箱根駅伝、伊藤達彦くんの姿に涙する

箱根駅伝を見た。理由は簡単。大学の友達が走ってたから。一緒の授業を受けてた先輩がキャプテンやってたから。

自分の大学ももちろん応援した。シード権獲得おめでとう。

でも、私が心を奪われたのは伊藤くんだった。彼の走りは真っ直ぐだったから。監督からは東洋大学の相澤くんの後ろにつけって話があったのに、横に並んで走った。箱根駅伝を走った人の中で彼が一番楽しそうに見えた。

ライバルって良いなと思うと同時に相澤くんをライバルと認識して堂々と言えるところまで彼は上がってきたんだなと思った。ランニングデートと呼ばれたあの並走がなければあんな記録は出なかった。相澤くんも伊藤くんもすごく楽しそうだった。走ってるとき、相澤くんが何度も伊藤くんを見ていたことも伊藤くんがひたすら前を向いて走っていたことも。(ランニングデートの所以には表情と体格差も大きいと思う)

これが青春だ。

伊藤くんが2年生のときの箱根駅伝の予選会に私はいた。その時は東京国際大学なんて知らなかった。その時に耳に入ってしまった言葉がある。

「東京国際大学?無名じゃん。どうせ負けるよ。まぐれだろ。」

その言葉を聞いたのは東京国際大学の選手たちの近くだった。もしかしたら彼らにもこの言葉が届いてしまったのかもしれないと私は勝手に不安になった。どの選手に対してもどの大学に対しても一定の敬意は払うべきだ。自分の大学も予選会にいた。色んな人に自分の大学もそう言われていたから余計に敏感になったのかもしれない。それでも嫌だった。

今年の箱根駅伝の予選会でちゃんと彼を知った。日本人トップだった子。「初めて努力が報われたようで嬉しい」と泣いた子。その言葉には言葉以上の重みがあるように思った。

正直、彼には恵まれた才能は感じない。体格も筋肉のつき方もフォームも凄い綺麗な訳でも無い。だから凄いと思う。

諦めない走り。ライバルに喰らいついていく走り。彼はまさしくエースの走りをした。

彼は実力で真っ直ぐ相澤くんと戦って負けた。そのことに大きな意味がある。彼はもっともっと強くなると思った。

これからの伊藤達彦くんの走りに注目していきたい。

そして、私の大学もシード権獲得おめでとう。

走った友達へ

今までのどんなときよりもカッコよかったよ。最後の箱根駅伝、お疲れ様でした。

走れなかった友達へ

代わりに走る彼へのあなたの優しさに私が泣きそうになったよ。来年はどうかあなたが走れますように。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?