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小田原という身近な楽園

コロナウイルスが世界を席巻する2020年夏。

妻も俺もフルリモートワークとなり、前職のオフィスが近いという理由だけで借りていた東京・五反田のマンションに住んでいる理由が消失した。というより、俺はその年のはじめに会社を辞めて独立していたので、高い家賃を払ってこのマンションに住んでいる必要は、そもそもなかった。

五反田は思い出深かった。
前職のオフィスが五反田に移転してから焼肉屋、スナックふくむ夜の街を十二分に堪能し、馴染みの店もたくさんあった。
はじめて娘を授かり、妻と切磋琢磨しながら父母をデビューしたのもこの街だった。TOCという老舗商業複合施設が近く、赤ちゃん本舗が最寄りだったのでよく通った。

そもそも俺は東京が好きだった。
北海道の北見市という剥き出しの自然に囲まれて育ったせいか、俺は自然が好きではなかった。都会に憧れ地元を飛び出し、20代の頃は夜の銀座で寝泊まりするような日々だった。「ネオンに囲まれてボトルを抱いて死ぬ」のが本懐だと思っていた。

ところが。

ベランダに出ると、見渡す限りの箱根の山々が眩しい。
歩いて5分で誰もいない静かな浜辺が待っている。
道いく街道には季節の花々が賑わい、威厳を持った城がそびえ立つ。そんな自然たっぷりの歴史ある町、小田原に俺ら家族は、今年の1月から暮らしている。

「なぜ、小田原なのですか?」

という質問を頻繁に受けてきた。
もちろん、俺も妻も縁もゆかりもない。

なんなら、はじめて妻が移住先に小田原というカードを出してきた時には

「ごめん、なんの印象も湧かないわ…」

と答えたくらい、縁もゆかりも情報も知識も無かった。

じゃあ、なんでそんな町で暮らすことにしたのか。

理由は、「気に入っちまったから」の一言に尽きる。

まあ、それではなかなか納得してもらえないことが多いことも多いので

「海がね、近くてね、湘南とかと違って、静かで」
「海だけでなく、川も山も近くってね、子育てに良くて」
「お魚も豊富で美味しくってね」
「品川までも新幹線で27分というアクセスの良さがね」

なんていう、市のパンフレットに書いてありそうな美辞麗句を並べることもある。わかりやすいから。そしてそれらは全部事実なんだけど。

それよりももっと深いところ。
はじめて「体験移住」というイベントで来町した時に感じた、

「ああ、俺はこの町で暮らすんだな」

という感覚。

町と人とを結びつける不思議な縁。
そいつを、強く感じたからだ。

ちょうど10ヶ月くらいが経過するので
この小田原という身近な楽園、そしてそこでの暮らしについて
ぼちぼち世間の皆さんに共有していこうと思い、ひさしぶりにnoteにログインしたところです。

小田原移住生活記録「もせるごみ」

移住検討の方も、生粋の小田原っこも、俺らのような移住組も。
みんなが楽しめるように、気まぐれに更新していきます。

応援、よろしくお願いします。



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