「吹き込む」


ふと思ったこと。最近の自宅録音事情について。

ひと昔前はカセットテープやラジカセが普及してたので、だいたい一家に一台はラジカセがあったと思います。
ラジオや音楽テープを聞くだけではなく録音もできるので、そこそこの年齢の人なら、自分の声や演奏をカセットテープに録音してみたという経験のある人も少なくないでしょう。

私の祖父は趣味で民謡をやってましたので、自分の歌を録音し、それを自分で聞いたり人にあげたりもしていました。
昔は録音することを「吹き込む」といっており、カセットに吹き込む、レコードに吹き込む、吹き込みをする、という言い方がありました。
自分の息、ブレスを機械に向かって吹き込む、あるいは何かを込め、そのときの自分自身を、魂を、吹き込む。
好きな表現です。
残って欲しい日本語かも知れない。

まだカセットもラジカセも売ってるから、例えばお年寄りがそれをするとしたら今もラジカセでしょう。

カセットがまた流行ってきてるという記事も見ました。


▼熱さめやらぬ「カセットテープ」のブーム再来、いまも販売本数は増加中
2019.10.14 MON 17:00

日本企業もブームに乗ってください、特にソニ-さん。

さておき。

では若い人はどうしてるんでしょう。
まずスマホのアプリで録音して、大勢に聞かせる場合はスピーカーに繋ぐんでしょうか。
できる人はまとまった音声ファイルや動画を作ってyoutubeやSNSにあげたりするでしょうけど、
身近な人限定なら、ラジカセの方が圧倒的にお手軽な気がします。

カセットの時代なら、子供が自分の声を録音して遊んでみるようなこともありました。
うわっへんな声!って思ったり、ラジオDJごっこした人もいると思います。
今、小さい子がそういうことをするだろうか?
できるだろうか?
もしかすると自分の声や演奏を録音することそのものが特殊化してるのではないか、という気もします。
何の気なしにちょっとやってみるか、という感じのことではなくなったというか。
ちょっと気になってます。

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