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チームの力で、プロダクトの価値を最大化する開発部について:部門紹介vol.6

こんにちは。株式会社スタメンの広報担当の上田です。
スタメンは「一人でも多くの人に、感動を届け、幸せを広める。」を経営理念に掲げ、複数の事業を展開するTech-カンパニーです。

HRTech領域のSaaS「TUNAG」では理想の組織を作り上げるために各社独自のコンテンツの企画・運用・改善を行い、エンゲージメント向上を支援しています。

良いサービスを生み出すためにはプロダクトの力はなくてはなりません。スタメンの開発部ではプロダクトの価値に責任を持って開発を行っています。

今回はCTO兼TUNAG事業部開発部長の松谷さんにスタメンの開発組織についてお話をお伺いしました。

松谷 勇史朗
1994年生まれ、愛知県出身。新卒として2017年1月に正式入社後、翌年の2ndピリオドで全社MVPに選ばれる。その後、テックリード兼マネージャーを務め、2020年3月より執行役員CTOに就任。 2022年より現職。

チームで価値に向き合う

ー 開発部として大切にしている価値観を教えてください

私達は「チーム」を大切にしています。

その理由を説明する前に、まず事業の存在意義の1つは「お客様へ価値を届ける」ことです。SaaS型の事業であれば「価値を届ける」ことを「安定的に繰り返す」ことが重要。

スタメンが提供するHRTechサービス「TUNAG」では「プロダクト」という手段を通じて「価値」が滞りなく流れ続けることに責任があります。

この「価値の流れ」を最適化するためのベストな手段を模索していくというのが基本的なスタンスです。

プロダクトを通じた価値提供を加速させていくためには、エンジニアを増員させていくことが一般的ですが、エンジニア人数が2倍に増えたとしても開発生産高は2倍にはならないことが多い。

そのほとんど原因は組織内のコミュニケーションの優先度が決まっていないままコミュニケーションの総量が増えるからです。

これに対処するためにはコミュニケーションの優先順位付けをすること、つまり「価値の流れ」を最も優先度の高いコミュニケーションとし、そのコミュニケーションが最も低コストで行われるように1まとまりの集団=チームを作っていくことが重要。

「価値の流れ」に関連する全てをチーム内で完結させることができるような独立性が高い状態であれば、チームの単位をさらに1つ増やしても開発者1人あたりのコミュニケーションが増加することはなく、スケーラビリティの高い組織を実現することができるはずです。

そうであれば、プロダクト組織のスケール戦略としては「開発者」をいかに増やすかという観点ではなく「チーム」をいかに増やすかという観点になります。

そして採用や社内の育成に関しても、いかにしてチームが価値に向き合うためのスキルセットを揃え、それを維持する環境を担保していくのかに集中していく戦略になります。

このように開発組織の最小単位は「開発者」ではなく「チーム」であるという認識が、スタメンにおけるプロダクト組織を理解するための出発点になります。

そして「チーム」の成果を最大化するために大切にしている価値観が「自己組織化」です。昨今、ソフトウェア技術は進化のスピードが速く、また1つのプロダクトを作るために多くの専門性が必要となります。

市場や未来の不確実性は高く、先を予測することは困難な状況です。この状況の中、どれだけ有能なリーダーがいたとしても、リーダー一人が組織のすべての意思決定を精度高く行うことは不可能ですし、意思決定のスピードも遅くなるでしょう。

であれば、リーダーは意思決定をすべて中央集権的にコントロールするのではなく、チームに必要な情報を伝え、意思決定できる状況をつくり、そしてチームが1番良い仕事をできる方法を自分たちで決定できる環境をサポートすることに徹し「チームの自己組織化」を進めていくことが重要だと思っています。

ー その価値観を体現するために行っていることはありますか?

「全てのエンジニアがプロダクトのオーナーである」という意識を持っています。

そのため、スタメンの開発部では「開発の専門化」ではなく、ユーザーの理解から始まり、企画からリリース、そして効果検証までの「フルサイクル」に近い責任を担うようなチームデザインにしています。

例えば、チームはステークホルダーとユーザーの課題に関して直接対話をし、課題の解像度を高め、その情報を元にアウトカムを最大化するための仕様を考え抜き、そしてそれを素早くユーザーへ届けるためにデリバリーの手法を工夫する...など、全ての工程にオーナーシップを持つことができるような開発プロセスや権限をデザインしています。

とはいえ現時点ですべての意思決定をチームで完結することが最適ではない領域もあるので、どこまでチームの意思決定の領域を拡大していくのかはチームのミッションに合わせてこれからも考えていきたいポイントです。

また、チームが意思決定することが理想的な状況でも、チームの知識やスキル的に難しい領域があるので、このギャップはチームとしても認識しつつ、今後徐々に埋めていくことができるように、スキルの向上のためにお互いに学び合ったり、ステークホルダーとの距離感や意思決定フローへのチームの巻き込みなどを進めようとしています。

