕事にワクワクや面白さ」があれば「好きを仕事に」じゃなくてもいいんじゃないの、と思うわけです。

何にワクワクするかって人によると思いますが、

・「そのもの(仕事のプロセス)が楽しい」
・「仲間と何かを作りあげることが楽しい」
・「結果として感謝や評価がもらえるから楽しい」
・「結果としてお金をもらえるから楽しい」(仕事である以上重要)
・「新しい体験ができることが楽しい」
・「新しい学びがあることが楽しい」
・「得意なことだから、サクサク結果が出せて楽しい」
・「プロセスは長い地獄だけど、完成すると極楽で楽しい」

などなど、色々あると思います。

大事なのは「楽しい時間を増やしていくこと(そして、そのための仕込みを重ねていくこと)」であって、「好きを仕事」も「好きなことをすること」も「仕事をすること」も、「楽しく生きていくための色んな手段の1つ」くらいに考えておいたほうが気が楽だと思います。


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