見出し画像

風の時代とおいでやすこが

昨年のM-1以降、圧倒的にメディア露出が増えた芸人、おいでやすこが。
個人的に好きだった彼らをM-1以降ほぼ毎日どこかで見られるようになった今の生活、最高に楽しいです。

おいでやすこががネタを披露したりM-1前後のエピソードトークをしているのを見ているうちに、ファン心的な嬉しさとは別の何かを感じるようになりました。

それは、おいでやすこがの持つ風の時代的エッセンスです。

風の時代については各メディアで様々な解釈がされていると思うので恐らく絶対的な定義のようなものはないかと思いますが、個人的な印象としては

・肩書きにとらわれない価値観
・様々なカテゴリーや枠組みのボーダーレス化

が主な特徴だと捉えています。
そしてこれらの特徴がまさにおいでやすこがに当てはまっていると思い、今回の記事に至りました。

①ユニットという形式

彼らは元々ピン芸人ですが、昨年のM-1にはユニットという形式で参加しています。
M-1であれだけ華々しい功績を残したのでこのままコンビ化か?という見方が妥当なところだと思いますが、M-1後の取材や出演を見ても特にそういった話はしていません。
それどころか、おいでやすこがの発起人・おいでやす小田は他の芸人とおいでやすこがのようなユニットを組む可能性についてもほのめかしていました。

・ピン芸人でもコンビでもない
・特定の人だけでなくても良い、何通りあっても良い

このフレキシブルな形態、どんな状況にも対応し得る良い「軽さ」を持ち合わせた価値観から風の時代っぽさを感じます。

②ジャンルにとらわれない芸風

昨年のM-1でのおいでやすこがのネタが語られるとき、よく「ピン芸でやっていることを漫才の形にした」というような言い方がされている印象があります。
その言葉が表すように、彼らはR-1ぐらんぷりや歌ネタ王決定戦にこれまでピンで出場しネタを披露していました。そこに今回のM-1出場、さらに今後はキングオブコント出場の可能性もあるようです。

ピンネタ、歌ネタ、漫才、コント。
フォーマットは違えど、それぞれの根幹にあるエッセンスには共通のものを感じます。ここまで多様な芸風に対応し得るのは、やはり彼らの技量や経験値がそれ相応のものを持ち合わせているからではないでしょうか。最近増えつつあるバラエティでの経験も伴って、今後新たなフォーマットでネタを披露する可能性すらあると思っています。

一つの枠に囚われず、個々が持つものを多様な枠に当てはめていく。
この自由度の高さにも風の時代っぽさを感じます。

ここまで芸人さんやネタに対して分析するなんて芸人さんには野暮だと思われるかもしれませんが、流行が時代を反映しているように、やはり今求められているものにもそれなりの理由があるように思います。
おいでやすこがが本当に風の時代的エッセンスを持ち合わせているのか引き続き検証していきたいので、今後もますます注目するばかりです。

最後までお読みいただきありがとうございます。 頂いたサポートは次の記事を書くための書籍代、または経験代にさせていただきます。