そのため、開発者同士の技術的な勉強会だけでなく、プロダクトオーナーが主催するプロダクトマネジメントに関する勉強会なども開催されています。

そして最も自己組織化で大切なポイントは、チームの共通のゴールを掲げ、そこに対して全メンバーが共感している状況を作り出すことだと考えています。

最近は、特にプロダクトの提供価値を定量的に定義し、それをチームのゴールとして定めました。

今後は、このゴール自体の正当性を常に振り返り、日々チームが数字を意識して、チームの行動を自分たちで変えていけるような体制を目指しています。

プロダクトの提供価値を数値化したゴールを事業部全体で意識し、全メンバーがアウトプット(リリース)ではなくアウトカム(成果)へフォーカスする機会が増え、事業部全体でプロダクトの真の提供価値を提供する喜びを感じられる機会を増やしていきたいです。

ー 開発部の開発スタイルについて教えてください

スクラムを実践しているので、少人数の開発チーム(3~5人)が目的の達成のために協力しあいながら作業を進めていきます。一気にすべての機能を作るのではなく、1週間ごとにいくつかの機能を追加開発していきます。

この期間をスプリントと呼び、このスプリントごとに、関係者(顧客、カスタマーサクセス、セールス)からのフィードバックを定期的に得ながら柔軟に計画を調整していきます。

また「チーム開発」を重視しており、タスクも「個人」ではなく「チーム」に割り当てられます。チームとして目標に責任を持ち、チームで一丸となって目標達成を目指していきます。

そして開発の手法としては、以下のように個人や複数人での開発手法を組み合わせており、都度チームが選択し、実践しています。

・分業開発
・ペアプロ
・モブプロ

毎回同じ手法を用いるのではなく、チームの習熟度や開発するタスクの性質に合わせて柔軟に選択していることがポイントで、常に「他にもっと良いやり方はないか」という視点で開発の仕方自体を見直しています。

ー 開発部にはどのようなメンバーが多いですか?

まず、「プロダクト」や「チーム」そして「スクラム」に関心が高い人が多いです。また、新しい知識の吸収力が高く柔軟な考え方を持った人が多いと思います。

例えば、2022年の1月にスクラムを導入したのですが、これまではスタメンにはスクラムの経験が全くありませんでした。ただ、スクラム価値観(ユーザーファースト・チーム文化)と近い考え方をメンバー全員が持っていたので、元々いたメンバーも直感的にスクラムの価値を感じることができています。

そしてスクラムの導入では、単に小手先のプラクティスの変更だけでなく、プロダクト組織文化のレベルで大きな変化を起こしてきました。

その過程で不確実性の高いことや困難な壁に何度も突き当たりましたが、現状の問題を直視し、これまでの自分たちの考え方自体も見直してきました。

このように組織としてアンラーニングを進める中で、各メンバーの吸収力の高さと柔軟性には何度も助けられてきましたね。

今現在でも、チームで自律的にスクラムなどの学習を進め、スクラムのカンファレンスへのプロポーザルも社内から2件応募したり、スクラムに関連したブログを今月だけで3つも投稿していたりと、新しいものを受け入れてから自ら変化を起こすスピードが早いメンバーが多いです。また、技術的にも非常に好奇心旺盛で、チームを超えた学びの交流が活発です。

ー どんな人と一緒に働きたいですか?

「自己組織化」という価値観に共感してくれる方と働きたいです。

自己組織化の価値についてはこれまで述べた通りになりますが、自己組織化の世界観においては、誰かが仕事の枠組みを用意してくれるわけではないので、ある意味で自分やチームの意志が問われる厳しい組織マネジメントの手法だとも考えています。

だからこそ合う人は合うし、合わない人は合わないです。ただ、自己組織化を望んでスタメンに飛び込んでくれた方にとっては、のびのびと成果を発揮しやすい環境が揃っていると感じます。

また、自己組織化を重視する世界においては「サーバントリーダーシップ」や「コーチング」がコアなコンピテンシーになっていくと考えています。

どんな状況でも、まずはチームの能力を信じ、チームの学習機会を最大化し、チームで大きな成果を達成するぞ、という気持ちを持ってくれている方に組織づくり、文化づくりを担っていただきたいです。

そして、スタメンとしては「代表交代」や「東京拠点開設」など大きな変化がありました。この変化の中の不確実性を大いに楽しめる方にとっては、「今」が入社のベストタイミングです。

まだ見ぬ新しい景色を目指して、チームや組織全体を勇気づけながら、楽しく大きな成果を一緒に目指していきたいですね。

そして私の個人テーマとしては「任せる」ことなので、「任せろ!」という方、大募集中です!!



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